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2021.01.12

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」⑧ホテル業:リーガロイヤルホテル小倉の小久保由実様による講義

国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」(担当:山口、今年度は国際英語学科にも開講)は、世界とつながるビジネスや公務の第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。

前回はリーガロイヤルホテル小倉から総支配人室の小久保由実様をお招きし、ホテル業界の仕事と求められる人材、そして接遇の基本についてお話しいただきました。小久保様は全国のリーガロイヤル・ホテル・グループでも25人しか認定されていない「接遇インストラクター」の資格をお持ちで、主として従業員の方の接遇研修を担当されています。

小久保様からははじめにシティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテルなど、日本におけるホテルの分類から説き起こしていただき、東京における帝国ホテルのような「賓客のための近代的ホテルを大阪に」との大阪の政財界の要望を受けて開業した新大阪ホテルを前身とするリーガロイヤル・グループについてご紹介いただきました。続いて、北九州のランドマークとして1993年に開業したリーガロイヤルホテル小倉について、2016年に開催されたG7北九州エネルギー大臣会合や上皇上皇后両陛下がお泊りになった2017年の全国豊かな海づくり大会福岡大会などでのエピソードを織り交ぜながらご紹介いただきました。

ホテル業界の仕事については、①宿泊部門(フロント、フロアーサービス、宿泊予約、客室センター)、②宴会部門(宴会サービス、ブライダル、宴会予約、宴会調理)、③食堂部門(調理人、サービススタッフ)で構成されるホテルの業務、①接客部門、②バック部門(業務や施設を管理したり、裏方として料理を作ったり、客室を掃除したりする部門)、③営業部門(外回りをしたり、お客様と打ち合わせをしたりする部門)で構成されるホテルの組織、さらにはそれぞれの部署に求められるサービスのポイントと心得などについてわかりやすく解説いただきました。そのうえで各部門、従業員同士がお互いに心配りしてチームワークで仕事をすることの重要性を強調されるとともに、ホテルではこうした様々な業務をこなすためオールマイティなスタッフを求めていると述べられました。続いて、「CS・ES・No1」というリーガロイヤル・グループのビジョンについて解説いただきました。CSとは顧客の満足、ESとは従業員の満足のことで、そのNO.1を目指すという行動指針は社員の方が意見を出し合って作られ、小久保様も常にそれを書いたカードをお持ちになっているそうです。

ホテル業界で働く人に求められる資質のうちホスピタリティ(おもてなし)については、ある披露宴の会場で乾杯の時、スタッフが新郎の姉の遺影の前にそっとシャンパングラスを置いて家族の方々に感謝されたエピソードなどを紹介されながら、「この時、この場、この人だけにと個別におもてなしをすること、その人がいない時にもその人のことを考えていること、それがホスピタリティです」「お客様の立場に立って考え、その心の中を見抜いて、心を込めてお客様の心に響くようにサービスすることが大切です」「『情けは人の為ならず』といいます。お客様への心配りはホテルへの高評価にもつながります」と解説いただきました。

続いて、「接遇のプロはここまでやる!!」と題して、接遇のプロがお客様の様々な情報をどのようにキャッチしているのか、おもてなしをするうえでどういう点に気を付けているのか、具体例をあげながら詳しく解説いただき、「お客様のことをどれだけ覚えられるかが重要です。そのためにはお客様の情報を記録に残していきます。それが、お客様に好印象を持っていただくことにつながります」「ホテルにいらっしゃるお客様は自分を満足させてほしいという気持ちを持たれています。それにこたえるためには努力が必要です」と述べられました。

 講義の最後には接遇の基本として、接客と接遇の違い(接遇とは単にサービスや商品を提供するだけではなく、そこにプラスアルファの心遣いが込められた対応があること)から説き起こしていただき、①身嗜み、②表情(笑顔)、③言葉遣い、④挨拶、⑤態度の5つのポイントをあげられ、それぞれについて「第一印象の80%以上は見た目、身嗜みで決まります。その時間は3~5秒です。身嗜みのポイントは控えめ、上品、清潔です。上品とは自分自身を上にあげるという意味です。自己研鑽を積み、教養を身につけていくことで、上品さは自然と身についていきます」「挨拶は自分の心を開いて相手に迫るという意味です。あ=あかるく、い=いつでも笑顔で、さ=先に挨拶をして、つ=次の言葉を」「態度の態は目に見える、度は度合・心の中という意味です。心の中の気持ちの深さをあなたのしぐさで相手に伝えることです」「ホテルスタッフが大切にする表情は笑顔です。マスクをしていると表情が分かりにくくなりますが、眉と目をしっかり動かすこと、マスクの下でも口角を上げることが大事です」など分かりやすくお教えいただき、「この5つのポイントは悪いと非常に気になるところであり、逆によくすれば好印象を持っていただくことにつながります」と述べられました。

そのうえで、「接客スタッフにとって最も大切なスキルは聴く力、傾聴力です」と話され、その傾聴力を高めるためには「目と耳と心を活用して、注意深く、一生懸命に聴くこと、誠心誠意、相手と誠実に向き合い、その心をしっかり受け止めること、自分の心に余裕を持つこと、先入観を持たないこと、そして相手に興味を持ち、それを相槌や表情で示しながら次に何を言おうか考えながら聞くことが大切です」とアドバイスいただきました。

 

リーガロイヤル小倉様との提携講義は今回で4年目を迎えましたが、過去の提携講義を聴いた国際キャリア学科の卒業生からはY.Sさん(一期生、福岡大学附属若葉高等学校出身)がヒルトン福岡シーホークに、Y.Kさん(一期生、福岡県立小倉西高等学校出身)がホテル日航福岡に、、A.Kさん(二期生、福岡県立糸島高等学校出身)がリーガロイヤルホテル小倉に、A.Tさん(三期生、福岡県立福岡中央高等学校出身)が近鉄・都ホテルズにそれぞれ就職し、第一線で活躍しています。

リーガロイヤルホテル小倉のフロントで活躍中の二期生A.Kさん

今回、聴講した現3年生にもホテル、航空、旅行など接客を伴う業界を目指している学生も多く、1歳のお嬢様を育てながら接遇のプロとして活躍されている小久保様からのわかりやすく、丁寧なアドバイスに真剣に聞き入っている様子でした。以下は聴講した学生の感想(代表)です。

A.Mさん(福岡県立宗像高等学校出身)

リーガロイヤルホテル小倉の小久保様による講義を通して、ホテルの業務内容や組織、サービスについて学び、ホテルの仕事についてよく理解することができました。自分の知らなかった知識がたくさんあり、とてもためになる講義でした。ありがとうございました。

N.Nさん(福岡県立新宮高等学校出身)

今回の講義を通してホテル業界とホテルの業務内容、ホスピタリティ、接客や接遇を行う上で大切にすべきことについて理解を深めることができました。また、チームワークやホスピタリティの精神など、仕事をしていくうえで重要なことを学ぶことができました。今回、学んだことを活かして今後の就職活動、そして仕事に励みたいと思います。

M.Sさん(福岡県立筑前高等学校出身)

私はホテル業に関心が高いので、リーガロイヤルホテルについて詳しく知ることができ、またホスピタリティや接遇の基本についても学べた今回の講義はとても貴重な時間となりました。もともとアルバイトからリーガロイヤルホテル小倉での勤務を始められ、正社員となられ、結婚、出産を経て、今年、育児休暇から復帰された一児の母でいらっしゃる小久保様のキャリアは自分自身の将来を考えるうえでも参考にもなりました。講義では、ホテルの仕事について、おもてなしの心得について、接遇の基本についての三つのテーマからお話しいただき、ホテルスタッフのホスピタリティのレベルの高さを実感しました。私も接遇のプロになれるように日頃から身だしなみや言葉遣い、表情などに気を付けていこうと思います。

Y.Hさん(福岡県立香椎高等学校出身)

実際にあったホテルでのエピソードを紹介いただきながらホスピタリティについてご説明いただきましたが、お客様が本当に求められていることは何かをいち早く察知することを最優先にしていらっしゃることが伝わってきて、真のおもてなしの形を知ることができました。お客様の目線やちょっとした行動から、何をされたいのか、複数のお客様であればその関係性まで感じ取り、サービスを提供することは本当に難しいことだと思いますが、そのようなサービスを提供してもらうことができたら、ホテルの利用者の心に残る滞在になるだろうなと強く思いました。ホテル業界で働かれている方々のおもてなしの心を知ることができて、本当に良かったです。本日、学んだことをこれからの仕事や生活の中で活かしていきたいと思います。

R.Oさん(福岡県立柏陵高等学校出身)

今回の授業では、リーガロイヤルホテル小倉の小久保様にご講義いただきました。もともとホテル業界に関心があり、国際キャリア学科のインターンシップなどにも参加していたのですが、今回のご講義を通してよりホテル業界について詳しく知ることができ、良かったです。特に講義の最後に教えて下さった接遇の五原則は、とても勉強になりました。相手に良い印象を与えるには身だしなみや表情、声のトーンなど、気をつけなければならないことがたくさんあるのだと思いました。今後の就職活動では人間性が重要視されると思います。それには内面はもちろんですが、相手に与える印象も良いものでないといけないと思います。今回の講義で学んだことをしっかり復習し、身につけて面接に挑めるようにしたいです。

C.Sさん(福岡県立朝倉東高等学校出身)

コロナ禍の影響を受けながらも、この間に何ができるのかを考えるなど、状況をプラスに考えていらっしゃる姿勢が素晴らしいと思いました。今回の講義を聴いて、ホテル業界やウエディング業界など人と接する機会の多い仕事が自分には向いているのではないかと改めて思いました。これからホテル業界も視野に就職活動を進めていこうと思います。

C.Iさん(福岡工業大学附属城東高等学校出身)

今回、リーガロイヤルホテル小倉の小久保様の講義を聞いて、ホテル業界とそのお仕事についての理解を深めるとともに、リーガロイヤルホテル小倉がどのような企業であるのか学ぶことができました。ホテルの組織には、お客様に接して働く接客部門、裏方として料理を作ったり、客室を掃除したりするバック部門、外回り等でお客様と打ち合わせをする営業部門があります。接客部門で働く人は裏方で表を支え、働いてくれる人に感謝しつつ笑顔で接客をし、バック部門の人は売り上げを伸ばすために走り回っている営業部門の人や苦しいときも笑顔で働く接客部門の人の辛さを考えるなど、それぞれの部門がお互いに協力し合い、感謝の気持ちをもって仕事をすることが大切だとお聞きし、チームワークがとても重要だと感じました。また、ホテルスタッフの仕事の心得として、実際にホテルに宿泊してみると大勢の人が働いてくれていることが分かるように、立場を変えて考えてみることでお客様により心を込めたサービスを行うことができるという考え方がとても印象に残りました。いくつかの実際にあったエピソードもうかがい、お客様を第一に考え、行われているサービスや心配りはとても素晴らしいと感じました。

S.Wさん(サビエル高等学校出身)

小久保様の講義からホテル業界ではチームワークが大切だということ、おもてなしの心を持つこと、五感を働かせてアンテナを広げることなど様々なことを学びました。接遇のプロの仕事ぶりについて多くの例を教えてくださったので、実践してみようと思います。コロナ禍で影響を受けているホテル業界ですが、今だからこそできることを考えて行動されているとのことでした。この度はとても有意義な講義をいただき、ありがとうございました。

H.Mさん(広島県立福山明王台高等学校出身)

お客様と関わるお仕事を続けられてきた小久保様は人と関わる際に重要な点を熟知されており、講義では就職活動においても活かせることをたくさん学ぶことができました。なかでも、接遇の五原則が強く印象に残りました。身だしなみ、表情、挨拶、言葉遣い、態度の五つで、これから気をつけなければいけない点ばかりだと思うとともに、反省しました。なかでも「言葉遣いは心遣い」という言葉が心に残りました。また、出会って7秒で決まる第一印象を良いものにするために必要なことも教えていただきました。清潔感、控えめな態度、上品さですが、まだまだ足りない点ばかりだったので、これらにも気をつけないといけないと思いました。就職活動で活かせる学びを得るとともに、ホテルという仕事の魅力をたくさん知ることができた貴重な時間となりました。

Y.Mさん(佐賀県立鳥栖高等学校出身)

リーガロイヤルホテル小倉の小久保様の講義からはたくさんのことを学ぶことができました。特に、ホスピタリティや接遇の基本に関するお話はどのサービス業、どの産業にも通ずるものがあり、また私生活においても良好な人間関係を築くうえでとても重要なことがたくさんありました。これから実践していこうと思います。素敵なお話をありがとうございました。

Y.Sさん(九州国際大学付属高等学校出身)

私は北九州市出身なので、リーガロイヤルホテル小倉は小倉のシンボルといっても過言ではないほど地元では有名で、日頃から親しみを感じていたので、今回の講義を楽しみにしていました。講義ではホテル業界の業務内容やホスピタリティなどについて学ばせていただき、とても勉強になりました。お教えいただいた接遇の五原則は就職活動においてもとても重要だと思います。特に、「刃物は身を切り、言葉は心を切りつける」「言葉遣いは心遣い」という言葉が印象的でした。日頃からきれいな言葉で、丁寧な言葉で話すことを意識しようと思います。とても貴重な講義をありがとうございました。