国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」(担当:山口)は、世界とつながるビジネスやそれを支援する公務の第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。
今年度の最終回となる先日の講義には、株式会社タカギから総務人事部人事課採用・教育チームの古賀友規リーダーをお招きし、モノづくりの街、北九州を代表する製造業企業である同社の事業展開やビジネスモデル、人事政策からご自身の学生時代と就職活動の経験談まで幅広くお話しいただきました。
タカギは1961年に九州初のプラスチック成型用精密金型の設計・制作企業として創業しました。1970年代のオイルショックにより一度は経営破綻を経験し、和議申請によって再建されますが、その際、「下請け」から自社製品を販売する「メーカー」への転身を図り、現在も販売されているロングセラー商品の灯油ポンプを開発、その後、日本初の園芸用散水用品、同じく日本初の蛇口一体型浄水器とアイデア商品を次々と世に送り出し、散水用品では国内トップシェア、蛇口一体型浄水器でも新築マンションへの導入率で一位と業界を牽引する企業へと発展しました。また、極めて高い品質基準が求められる自動車の内装部品の金型製造等を自動車メーカー各社から委託されるなど、その高い技術力でも知られています。
こうした事業展開を通じてタカギは24期連続で増収を続けていますが、それをもたらしているビジネスモデルとして、古賀様は浄水器ではキッチンメーカーや工務店、ハウスメーカーに対するいわゆるB to B(企業間取引)だけでなく、エンドユーザーに対するカートリッジの宅配などのB to C(対消費者販売)に事業を拡げ、それが安定的な収益源になっていること、また同社に就職した国際キャリア学科二期生のM.Iさん(大分県立中津南高等学校出身)も活躍しているEコマースを通じた国内販売、および海外に向けた事業展開などを通して散水用品の新しい販路を開拓していることなどをあげられました。そのうえで、「お客様のお困りごとを解決するために、世の中にないものを作り上げるための挑戦を続けてきた結果、今のタカギがあります。タカギでは挑戦することを大切にしています」と述べられ、最近の取り組みの具体例としてタッチレス型の蛇口一体型浄水器の開発や東京・自由ケ丘での散水用品の新しいブランド発信を目的としたアンテナショップ兼マーケティング拠点の開設、そして新工場の建設などをご紹介下さいました。
同社は過去の経営破たんの際に従業員に支えられてきた経験から「皆が楽しく働ける職場を提供する」ことを会社設立の目的に定めていますが、古賀様からは組織におけるボトムアップ風土の醸成やワークライフバランスの充実、従業員の成長意欲に応えるための学習補助制度など、従業員にとって魅力的な会社であり続けるために取り組んでいることについてもわかりやすく解説いただきました。
講義の最後には、ご自身の学生時代のご経験やそれが社会人となった際にどのように役立っているか、ベンチャー志望だった古賀様が合同会社説明会でタカギに出会われ、社員の方々の前向きさや熱気、挑戦心、向上心に魅力を感じ、入社された経緯についてもご紹介いただきました。そのうえで、会社で活躍している人の共通点として、①目線、考え方が柔軟な人、②ある種、今を疑える人、③人を大事にできる人、尊重できる人、人に頼ることができる人、④使命感を自分で見つけられる人という四つをあげられ、就職活動を控え、不安も感じている学生たちに明るく「社会人って、本当に楽しいですよ」と呼びかけてくださいました。学生たちは終始、楽しそうにお仕事について話される古賀様の講義に頷き、時に笑いながら聴き入っていました。
Y.Hさん(福岡県立須恵高等学校出身)
H.Aさん(福岡県立春日高等学校出身)
講義の最後に古賀様が求められる人材としてあげられた中に「人に頼ることができる人」がありました。お互いに補い合うようなチームで頑張る力が大事だということでした。年齢などに関係なく、相談したり、協力したりできる関係は素敵だなと思いました。私もぜひ、そういう職場で働きたいです。また、古賀様がおっしゃった「社会人は楽しいですよ」という言葉が就職活動を進めていくうえで、とても励みになりました。お忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました。
S.Kさん(福岡県立新宮高等学校出身)
タカギ様は夏の国際ビジネス・フィールドワークの際に訪れさせていただいた企業でした。フィールドワークで訪問した企業のなかでも最も魅力を感じていたため、今回、再び講義でお話を聴けて、嬉しかったです。水は私たちの生活には欠かせないものです。そのような点からみても魅力的な会社だと思いました。日常で必要不可欠なものを提供している会社は、将来を考えても安心できるからです。実際、私のマンションではタカギ様の浄水器が付いた水道を使っており、カートリッジが定期的に届くようになっています。日常的にタカギ様の商品を使っているため、講義を聴いてさらに身近に感じました。講義の後半に、同社は一度、経営破綻した際に従業員に支えられた経験から社員に寄り添うような会社を目指していると聞いて、そうした考えがとても人事制度にも現れている会社だと感じました。
Y.Eさん(福岡県立山門高等学校出身)
タカギ様は時代の変化にスピード感を持って対応している企業だと思いました。商品開発からアフターサービスまで一貫して行っているため、様々な部署を経験できることも魅力的だと感じました。人事政策面でも休暇の充実や将来のキャリア形成への支援制度があることが魅力的で、「人」を財産としている会社であることがよくわかりました。
Y.Mさん(福岡県立武蔵台高等学校出身)
講義での古賀様のお言葉の端々からお人柄を感じることができ、まさにタカギ様が大切にしている「挑戦」を体現していらっしゃる方だと感じました。講義を通して、「お客様に求められていることを提供する」「誰もやっていないことをやる」というタカギ様の企業姿勢を感じ、社会の役に立つというのはこういうことなんだなと学ぶことができました。私もぜひ社会に貢献する仕事ができる社会人になりたいと思います。
A.Yさん(佐賀県立鹿島高等学校出身)
M.Iさん(聖和女子学院高等学校出身)
講義を通して、タカギ様は常に新しい分野にチャレンジし、お客様と社会のために事業を行うことを大切にされているのだと感じました。製造業のお仕事について学べただけでなく、タカギ様のブランド力の高さとそれをもたらしている要因についても学ぶことができました。また、講義の最後にご紹介いただいた古賀様の就職活動のご経験談から、自分の価値観をもとに企業選びをすることで自分に合った職種・仕事に巡り合うことができるのだと感じました。今回の講義で学んだことを就職活動に活かすことができるよう精進し、役立ててまいります。貴重なご講義をありがとうございました。
R.Mさん(九州国際大学付属高等学校出身)
私は今まで就職先として企業を考える際、その会社のブランドや取り扱っている商品を中心に見ていましたが、今回の講演を聴き、働き方に着目することもとても大切なことだと思いました。新たな会社の選び方を見つけることができたので、今後、さらに視野が広がることにとてもワクワクしています。貴重なお話をありがとうございました。
N.Kさん(自由ケ丘高等学校出身)
M.Nさん(福岡女学院高等学校出身)
M.Iさん(中村学園女子高等学校出身)
タカギ様では「皆が楽しく働ける職場を提供する」ことを会社設立の目的に定められていて、実際に社員を大切にされています。例えば、ワークライフバランスの実現のために、ダイバーシティ推進活動や男性の育休促進、学習補助制度、リフレッシュ休暇などを導入されています。従業員が働きやすい環境作りを積極的に行い、従業員ひとり一人を大切にしているのはとても素晴らしいことで、私もそのような会社で働きたいと思いました。