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2022.11.04

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」2022年度⑥:公的金融機関-福岡県信用保証協会の吉田様による講義

国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」(担当:山口)は、ビジネスの第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。 先日の講義には、中小企業の資金調達を支援する公的金融機関である福岡県信用保証協会から、総務企画課の吉田裕美子様をお招きし、信用保証協会の業務と公的金融機関に求められる人材などについてお話しいただきました。

 

吉田様は「皆さんは福岡県信用保証協会をご存知ですか」という問いかけから始められ、信用保証協会の役割について「中小企業が抱えている大きな課題である資金調達を支援する、具体的には中小企業が事業に必要な資金の借り入れをする際に公的な保証人となってスムーズな資金調達ができるようにサポートする公的機関です」と述べられたうえで、信用保証協会が保証する保証付き融資の仕組みや流れについてわかりやすく解説いただきました。

 

景気が低迷し、悪化すると、通常、中小企業の資金繰りは悪化し、信用保証協会の保証利用は増加しますが、吉田様は日本の経済状況に応じて信用保証協会の保証債務残高(信用保証協会が保証している融資残高)が推移していることを統計データで示しながら、信用保証協会を通した制度融資が不況時の中小企業の資金調達のセーフティネットになっていること、そのなかで福岡県信用保証協会の保証利用度が全国各都道府県と横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市に計51ある信用保証協会のなかでも第一位に位置けられていることなどをご説明くださいました。

続いて、学生たちに「日本の企業のうち中小企業は何パーセントを占めると思いますか」と問いかけられ(答:99.7%)、日本及びに福岡県での雇用に占める中小企業の比率を示して「日本は中小企業の存在感が大きい国です。中小企業は雇用の受け皿としても大きな役割を果たしており、地域経済を支えています」とご説明いただきました。大企業と比較した中小企業の「強み」(コンパクトな経営組織、意思決定が速い、小回りが利く、従業員一人一人の存在感など)と「弱み」(人材確保、価格競争力、資金調達力など)についてもご説明いただき、中小企業の「弱み」のうち最も多くの企業が悩んでいる資金調達を中心に支援する信用保証協会の業務内容を詳しく紹介いただきました。

 

信用保証協会の業務内容のうち創業支援については、「開業率、廃業率とも高水準である業種はどの業種でしょうか」という問いかけから始められ(答:宿泊業、飲食サービス業)、日本は開廃業率とも主要国に比べて低く、新たな雇用や新商品が生まれにくい状況にあること、中小企業が2014年から2016年の間に23万事業者も減っているなど、日本経済が抱えている問題を指摘されました。起業準備者が起業できていない理由のうち最も多いのがやはり資金調達で、資金調達を中心として信用保証協会が創業の段階ごとに行っているきめ細かい支援についてもご説明いただきました。

信用保証協会の業務の中核ともいえる保証審査については、定量分析と定性分析についてわかりやすく説明いただいた後、経営者をみる、店舗・従業員・顧客をみる、財務をみるという審査の三つのステップのうち、特に経営者をみるところに焦点を当て、掲げている経営理念からその企業を当てるクイズを交えながら解説いただき、「経営者に会って、まず聞くことは経営理念です。経営理念を知ることで経営者が何を軸としてその企業を経営しているのか、その企業をどう育てようとしているかがわかります。皆さんも気になる企業があったらその経営理念を調べてみてください」とアドバイスいただきました。また、経営者に会う際に特に気を付けられている第一印象の重要性についてご自身の経験をもとにご説明いただきました。

講義の最後には、公的金融機関に求められる人材像として①誠実な人、②コミュニケーション能力が高い人、特に相手から話を聴きだすことができる聴き上手な人、③与えられた仕事に対して自主的に責任ある行動ができる人をあげられました。そのうえで、女性職員の目からみた福岡県信用保証協会の働きやすさ(全員が総合職であり、男女とも同じ業務を担当していること、出産・子育てに関する福利厚生制度が充実していること)をご紹介いただきました。

 

学生たちは社会で活躍する先輩女性の視点から後輩に語り掛けるように、クイズを織り交ぜながら詳しく解説いただく吉田様の講義を真剣な表情で聴いていました。なお、本講義の司会は福岡県信用保証協会から採用の内定をいただいている国際キャリア学科4年生のA.Yさん(佐賀県立武雄高等学校出身)が務めました。

P.Tさん(福岡日本語学校出身、ネパール出身)

今回の講義で最もよかったと思ったのは、様々なクイズがあって、質問に答えながらたくさんのことを学ぶことができたところです。講義の内容もとても面白く、今まで知らなかった福岡県の産業構造や中小企業、主な企業の経営理念とその大切さなど、幅広く知識を身につけることができました。とても貴重な講義をありがとうございました。

S.Aさん(福岡県立明善高等学校出身)

今回の講義では、信用保証協会の役割と業務内容について、詳しいお話を聴くことができ、日本の社会において非常に重要な存在であることを理解しました。また、中小企業が置かれている状況や公的金融機関に求められる人材像など、とても興味深く、将来に活かせるお話もいただき、大変、有意義な時間を過ごさせていただきました。福岡県信用保証協会では、男女全員が総合職で対等な立場で働くことができ、出産・育児休業が充実しているなど、女性がずっと働き続けられる勤務環境であることに非常に魅力を感じました。

M.Tさん(福岡県立新宮高等学校出身)

吉田様は公的金融機関に求められる人材像として、誠実な人、コミュニケーション能力が高い人、自主的に責任のある行動ができる人などをあげられました。広い視野を持って、プラス思考で物事を考えられるかも重要とのことでした。中小企業の方が資金を調達したい時は、切実な願いで信用保証の依頼をされます。したがって、そうした中小企業の方々に寄り添って誠実な対応ができるかどうかも大切なのだなと思いました。

N.Fさん(福岡県立武蔵台高等学校出身)

福岡県信用保証協会のお仕事は、社会に貢献し、働きながら知識を身につけることができるため、非常に魅力的だと感じました。休日はしっかりと取れるなど、ライフワークバランスがとれているところにも魅力を感じました。お仕事の内容や必要な専門知識に関する勉強は非常に難しいものであると思いますが、ご講義いただいている吉田様を見ていると、楽しくお仕事されているなという印象を受けました。「福岡を元気にしたい、地域に貢献したい」と考えている私にとって非常に魅力的なお仕事だと感じました。今後、就職活動を進めるうえで、福岡県信用保証協会のような企業活動をサポートをするお仕事にも目を向け、知識をさらに深めていきたいと思います。

Y.Hさん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)

講義の最後に吉田様は、公的金融機関に求められる人材像として、誠実な人、コミュニケーション能力が高い人、自主的に責任のある行動ができる人などをあげられました。また、実際に福岡県信用保証協会で働かれている職員の方のお仕事やキャリアプラン、1日の業務の流れもご紹介下さいました。今まで、信用保証協会については全く知らなかったので、今回の講義で多くのことを初めて知ることができました。女性の若手社員も働きやすそうな職場という印象を受けました。

M.Kさん(福岡県立筑紫高等学校出身)

今、女性の活躍が期待されていますが、そうしたなか実際に活躍されている吉田様のお話を聴くことができ、またその企業に国際キャリア学科の先輩が内定されていることを知り、とてもモチベーションが上がり、就職活動に向けてのやる気が増しました。私もキャリアをたくさん積んで、社会で活躍する女性の一員になりたいと思います。

Y.Sさん(大分県立別府翔青高等学校出身)

福岡県信用保証協会については名前を聞いたことがありそうで、よくは知らなかったので、どんな仕事をしているのかとても興味深かったです。信用保証協会とは、中小企業が金融機関から資金の借入をする際に「公的な保証人」になり、スムーズに資金調達できるようにサポートする公的機関であり、信用保証協会が入ることで中小企業の資金調達がスムーズになることがわかりました。そして、日本全国の信用保証協会のなかでは福岡県信用保証協会の保証利用度が1位となっており、県内の中小企業に信頼されていることがよくわかりました。

H.Kさん(大分県立中津南高等学校出身)

信用保証協会については、名前はどこかで聞いたことがあるかなというくらいの知識しか持っていませんでしたが、吉田様の講義を聴き、信用保証協会の業務と社会で果たしている役割について詳しく学ぶことができました。吉田様が実際に働いて経験されたこともご紹介いただき、とても勉強になりました。ありがとうございました。

A.Yさん(佐賀県立鹿島高等学校出身)

信用保証協会という機関とその業務について初めて知る機会となったので、大変、勉強になりました。信用保証協会では女性も活躍されていて、男性と変わらず総合職として積極的な働きができるところが魅力であると感じました。また、福利厚生制度も充実しており、育児をしながら働きやすい環境であるようにも感じました。就職活動をするに当たり、これらの点は重要な判断材料になると思いますので、様々な角度から企業をみていきたいと思います。この度は貴重なお話を伺うことができ、とても有意義な時間となりました。誠にありがとうございました。

M.Hさん(九州産業大学付属九州高等学校出身)

私はこれまで信用保証協会という機関の存在を知りませんでしたが、講義を通して信用保証協会は中小企業の方々が金融機関から事業資金の借入をする際に「公的な保証人」となり、スムーズに資金調達をできるようにサポートする公的金融機関であり、多くの企業にとって必要不可欠な存在であることを学びました。この度は、貴重な講義をありがとうございました。

R.Tさん(福岡海星女子学院高等学校出身)

吉田様は経営理念を見ることの大切さを指摘されました。インターンシップや企業説明などでよく「経営理念」という言葉を耳にしますが、「その会社が目指すものや大事にしているものかな」とぼんやり思っていました。広辞苑によると、「経営理念とは企業行動における基本的な価値観、精神、信念、行動基準を表明したもの」とされています。企業行動における基本的な価値観とは、その会社がどいういう考えを持っているかを表していて、それが自分の考えや価値観にもあっているかを追求して会社を選ぶことも重要だと思いました。

A.Iさん(中村学園女子高等学校出身)

今回の講義では、信用保証協会の業務内容や公的金融機関に求められる人材像から日本と福岡の中小企業についてまで多くのことを学ばせていただき、新たな知識を身につけ、視野を広げることができました。また、これからの人生で知っておくべきことも多く聴くことができたので、本当に良かったです。本日、学んだことは忘れないようにしたいと思います。