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2021.11.30

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」2021年度⑧製造業:ヤマハ発動機提携講義Ⅱ-ヤマハ発動機ビズパートナーの竹内美咲様による講義

国際キャリア学科(ICD)では、グローバル企業と提携したプログラムとして2017年度からヤマハ発動機株式会社様との提携講義を実施しています。同提携講義は、前期に国際キャリア学科1年生を対象とする「フレッシャーズ・セミナー」での柳弘之取締役会長による特別講義、後期に3年生以上を対象とする「Current Business」での同社グループで活躍されている女性社員の方々による講義という構成で実施しており、今年度前期は6月に柳取締役会長による特別講義を開催しました。

先日は、後期のヤマハ発動機グループで活躍されている女性社員の方による講義の第2回として、ヤマハ発動機ビズパートナー株式会社から経営管理部の竹内美咲様をお招きし、これまで携わられてきたお仕事とそこから学ばれてきたことを中心にお話しいただきました。

竹内様は最初にヤマハ発動機入社までの経緯についてご紹介下さいました。生まれてから10歳までをアメリカで過ごした竹内様は東京の大学に進学し、西アジアの地域研究を専攻されました。就職活動が始まる時はまだ何がやりたいのか十分にわかっていない状態だったそうですが、英語力を活かして海外で働くこと、総合職としてバリバリ働くことに憧れを持たれ、世の中にポジティブに関与できる企業を目指されました。こうしたなか、ヤマハ発動機は海外売上比率が9割を占め、どの部署でも海外と関わる仕事ができそうだと思われたこと、取り扱っている製品が開発途上国における二輪車のような必需品もあれば先進国におけるボートのような娯楽品もあり、楽しそうな印象を受けられたこと、さらには同社が掲げる「感動創造企業」という企業理念に共感されたことから入社を決められました。その時点で目指されていた仕事は海外営業でした。

 

入社後、新入社員研修を終えられた竹内様はマリンエンジン(船外機)の先進国営業の部署に配属されます。担当市場はカナダでした。希望していた営業職で、しかも海外市場担当ということで喜ばれましたが、営業でも本社での業務はデスクワークが多く、主にやりとりするのは海外拠点の日本人駐在員で「あまりグローバルでもないな」と思いながらも目の前の仕事を必死に覚えるように努められました。

翌年、竹内様は同じマリン事業(船舶や船外機など)ではあるものの国内のソフト営業の部署に配属されます。当時、人口の減少や顧客の高齢化などで国内のプレジャーボートの市場は縮小していました。そこで、ヤマハ発動機ではボート本体を販売することに加え、展開していた会員制のレンタルクラブ「Sea-Style」を通してボートの利用を促進していくことで新たな顧客層を開拓しようと努めていました。竹内様は「Sea-Style」への入会促進と会員の利用促進のためのキャンペーンに取り組まれます。この時は毎日、社外でイベントを手掛ける日々が続きました。この仕事を通して、竹内様は広報普及業務における効果測定と社内におけるビジネスマインドを変えていくことの難しさを痛感されるとともに、採算を考えることの重要性を認識され、何よりお客様に近いところでのお仕事を通して「ヤマハ」というブランドをより強く意識されるようになりました。

入社4年目に竹内様は最初の部署に戻られますが、その後、マリン事業の組織変更に伴い事業企画という管理系、いわゆるコーポレートの仕事に携わられることになります。目指していた営業とは異なる業務に当初は困惑されたものの、日々の仕事に取り組んでいくなかで「正解やあるべき姿があり、業務で得た知識が即、武器となるコーポレートの仕事は意外と自分に向いているのではないか。結婚、出産した後もキャリアを描きやすいのではないか」と思われるようになり、これがキャリアの転機になります。

 

そして、入社6年目に今度は当初、目指していた海外営業の現場に配属されます。竹内様が赴任したのは二輪車の巨大市場であるインド南部のチェンナイでした。インドではもともとスクーターは家族のための移動手段として使われるのがほとんどでしたが、女性の社会進出の拡大によって女性が一人で乗るために購入するようになり、この新しい市場をいかに開拓していくかが販売促進の鍵になっていました。竹内様は女性のスタッフが対応し、女性が入りやすいスクーターのショールーム「スクーター・ブティック」の企画・展開に取り組まれます。竹内様からは認知、興味、行動、比較、購入、使用、愛着、口コミというカスタマーマインドフローを説明いただいたうえで、それぞれに対応するインドでの取り組みの事例についてご紹介いただきました。

インドから戻られた竹内様が配属(出向)されたのが現在のヤマハ発動機ビズパートナーの経営管理部でした。この部署は世界各地に拠点を展開しているヤマハ発動機グループ全体の業績を集積し、各拠点の経営状況を分析し、対策案や予算を策定するという究極の管理部門です。竹内様は財務会計と管理会計についてわかりやすく解説いただいたうえで、ご自身の現在の目標について「これまでの経験を通して、コーポレート分野のゼネラリストとなり、将来は海外駐在を目指すという新たな目標を持つようになりました」と述べられました。そして、学生達に「自分のやりたいことは何か、それはどういうことなのかを考えていきましょう。入社後でもキャリアは変えられます。たくさんのモノやコトに触れて経験し、興味がないことでも一度はトライしてみましょう」とエールを送って下さいました。学生達は身近なお姉さんのように自然体で実体験に基づくアドバイスをいただく竹内様の講義に真剣に聴き入っていました。以下は聴講していた学生の感想(代表)です。

M.Tさん(大分県立大分舞鶴高等学校出身)

海外営業を志望して入社された竹内様は、入社4年目に所属されていたマリン事業の組織変更に伴い事業企画という管理系の仕事に携わられることになります。「もともと営業志望で入社したのに」と当初は落ち込まれたものの、仕事に取り組んでいくうちに「意外と管理系の方が向いているのではないか」「将来のキャリアも描きやすいかも」と、一転してプラスな気持ちに変わられたそうです。そして、この異動がご自身の「キャリアの転機になった」とのことでした。現在は経営管理の部署に所属され、「コーポレートの仕事の幅を広げ、海外拠点の駐在員になること」を目指されています。以上のようなご経験を踏まえ、私達に「興味外のことにも一度はトライしましょう。キャリアは自分で作っていくものです。入社後でもキャリアは変えられます」とエールを送って下さいました。私はどこか就職活動に対してプレッシャーを感じていたのですが、「もし、自分に合わなかったらその時にまた考えればいい」となんだかとても心が軽くなったような気がしました。実際に就職活動を経験し、キャリアにおいても多くの経験を積まれている社会人の先輩方からお話を聞くことは本当に勉強になることばかりです。貴重なお話をありがとうございました。

M.Sさん(大分県立大分雄城台高等学校出身)

竹内様の就職活動やお仕事でのご経験に関しての講義とてもわかりやすく、身近に感じ、お話を聴けて本当によかったです。様々な部署を経験されたからことが今のお仕事にプラスになっていることがよくわかり、やはり何事も経験することがとても大切だと感じました。実際、自分が当初、興味がなかったことでもやってみたら楽しいと感じることは今までにもありましたので、視野を広く持ち、就職活動に臨んでいこうと思います。

C.Wさん(福岡県立春日高等学校)

竹内様の講義を聴き、就職活動を行ううえで、また将来のキャリアを考えていくうえで、自分のやりたいことは何か具体的に考えていくことが重要であること、そしてなりたい自分を描き、活き活きしている自分を想像することで、さらに自分自身について知ることができることを学びました。また、たくさんのモノやコトに触れて経験をしていくこと、興味のないことでも一度は挑戦してみることの大切さも学びました。仕事を始めると、周りの環境が変わることで仕事の成果が変わることは多々、あると思います。結果だけを見るのではなく、その過程や今後の影響を考えながら、柔軟に対応をしていくこと、周りの人とコミュニケーションをとりながら多様な角度から物事を見ていくことが社会人として求められる力であると思いました。

M.Aさん(福岡県立春日高等学校)

先週に引き続きヤマハ発動機グループで働かれている女性社員の方の講義でしたが、また違った視点からのお話が聴けてとても興味深かったです。 私は竹内様のお話を聴いて、非常に多くの学びを社会人になってからも得ていらっしゃると思いました。講義を通して、常に自分のやりたいことは何か、それはどういうことなのかを考えていく必要があること、そして入社後でもキャリアは変えられるため、たくさんのモノやコトに触れて経験し、興味がないことでも一度は試してみることが大切であることがわかりました。現在、何になりたいか分からず、少し迷走していましたが、一つに絞りすぎず、色々な視点で職業を捉え、多くのことに挑戦していこうと思います。

S.Hさん(福岡県立筑前高等学校出身)

最初に志望されていた海外営業から国内営業、海外勤務を経て、現在の経営管理のお仕事に至るまでの竹内様のキャリアやその都度の心境の移り変わりについてのお話はとても興味深かったです。竹内様の講義を聴いて、入社後でもキャリアは変えられることや活き活きする自分を探すことの大切さを学ぶことができました。

R.Kさん(福岡県立小倉西高等学校出身)

入社時の希望や憧れと入社してからの自分の能力や適性との間で迷うことはいつか私も経験するかもしれません。その時、海外営業やコーポレートなど様々な経験をされた竹内様の講義を思い出し、たくさんのモノ・コトに触れ、興味外のことでも一度はトライするということを大切にしていきたいと思います。

Y.Kさん(福岡県立浮羽究真館高等学校出身)

竹内様は海外営業を志望して入社され、本社でもインドでも海外営業を経験されましたが、現在は管理部門(コーポレート)で働かれており、コーポレートのゼネラリストとして海外拠点の駐在員になることを目指されています。お話を聴き、自分が当初、目指していた仕事と違っても、多くのモノやコトに触れ、経験することによって、自分自身の意外な発見につながるのではないかと思いました。私も入社後、もしかしたら希望していた部署以外に配属されるかもしれません。しかし、その場合でも一生懸命に目の前の仕事に取り組むことで力を発揮できるかもしれないので、まずはやってみるという気持ちと行動力が大切だと感じました。仕事をしていくうえで「これがしたい」という目標は大事にしつつ、どんなことにもチャレンジし、視野を広げていきたいと思います。

S.Kさん(福岡県立武蔵台高等学校出身)

グローバルに働くことが夢のひとつである私にとって、ヤマハ発動機様のような世界を相手に多方面から人の楽しみや喜びに関われるお仕事はとても魅力的に思いました。また、「ものの見方を変えて柔軟な考え方で何事にもトライすることで新しい発見がある」という竹内様のお言葉からたくさんの経験をして、本当に私が活躍できる企業、仕事を探そうと思うようになりました。楽しいことを楽しめる人がヤマハ発動機のように人を楽しませる企業に必要なスキルとおっしゃっていたので、多様なことにチャレンジして、「楽しい」の感度が高い人間になり、今後の人生においても何事に対しても楽しいと前向きに考えられる人になろうと思いました。

M.Fさん(福岡女学院高等学校出身)

今回、ヤマハ発動機ビズパートナーの竹内様からご自身の就職活動、入社後のキャリア、そして携わられてきた業務について教えていただきました。竹内様は入社当初、志望していた海外営業の業務を経験されましたが、その後はコーポレートの業務も経験され、それらを通してご自身の向き不向きや、将来のビジョンも考えて、今後のキャリアの方向性を定められることができたことがわかりました。竹内様のお話を聴き、私も就職活動に際してもう少し気軽に職種を選んでいこうと思えました。貴重なお話をありがとうございました。

A.Yさん(福岡大学附属若葉高等学校出身)

竹内様の講義を聴いて一番、心に残ったのは、キャリアは自分で作っていくもの、選ぶものという言葉です。今回、お二人のヤマハ発動機グループにお勤めの社員の方のお話を聴いて、自分にとってキャリアとは何か、どんなキャリアを築いていきたいか考えるきっかけになりました。ヤマハ発動機の事業のなかでは、マリン事業に興味を抱いていたので、二つの講義ともとても興味深かったです。私も海外営業に興味を持っているので、ヤマハ発動機について今後も調べていきたいと思います。お二方のようにたくさんの経験をして、自分でキャリアを築いていきたいです。

M.Eさん(福岡海星女子学院高等学校出身)

最も印象に残ったのは竹内様のこれまでのキャリアの歩みについてのお話でした。私は就職活動をするうえで自分がやりたいこと、得意なことを言語化することで働き始めた後とのギャップが小さくなると思っていました。しかし、竹内様の講義を聴いて、仮に目指していた部署に配属されたとしても想像していたものと違うと感じることもあることがわかり、私も同じ経験をすることがあれば、まずは目の前の仕事に取り組んでいこうと思いました。講義の最後には、「たくさんのものやことに触れ、経験する」「興味外のことでも一度はトライする」というアドバイスをいただきました。最初から合わない、向いていないと決めつけるのではなく、挑戦してみることが重要だと感じました。今、後悔のない社会人生活を送れるように努力していますが、社会人になり、入社した後でもキャリアは変えられることを知ることができたので、ポジティブに、楽しく、就職活動をしていきたいと思います。