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2023.07.06

メディア・コミュニケーション学科

「グループ・プロジェクト」の報告④~オリジナル欧文書体のデザインに挑戦~

1年生全員が参加するオムニバス型の授業「グループ・プロジェクト」では、これまでの「福岡女学院資料室だより」の作成や、福岡市美術館へのフィールドワークでの学びを生かし、架空のミュージアム「福岡女学院大学デザインミュージアム」で使用することを想定したオリジナル欧文書体の制作に取り組みました。第一週目は資料をもとに、書体の歴史や各部のつくり、名称などを学びました。また、「福岡女学院大学らしさ」について話し合いをしました。そして、それぞれが「福岡女学院大学デザインミュージアム」のオリジナル書体のアイデアを出しました。

第二週目は、前回それぞれが発想したオリジナル書体のいいところを組み合わせて、「F」の字をもとに基準になる仕様をグループで定めました。その際、「視認性(目に止まるか)」、「可読性(正しく読めるか)」、「審美性(美しい、かわいい、格好いい、心地よいなどの印象を与えるか)」を意識しました。次に、グループの誰が書いても並べたときに同じ書体だと感じられるように、細かくルールを定めていきました。そして、「FUKUOKA JO GAKUIN DESIGN MUSEUM」の27文字の制作に取り組みました。

はじめにルールを決めていても、文字はひとつひとつカタチが違うため、制作過程においてはルールをどこまで適用していいのか、例外を設けていいのかなど、多くの壁にぶつかります。学生たちはその度にグループで何度も話し合いながら制作を進めた結果、わずか90分間で、6種類のオリジナル書体が完成しました。

デザインは、一般的にイラストレーションやグラフィックデザインのように一人でつくるものというイメージを持たれがちです。しかし、今回のオリジナル書体の制作のように、グループでそれぞれの思いや考え方を、言葉だけでなく絵や図なども一緒に伝え合って可視化し、合意形成を図ることができるのもデザインの魅力といえます。また知識をもとにした論理的思考と、手を動かすことで生まれる偶然性を取り入れた創造的思考の行き来を体験できたのではないでしょうか。今回の学びを、デザイン分野に留まらず、今後、さまざまな場面で生かしてほしいと思います。

(渡辺学)