先日の講義ライブに続き、10月16日にはその講義への質問対応が実施され、計3回、高校生との質疑応答の時間を過ごすことができました。
まずは参加してくれた高校生の皆さん、そして質問してくれた皆さんに感謝します。するどい質問もあり、それをきっかけに方言の世界をお話しすることができました。
事前にこちらから「方言とは何だと思いますか。具体例もあげてみてください」という問いを投げかけていました。みなさんから様々な回答があったのですが、なかでも「その土地ならではのめずらしい言葉」と方言をとらえるものが多かったように思います。これは方言の中の一部、俚言(りげん その土地独特の言葉)と呼ばれるものです。
実は方言とはもっと広く、1つの言語体系なのです。日本語や英語や中国語があるように、九州方言・福岡方言という言語(体系)が並び立つ、そういう存在なのです。
私たちにとって身近な言葉は方言です。なぜなら、人は周囲で話されている言葉をまねて、自分の言葉を身につけていくからです。
言語形成期(周囲の言語の影響を一番受けやすい時期。おおよそ幼稚園・小学校・中学校のころ)に私たちの言語の基礎は形成されます。要するに、この期間にもっとも長く過ごした地域の言葉、すなわち方言を身につけるのです。そして今も、私たちはその方言を話しているということになります。
方言はただのめずらしい言葉ではなく、1つの言語体系であること、皆さんが身につけている一番身近な言葉であることを知ってほしいと思います。
(二階堂 整)
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