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2023.07.05

国際キャリア学科

(授業紹介)「American Studies A (Culture) 」(担当:千葉)

国際キャリア学科(ICD)2年生以上を対象とする「American Studies A (Culture)」は、アメリカ合衆国の文化を理解するための科目です。グローバル社会で働いていくうえで、アメリカ文化の理解はきわめて重要です。この科目では、文学や芸術だけでなく、生活様式、価値観、信条やその背後にある歴史的・社会的背景にも目を向けます。

 

具体的には、アメリカにおける人種(特にアフリカ系、ヒスパニック系、先住民、アジア系など)に対する差別や偏見の歴史と現状、差別撤廃運動、エスニック文化や地域的特性、宗教事情などを取り上げ、ダイナミックで多様性に富むアメリカ社会について、重層的な理解を目指しています。

 

今年6月上旬の授業では、アメリカ音楽の主要ジャンルであるカントリーミュージックにフォーカスし、特別講師としてチャーリー永谷氏とバック児玉の両氏をお迎えしました。特別講義のタイトルは、「カントリーミュジックを通しての日米の心のふれあい」です。

チャーリー永谷氏(本名:永谷正輝、熊本市在住、1936年生)は、日本におけるカントリーミュージックの草分け的存在で、20歳でカントリーミュージックに出会い、1956年から国内および東南アジア各地の米軍基地クラブで演奏活動を続け、聴衆に大きな感動を与えてこられました。その間、1961年にはバンド「チャーリー永谷とウェスタン・キャノンボール」を結成、1989年には日本初の野外カントリーミュージック・フェスティバル「カントリーゴールド」を立ち上げ、この大イベントは日米の有名アーティストを招き、2019年の第31回まで開催されました。「カントリーゴールド」の会場には国内外から多くのファンが結集し、日米交流の場ともなりました。

 

チャーリー永谷氏は数々のステージやテレビ番組への出演のほか、カントリーミュージックの殿堂「グランド・オール・オプリ」(於:テネシー州ナッシュビル)にこれまで29回、出演し、来年は史上最多となる30回目の出演が予定されています。さらには日米交流への功績が評価され、「マンスフィールド賞」「金子堅太郎賞」「ジム・リーブス記念賞」など数々の賞を受賞され、米国の33州から「名誉市民」の称号を受けておられます。1999年には当時のクリントン大統領に招かれ、ホワイトハウスで演奏されました。現在も熊本市内で「Good Time Charlie」を経営され、カントリーミュージック歌手として活動中です。

 

今回のご講義では、ベトナム戦争期から現代に至るまでの様々な体験談をお話しいただき、約50年間、ともに活動されているギタリストのバック児玉氏(本名:児玉一孝)とお二人で演奏もご披露いただきました。学生たちは、初めて聴く一流のカントリーミュージックの生演奏と心温まるお話に聴き入り、大きな感銘を受けていました。

以下は、受講している学生の感想の抜粋です。

M.Iさん(4年、福岡雙葉高等学校出身)

チャーリーさんはアジア各地の米軍基地で、戦場に向かう間際の兵士たちなど、様々な人々に大きな感動や影響を与えられました。その活動がついにはホワイトハウスでの大統領や日本の首相との対面と演奏に繋がったのです。そのような歴史に名を残すレジェンドが、私たちの大学の教室で何曲も歌って下さり、光栄でした。私の父方の家族はずっと米軍で働いてきており、私自身も人生の半分以上が基地暮らしでしたので、とても親近感があり、嬉しかったです。初めて生演奏を聴き、これからもカントリーミュージックの良さを追求していこうと思いました。

A.Iさん(3年、福岡県立宗像高等学校出身)

昨年公開の映画「エルヴィス」を観ましたが、エルヴィス・プレスリーもカントリーミュージックから影響を受けていました。講義を通して、アメリカ社会においてカントリーミュージックがいかに大きな存在かを知り、その文化を生演奏で体験できて、貴重な学びになりました。ギターの優しくゆるやかなメロディからは安心感が得られ、心が温まりました。チャーリーさんのお話にも魅了され、特に戦場に出ていく直前の米兵たちとの交流のお話では胸が熱くなりました。アメリカ社会への私の見方も大きく変化しました。チャーリーさんの大きな功績は、優しく強い心や謙虚な姿勢など、お人柄の素晴らしさゆえだと感じました。将来に迷い、悩んでいましたが、お二人の演奏に勇気づけられ、心が軽くなりました。私も未来に向け、挑戦する強い心を持とうと思います。

S.Pさん(3年、ネパール出身、えにし日本語学校出身)

I think Charlie san is really passionate. He worked so hard and accepted every challenge in his life. That is why his name is now on the list of famous country musicians. Even though he is getting old, he is unstoppable and we can feel his love of music. He is still singing at many different places. I was truly inspired when I listened to his music.Indeed, it was a great honor to meet him in person.

A.Hさん(3年、福岡県立朝倉高等学校出身)

今回の講義と演奏で特に印象に残ったことが三つあります。一つ目は、米軍基地内のクラブでアンコールの声や拍手が鳴り止まず、兵士たちがスクラムを組み、チャーリーさんの移動を阻もうとしたエピソードです。戦地に向かう兵士たちにとってカントリーミュージックが大きな心の支えであったことが伝わってきました。現在もカントリーミュージックのファンは多いでしょうが、戦場で死と直面する状況にあった兵士たちにとっては特に大切であり、だからこそチャーリーさんの音楽が今も語り継がれているのだと思いました。二つ目は長く「カントリーミュージックは白人の歌」という認識があったということです。歌に感動した黒人兵士とチャーリーさんが握手しただけで「解雇」の脅しを受けたという話に驚きました。公共施設などだけでなく、歌にも「白人用」との意識があったことを知り、アメリカの黒人差別の歴史についてさらに詳しく学ぼうと思いました。三つ目は、大学を中退してまで「音楽一筋で行く」と両親に告げ、87歳の今でも音楽活動を続けられているチャーリーさんの歩みです。お聴きして、驚くことばかりで、とても素晴らしい講義でした。

M.Aさん(2年、祐誠高等学校出身)

初めてカントリーミュージックの生演奏を聴き、鳥肌が立つほど感動しました。色々な経験を経てこられたチャーリーさんだからこその歌で、その想いの深さや魂を感じました。米大統領によるホワイトハウスへの招待、米国33州からの「名誉市民」の称号の授与、「金子堅太郎賞」の受賞など、本当に素晴らしいご経歴をお持ちの方のお話と生演奏を聴けて、とても貴重な経験となりました。特に、印象的なことが二つありました。一つ目は出撃直前の兵士たちとの交流です。死に直面する兵士たちを前に演奏した時の切ない想い、兵士たちが演奏を聴いて死んだ仲間を思い、涙を流し、彼らが帰国後に家族や友人にチャーリーさんの話を伝えていったことです。人と人がつながり、その輪が広がっていくという、音楽の持つ強い力に感銘を受けました。二つ目は、「カントリーゴールド」の魅力についてで、初対面の人同士で交流が生まれ、翌年の再会を約束したという、音楽の素晴らしさです。ご講義を聴いて、心が温まり、「どんなことがあっても(カントリーを)やめない」というチャーリーさんの初心は、これから夢に向かって進んでいく自分にとって大きな刺激となりました。

N.Tさん(3年、八女学院高等学校出身)

ご講義と演奏にとても感動しました。チャーリーさんは、たくさんの壁にぶつかりながら現在に至っておられます。私の祖父は米軍基地で働いていたので、チャーリーさんのことを知っていて、色々な人から慕われている方だと実感しました。これを機にカントリーミュージックを聴いていきたいです。クリントン元大統領から国賓としてホワイトハウスに招待された際のお話は最も印象的でした。そんな素晴らしい方の生演奏を聴けて、感無量です。兵士たちの心を癒したチャーリーさんや彼のバンドは、日本の誇りです。

A.Kさん(3年、佐賀県立到遠館高等学校出身)

とても興味深いお話と演奏であっという間に時間が過ぎました。特に、感慨深かった点が二つあります。一つ目は黒人差別についてです。黒人のチャーリー・プラウド氏が幼少期に家でカントリーミュージックを聴くと「家を焼かれるから」と小音量で聴いていたことや、黒人兵士との握手さえ許されない時代があったことに衝撃を受けました。二つ目は、チャーリーさんの活動についてです。国内外の米軍基地のクラブでは兵士たちが何度もアンコールを求め、別のクラブに行かせないようスクラムを組んだエピソードを聞き、出征を控えた兵士たちにとってチャーリーさんの演奏を聴く時が唯一の幸せな時間で、音楽が心の支えであったと感じました。20歳から長年、音楽活動を続けてこられ、深く尊敬します。初めて聴いたカントリーですが、なにか懐かしさを感じ、感動しました。本当にありがとうございました。

R.Uさん(3年、上智福岡高等学校出身)

チャーリーさんが大学を中退してまで「一生、カントリーミュージックを続ける」との決意で行動されたことに感動しました。自分の今までの意志の弱さを感じるとともに、本当に自分の一生を捧げるほどの熱量を持てる夢に出会った時には、覚悟を持って行動しようと思いました。各地の米軍基地クラブでは、米兵がスクラムを組み、チャーリーさんのバンドの移動を阻もうとしたこと、次に同じクラブに行くと亡くなった兵士が何人もいたことなど、悲しい体験談もありました。チャーリーさんとバックさんの演奏や歌は息がぴったりで、パワフルで、初めて聴く本物のカントリーミュージックに圧倒されました。

M.Sさん(3年、福岡県立筑紫中央高等学校出身)

今回の講義で、音楽は人と人を結ぶということを実感しました。その第一の理由は、日本人であるチャーリーさんが各地の米軍基地で演奏し、多くのアメリカ人から愛されてきたことです。戦場へ向かう兵士にとって母国の歌を仲間たちと聴く時間は、戦争という暗い現実から離れ、希望を持たせるものでした。亡くなった兵士が好きだった歌で涙を流す人々もいて、チャーリーさんの演奏だけでなく、彼自身が求められていたと思います。人種の壁を越え、兵士から大統領に至るまで広範な人々に歓迎されたアーティストは稀で、今回、そんな素晴らしい方にお会いできて、感激しました。第二の理由は、国内外からの多くのファンが集った「カントリーゴールド」で人々は共に歌い踊り、初対面でも親しく交流できたことです。「次回、同じ場所で会おう」と約束するとはなんと感動的なことか!そこで生まれた絆は人々の支えであったと思います。チャーリーさんの伸びやかな歌声は親しみやすく、バックさんとお互いに微笑み合って音を合わせ、演奏されていたのが素敵でした

Y.Kさん(2年、福岡県立宗像高等学校出身)

カントリーミュージックを聴き、大きな刺激を受けました。国内外の米軍基地で多くの方に歌を届けられ、ホワイトハウスにも招待されたこと、日本の首相が熊本まで会いに行かれたことなど、興味深い体験談を聴く、貴重な機会となりました。特に印象深かったのは、1956年に「どんなことがあっても辞めずに歌い続ける」と決意し、家族を説得された勇気ある行動です。今でもカントリー界の最前線で活躍されており、心から尊敬します。自分の好きな道を選び、人生を思いっきり歩んでこられたチャーリーさんのお姿を見て、私も「自分のしたいことをして生きたい」と思いました。

R.Oさん(3年、福岡大学附属若葉高等学校出身)

心温まる生演奏はとても貴重な経験となりました。講義のなかで、チャーリーさんが両親に反対されながらもカントリーミュージック界に入る時の「絶対にやめない」という強い覚悟が印象的でした。お二人の息の合った演奏から、カントリーへの愛の深さも感じました。日米だけでなく、フィリピン、グアム、タイ、台湾など各地の基地などで歌われていたと聞き、世界各地の方々から愛されていることも知りました。特にベトナム戦争時には、生還できなかったファンも多かったと聞き、胸が張り裂けそうでした。カントリーミュージックは未知の世界でしたが、生演奏を聴き、落ち着きある曲調に魅了されました。チャーリーさんは日米を繋ぎ、アメリカ人の心を音楽でぐっと掴んだ素晴らしい方だと知りました。

V.Pさん(4年、ベトナム出身、いろは日本語学校出身)

Mr. Nagatani performed country music, touring military bases not only in Japan but also in Taiwan, the Philippines, Thailand, etc. especially during the Vietnam War. His experience of being invited by the US President to the White House state dinner was impressive. Having incredible passion for country music, he continued to host “Country Gold” for 31 years. I learned how beautiful country music is, and I felt warm as I heard him sing.

R.Hさん(2年、福岡大学附属若葉高等学校出身)

素晴らしい生演奏と体験談を聴く貴重な機会をいただき、カントリーミュージックの素晴らしさを知りました。チャーリーさんの初心を貫かれたお話から、自分の道を継続する力、目標や夢を叶える姿はとても勉強になりました。実際に歌を聴くと、平和で幸せな気持ちになりました。

A.Iさん(3年、福岡県立香椎高等学校出身)

チャーリーさんのカントリーミュージックとの出会いのお話を聞き、私も思いがけない出会いを大切にしたいと思いました。また、活躍の場所が少なかった当時の日本人歌手の多くは、美空ひばりさんも含め、まず基地で歌っていたと知りました。東南アジアで演奏されていた時の体験談も印象的でした。かつては音楽の世界でも人種差別があり、白人の音楽だったカントリーを黒人兵士が聴いて感動し、チャーリーさんと握手しただけで「次に同じことをしたらクビだ」と告げられたこと、黒人側でもカントリーを歌うと周囲から「裏切り者」扱いされたことなど、悲しい人種差別の歴史に驚きました。周囲を幸せにする音楽活動を数十年間も続けて来られたチャーリーさんは、87歳とは思えない若々しいお姿で感動しました。

A.Uさん(3年、九州産業大学付属九州高等学校出身)

カントリーミュージックが多くの人々に愛されていること、チャーリーさんの信念の強さと音楽愛を感じました。ベトナムなど戦時下の基地での演奏活動では、精神的な窮地にあった兵士たちにとって、カントリーが故郷を思い出させ、心を癒すものだったと実感できました。また、「カントリーゴールド」を31年間も継続され、そこでは、初対面の人とも仲良くなれるという音楽の力も知りました。チャーリーさんの優しいお人柄や偏見なく活動されたこと、そして戦争のない平和な世界への願いがこもったオリジナル曲に感動しました。

M.Yさん(3年、長崎県立諫早商業高等学校出身)

私たちと変わらない若い頃にチャーリーさんは音楽一筋で生きていく覚悟を決められ、それ以来、ずっとカントリーミュージックを歌い、多くの人々を癒やされてきました。チャーリーさんが人々に愛され、必要とされてきたこと、また、音楽が人々の心を支え、感動を生み出す素晴らしさを実感できました。繊細、かつ迫力のあるバックさんのギターとチャーリーさんの洗練された歌声がマッチして、感動しました。チャーリさんのように、私も夢を目指してやり遂げる覚悟を持って、挑んでいきたいです。

M.Sさん(3年、福岡県立筑紫丘高等学校出身)

カントリーミュージックに関する知識はほとんどなかったのですが、講義に引き込まれ、あっという間に時間が過ぎました。特に興味深かったのは、戦後まもない時期には歌手はたいてい米軍基地から活動を始めたということ、そのような米軍と日本人歌手の関わりは意外でした。音楽で生きていくことは容易ではなかったと実感しました。阿蘇での「カントリーゴールド」に一度でも参加したかったです。また、黒人がカントリーを聴き、白人がジャズを聴くことがタブー視されていたアメリカの歴史を初めて知りました。

S.Sさん(3年、九州産業大学付属九州高等学校出身)

初めてカントリーミュージックを聴き、気持ちが落ち着き、幸せな気分になりました。カントリーミュージックはアメリカ人が生活の中で感じた喜びや悲しみ、男女の愛などを表現した大衆音楽で、大人数で踊りながら聴くとさらに楽しいそうです。今回の講義は心のリフレッシュにもなり、元気をいただきました。貴重な機会を感謝します。

S.Nさん(3年、福岡県立田川高等学校出身)

実際にお会いしたチャーリーさんは本当に素晴らしい人でした。多くの輝かしい賞を受け、大統領や首相まで面会を望むほどチャーリーさんには魅力がありました。また、昔は米軍基地のクラブで黒人と握手することさえ許されなかったことに驚きました。もともとカントリーは白人、ジャズは黒人の音楽だったことを知り、いろんな場面で人種差別があったと痛感しました。チャーリーさんは偉業を残されたのに謙虚なお人柄で、素敵でした。初めて聴くカントリーミュージックはとても楽しく、ワクワクする音楽でした。多くの人を元気づけてきた理由がわかる気がしました。

K.Rさん(2年、ネパール出身、九州国際教育学院出身)

チャーリーさんの歌を聴き、心が温かくなりました。今まで様々なライブに行きましたが、今回ほど歌を楽しめたことはなかったです!先生が今回のような素晴らしい機会を作って下さったことを感謝します。これからもチャーリーさんの歌を聴きたいです。講義を聴き、やりたいことが見つかった時は最後までやり続けていくことで夢を叶えられると思いました。

S.Sさん(2年、自由ケ丘高等学校出身)

チャーリーさんの行動力と一人の人の人生を一度の出会いで大きく変えたカントリーミュージックの魅力に驚きました。また、音楽の世界にも人種差別があったことも初めて知りました。カントリーミュージックは、静かな曲調や明るく弾む曲まで幅広いジャンルがあることも興味深かったです

S.Hさん(2年、福岡海星女子学院高等学校出身)

音楽の世界でも人種差別があったことに驚きました。今も続く黒人差別ですが、ある黒人が白人の音楽であったカントリーミュージックを聴き、歌い続けたことで、差別の壁が少しずつなくなったことを知りました。

S.Fさん(2年、福岡県立須恵高等学校出身)

チャーリーさんの最初の曲を聴いた途端に感激し、その素晴らしさを知りました。ギターを弾きながらのゆったりとした曲や、手拍子が入るアップテンポの曲もあり、楽しい雰囲気になって音楽の力の凄さを改めて感じました。チャーリーさんは20歳の時から87歳の今までずっとカントリーミュージック一筋だと知り、驚きました。自分の大好きなことを続け、長い年月の中で多くの聴衆に感動や幸せを伝えてきたことが、ご自身にとっても一番の幸せなのだと思いました。ご経歴はとても素晴らしく、その方の歌を間近で聴けて、大変、光栄です。