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2023.02.07

メディア・コミュニケーション学科

教員コラム:うさぎの島と「風船爆弾」

広島県竹原市にある大久野島に行ってきました。「うさぎの島」として知られているこの島で、かつて毒ガスが製造されていた史実は、すでに1月初めのブログで紹介しました。しかもここでは毒ガスだけでなく、下の写真にあるような「風船爆弾」も作られていたのです。

「北九州平和のまちミュージアム」に展示されている「風船爆弾」の模型

港(第一埠頭)から歩いて2,3分ほどのところにある「毒ガス資料館」の展示では、その事実もしっかりと確認することができます。ただし、毒ガスに関する展示と比較すると、残念ながら隅っこに追いやられているような印象は否めませんでした。

「毒ガス資料館」の外観

「風船爆弾」とは、和紙でできた直径10メートルほどの気球に爆弾を吊り下げたものです。太平洋戦争末期、米国本土に向けて飛ばされ、そのいくつかは子どもを含む市民の命を奪いました。この兵器製造の担い手のなかには学徒動員された女子学生もいて、図らずも殺人兵器の製造に彼女たちは関与させられたのでした。

「風船爆弾」の最大の生産地は小倉陸軍造兵廠でした。今月の半ばにその跡地に立てられた「北九州平和のまちミュージアム」を「国内スタディ・ツアー」の授業で学生たちと一緒に訪れます。戦争の実態をしっかりと学んで帰ってきたいと思います。

(池田理知子)