学科 Today

  1. HOME
  2. 学科 Today
  3. 国際キャリア学部
  4. 国際キャリア学科
  5. (授業紹介)International Literature I(担当:中島)

2021.02.26

国際キャリア学科

(授業紹介)International Literature I(担当:中島)

国際キャリア学科3年生を対象とする専門教育科目(選択)である「International Literature I」(担当:中島)では、2年次までに培った英語の4スキル(読む、書く、聞く、話す)の全てを使いながら、映画作品を「読む」ことを目標としています。

後期は「Billy Elliot」(英国, 2000年)と、「In Her Shoes」 (米国, 2005年)の二作品を題材とし、様々な切り口から分析しました。コース終盤には受講生各自が選択したテーマで分析した成果を英語で発表しました。オンライン授業であったため、プレゼンテーションは予め録画したものを授業で視聴する形式で実施しましたが、クラス全員がお互いの感想を読むことができたため、「互いから学ぶ」という嬉しい収穫もありました。教員にとっても楽しく充実した15回の授業でした。受講生の皆さん、有難うございました。

以下は受講した学生の感想(代表)です。

S.Kさん(愛媛県立新居浜西高等学校出身)

この授業で2本の映画作品を「読み」、自分の「生き方」、女性としての「在り方」について考えさせられました。作品と自分の境遇は違いますが、就職活動という人生を見つめなおす時間を与えられている私にとって主人公たちの姿には強く共感するものがあり、今、これらの作品に出会うことができて本当によかったと思っています。理想とする生き方はどんな形なのか、今の私は昔、描いていた理想の自分になれているのか、自分が自分という人生の作品の主人公になった気持ちで物語を見つめなおそうと思います。

A.T さん(長崎県立佐世保商業高等学校出身)

二つの映画を通して最も印象に残っているのは、映画のなかで出てくる土地や慣習、宗教について学ぶことができたことです。「Billy Elliot」を最初に観た時は、イングランド北部の訛りや英国の歴史が出てきて、あまり理解ができませんでした。しかし、レクチャーやプレゼンテーションを通して、英語の方言や英国の炭坑夫の歴史を知り、ストーリーに対する理解を深めることができました。「In Her Shoes 」では、特に結婚式のシーンが印象に残っています。最初はエラがローズに古い青い靴を貸していたところやサイモンが白いものを踏んでいたところなど不思議な点がたくさんありましたが、それぞれに慣習や宗教上の意味があることがわかりました。海外の映画を見ていると「これ何だろう?」「どういう意味だろう?」と感じることがありますが、土地や宗教に関する知識を得ることで、映画をより理解でき、楽しむことができるのだと実感することができました。

R.F さん(福岡工業大学附属城東高等学校出身)

特に印象に残っているのは、「Billy Elliot」に関するレクチャーで、イギリス英語のアクセントの違いについて学んだことです。クイーンズ・イングリッシュという言葉自体は知っていたのですが、このアクセントで話す人は英国でもわずか5パーセント以下であることに非常に驚きました。また、「Billy Elliot」で登場人物が話すGeordie(ジョーディ)アクセントもとても興味深かったです。この映画を初めて観た際、非常に英語が聞き取りにくいとは思っていたのですが、同じ英語であっても大きく違うということを知り、興味深かったです。

Y.Mさん(福岡県立筑前高等学校出身)

一番、印象に残ったレクチャーは、「Billy Elliot」に関して学んだ「色」が伝えるメッセージです。炭坑労働者のストライキでの「黒」とバレエを練習する少女たちの「白」を対照的に描くことで、現実の差がひしひしと伝わってきました。また「青」は優しさや寛容を表すため亡くなった母親の衣装に用いられ、「オレンジ」は希望を表すためにビリーがロンドンに行く際の衣装に用いられていました。監督がいかに細部までこだわって映画を作ったのかを理解できました。また、ゴンドラでのシーンとビリーが最後のステージで跳ぶシーンのタイミングを一致させているところには鳥肌が立ちました。台詞になくても色彩や音楽、カメラワークで登場人物の繊細な心情までをも表せることと知りました。映画では小道具や衣装などセリフ以外にもメッセージが込められていることをこの授業を通して学び、その魅力に触れることができました。

C.Iさん(福岡工業大学附属城東高等学校出身)

この授業で一番、印象に残っている学びは、音楽と映画の関係です。音楽が映画の中でシーンや背景にとても深く関わり合っていることがとても印象的でした。歌詞がシーンと関連していたり、登場人物の心情を表現していたりすることを知り、映画の中での音楽の重要性に気づくことができました。前半に観た「Billy Elliot」では、映画に出てくる色が登場人物の心情や将来を表しているということを学び、今までこのような点に注目して映画を観たことがなかったので、とても新鮮で興味深かったです。

M.Yさん(福岡海星女子学院高等学校出身)

最も印象深かった映画は「In Her Shoes」です。人生のなかでうまくいかないことや躓くことは誰にでもあると思います。2020年は私にとって大きな苦難を乗り越えた年でした。こうした時にいつも支えてくれるのは家族です。特に兄弟姉妹の絆というのはとても強いものであると感じております。「In Her Shoes」には共感する部分が多くありました。

H.M さん(広島県立福山明王台高等学校出身)

映画で使われる音楽について、授業を通して深く学んだことで映画の魅力を再発見できたと思います。「Billy Elliot」で使用されていた音楽のほとんどがT.REXの曲だったという点やなぜ数あるアーティストの中から彼らが選ばれたのかなどを知りました。また、前期に視聴した「陽のあたる教室」で使用されていた音楽もその時代を反映するアーティストだったということや、歌詞を通して伝えたかった思いなどを知り、一本の映画の中に数多くのメッセージが託されていることを学びました。今まではなんとなく聞き流していた音楽ですが、授業を受けた後は映画で使われる音楽にもフォーカスするようになりました。また、この授業を通して映画は時代を反映するということを学んだので、昔の映画への興味も沸きました。これからは、少し古い映画も楽しんでみようと思います。

R.Oさん(福岡県立柏陵高等学校出身)

特に印象に残っているのは「In Her Shoes」です。この映画では、重要なシーンで「靴」が印象的に登場します。最初は「なぜこの題名なのか?」と疑問に思っていましたが、見終わった後にスッキリしました。「自分にぴったりの靴を探すのは意外と難しい」ことに「それぞれに自分に合った生き方がある」という意味が込められており、感心するのと同時に「なんて前向きなメッセージが込められているのだろう!」と思いました。作品に登場する詩にも感銘を受けました。盲目の元大学教授にマギーが詩を読み聴かせるシーンがとても印象的で、難読症のマギーがゆっくり丁寧に読むからこそ、詩の意味が真っ直ぐ届いてくる感じがしました。さらに、マギーがローズに贈ったカミングスの詩『I carry your heart with me』が独特の表現方法を用い、簡単には読むことができないことを知り、なぜこの詩が登場したのか納得できました。これから映画を見る際に、色々な角度から楽しめそうだなと思うとワクワクします。

A.T さん(鹿児島県立加治木高等学校出身)

特に印象に残っていることは、映画で使われている色の使い分けです。今まで映画を見る際、「色」に焦点を当てて見たことが無かったので、色に込められたメッセージがあることを知り、とても興味深く感じました。特に、「Billy Elliot」について学んだ際に、母親や友人のマイケル、いつもいる女の子が「青」を身に着け、炭鉱の人々やビリーがバレエ学校に出発する当日、「オレンジ」を身に着けており、そこには様々な意味が込められているという事を知りました。「青」には守護神のような神秘的な意味があり、家族や友人が遠くからビリーの活躍を応援してることを表していました。オレンジには目標や達成するべきことに向けてエネルギーが溢れている意味があり、バレエ学校に進学するビリーとストライキを行う炭鉱の人々は同じように何かと戦っているというメッセージが込められていました。今まで何気なく見ていた映画やドラマでしたが、物語の背景にある隠されたメッセージを探しながら見るようになりました。そうすることにより、その物語を深く理解することができ、またいかに入念に製作されているかを感じることができるようになりました。

(2019年以前の授業風景です)