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2021.01.06

国際キャリア学科

(授業紹介)「Human Resource Management(人的資源管理論)」(国際キャリア学科3年選択科目、担当:山口)

企業の経営資源は一般に「ヒト」(従業員を中心とする人材)、「モノ」(製品・サービス、設備・機械など)、「カネ」(資金)、「情報」の四つからなるといわれてます。国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Human Resource Management」(人的資源管理論、国際キャリア学科3年選択科目)では、このうち「ヒト」に関する管理活動(マネジメント)である人的資源管理の基本を学びます。

「ヒト」に関する企業の管理活動は、以前は「労務管理」や「人事管理」と呼ばれていました。しかし、1980年代頃から米国を中心に「ヒト」=「人的資源」という考えが広がり、日本でも徐々に「人材は企業競争力の強化のための経営資源」という考え方が一般的となりました。そして、「ヒト」に関する企業の管理活動も次第に「人的資源管理」と呼ばれるようになりました。それに伴い人的資源管理に関する学会である「日本労務学会」の英語の呼称も2001年にJapan Society for Personnel and Labor Research からJapan Society for Human Resource Managementに改められました。 近年では、例えば西日本シティ銀行のように「人材」を「人財」と表記する企業も増えてきています。

(昨年度の授業風景です)

「Human Resource Management」の講義では、日本経済新聞出版社の『人事管理入門<第二版>』(今野浩一郎著、2014年)を主な教科書として、人材の確保・育成と配置、報酬の決定などを通じてその有効活用を図る人的資源管理の仕組みを、採用、配置と異動、人事評価と昇進管理、給与と福利厚生、教育訓練、労働時間管理、労使関係など、順を追って学んでいきます。そのなかで、いわゆる「日本的経営」(Japanese management culture)に関する英語の文献も読み解きながら、欧米主要国と比較した日本企業の人的資源管理の特徴やそれを生んだ歴史的な背景、近年の企業経営を取り巻く社会的・経済的環境の変化などについても学んでいきます。今年度の本科目は全てオンラインでの授業になりましたが、就職活動を迎える3年生と就職を控えた4年生の受講生からは毎回、真剣に受講している様子が伝わってきます。

 

なお、国際キャリア学科ではこの科目のほかにも1年次に「Introduction to World Business」、2年次に「経済学入門」「国際マーケティング」「国際金融」、3年次に「会社法」「日本産業論」「カレント・ビジネス」(国際ビジネスに関わる様々な業界で活躍されている方々による講義)「国際ビジネス・フィールドワーク」など、将来、世界とつながる仕事で活躍するために必要なことを学ぶカリキュラムを揃えているほか、語学でも「Business Reading」「Business Communication」などのビジネス英語や「中国語ビジネス会話」などの実践的な科目を設けています。また、国内、海外の企業の現場で国際ビジネスを体験するインターンシップも実施しています。

 

以下では、「Human Resource Management」を受講している学生の感想のいくつかをご紹介します。

M.Kさん(熊本県立鹿本高等学校出身)

私はこの授業の中で第4回の授業が心に残っています。テーマは「会社は誰のためにあるのか」ということについてでした。会社があるのは当たり前と思ってましたが、果たして何のためにあるのか深く考えたことがありませんでした。「会社は誰のものか?」という問いに対しては株主という答えが妥当なものだと思います。しかし「会社は誰のためのものか?」の問いに対しては「株主のため」 ということだけにはできず、そこで働く従業員の幸せのため、顧客に喜んでいただくため、社会に貢献することにつながるためなどが挙げられます。この答えが一つとは限らないところに企業経営の難しさがあると思います。授業のなかでも出てきたように、会社にはそこで働き、家族を養っている従業員がいます。また、会社は営利を目的としていますが、その事業活動を通して顧客や社会のために貢献しています。このことから会社は株主だけでなく、経営者、従業員、顧客、取引先、地域社会、国、国際社会といった利害関係者全てのものとする考えが日本でも欧米でも強まっています。この授業で人的資源管理を中心に会社の制度や仕組みを学ぶなかで、今までとは違う捉え方や考え方ができるようになりました。世の中の仕組みを知ると、物事に対して新たな解釈ができるので、これからもしっかり学んで将来に活かしていきたいと思います。

A.Tさん(長崎県立佐世保商業高等学校出身)

「Human Resource Management」の授業を受けて、人的資源管理やその日本における特徴などについて学ぶことができ、たいへん勉強になりました。私はこれまでこのような分野を学ぶことを遠ざけていたところがあったのですが、採用や配属、異動、人事評価、昇進、給与・福利厚生、社員教育など人事における日本企業の様々な特徴について知っていくことで、現在、行っている就職活動において企業をみる基準や条件の幅が広がったように思います。また、日本の企業では一般に何が重要視されているか、入社したらどのように働いていくのかが以前より理解しやすくなりました。また、事業内容だけでなく企業の経営理念や方針などを知ることの大切さも感じました。

S.Kさん(愛媛県立新居浜西高等学校出身)

前期の「Japanese Industry(日本産業論)」とはまた違った視点から「働くこと」について考えることができて、とても面白かったです。ニュースや両親の会話などから聞いたことのある言葉が数多く出てきたのですが、授業を受ける前までの私はそれらについてあまり考えることはありませんでした。しかし、この授業を受けてそれぞれが働くうえでどう必要となっているのか、私たちの今後にどう影響してくるのかなどがわかってきて、勉強になりました。授業を通して、今後、就職活動をしていくなかで自分が何を大切にし、どう働きたいかが明確になったような気がします。オンライン授業になりましたが、先生は私たちのペースに合わせた授業進行をして下さいました。また、自分たちで考える機会を下さり、それぞれの回答に丁寧に補足説明をして下さったことで後期のこの授業もとても充実していました。ありがとうございました。

H.Mさん(山口県立西京高等学校出身)

「Human Resource Management」の授業では、人的資源管理の仕組みを採用、配置と異動、人事評価と昇進管理、給与と福利厚生、教育訓練、労働時間管理、労使関係など、順を追って学んでいきました。そのなかで、「日本的経営」についても学び、日本企業の人的資源管理の特徴やそれを生んだ歴史的な背景、近年の企業経営を取り巻く社会的・経済的環境の変化などについても学びました。授業を通して給与や福利厚生、労働組合の仕組みなども含め、これから社会人として働いていくなかで必要な知識をたくさん得ることができました。

M.Kさん(宮崎県立宮崎大宮高等学校出身)

この授業を受講し、就職活動をする際に必要な知識を得ることができました。それと同時に、自分の将来についてじっくり考える機会となりました。コロナ禍で思い通りに就職活動を進めることはできていません。様々な機会が制限され、手探り状態で前に進むしかない1年だったように思います。そのようななか、この授業によって就職活動をする際に必要な知識を得ることができました。受講する前は、企業や仕事についてぼんやりとしか分かっておらず、就職活動を始めるといっても何から手を付けるべきなのかも分かりませんでした。しかし、この授業を通して仕事というものに関して一から学び、企業経営に関する知識も身につけることができ、企業を選ぶ際に見ておくべき事項や自分にとっての優先順位など、就職を含め将来に関してじっくりと考えることができました。

A.Nさん(福岡県立筑紫高等学校出身)

「Human Resources Management」の授業で学んでいることは、将来、働いていくうえで必ず知っておかなければならない知識だと思います。「カレント・ビジネス」の授業で外部講師の方がおっしゃっていましたが、人生100年時代においてどの企業で働いていくかは非常に大切な選択だと思います。以前、私は就職活動で、福利厚生を重視していませんでしたが、この授業を通して福利厚生は企業を見るうえで大切な要素の一つだと思いました。それと同時に大企業と中小企業のメリット、デメリットを見つめ直すことができました。この授業で学んだことを活かして、しっかりと自分の軸を定めて就職活動に取り組んでいきたいです。

A.Fさん(福岡県立三池高等学校出身)

就職活動を控えている私たちにとって、知っておかなければならないことばかりでした。企業の仕組みや雇用制度、福利厚生は社会が変化していくにつれてその機能も変わりつつあることが理解できました。難しい経営学関連の専門用語がたくさん出てきましたが、就職活動を行う上で視点を変えることができ、本当に必要なことを学ぶことができました。これからの就職活動、社会人生活でも活かしていきたいと思います。

A.Mさん(福岡県立宗像高等学校出身)

私は経済や企業のこととなると少し難しい感じがして、学ぶことにも抵抗感がありました。しかし、この授業では順を追って詳しく学ぶことができるので、理解を深め、企業や経営のことについてより知りたいと思うようになりました。就職活動にもこの授業で学んだ知識を役立てたいと思います。特に、私が興味を持ったのは給与と福利厚生についての授業です。企業の福利厚生という言葉はよく耳にしたことがありましたが、実際、どういうものなのか、どういう仕組みなのかよく理解していませんでした。就職活動において、福利厚生がしっかりしている企業を見極めることはとても重要なことだと思いますので、この授業で理解を深めることができて本当によかったです。

H.Mさん(福岡県立宗像高等学校出身)

企業の仕組みや国際的に比較した際の日本企業の人的資源管理の特徴について学ぶことができました。この授業をとるまでは企業の説明資料を読んでも分からない言葉も多く、苦手意識がありましたが、次第に理解できるようになりました。授業時間のなかで自分で調べたり考えたりする時間もあり、とても受けやすかったです。本当にありがとうございました。

Y.Fさん(福岡県立春日高等学校出身)

「Human Resource Management」の講義を受ける前は人事と聞くと採用活動を行う部署との印象だけがありましたが、実際には従業員の配置や研修の仕組みを考えたり、報酬の決定をしたりなど、人事の業務内容は多岐に渡ることが分かりました。就職活動のために企業研究を行っているのですが、営業の仕事がしたいため、管理的な業務、特に人事部には配属されたくないという気持が心の片隅にありました。しかし、この授業で人事管理について勉強すればするほど奥が深く、面白く、興味が湧くまでになりました。この授業で学んだことを通して、物事を多角的に考えられるようになりました。社会人になり、人事部に配属される機会があったら、また無かったとしても、思う存分、この授業で学んだことを活かして、活躍したいです。

K.Oさん(福岡県立城南高等学校出身)

「Human Resource Management」の講義を受けて、日本の人的管理資源制度について深い学びを得ることができました。今まで、終身雇用や年功序列などの言葉しか知りませんでしたが、日本の雇用・人事制度について詳しく知ることができたと思います。社会人になる前に学ぶことができて良かったです。後期も前期に続きオンライン授業になり、とても残念でしたが、クラスメイトの皆の積極的なディスカッションでオンライン上でも発言しやすかったです

N.Nさん(福岡県立新宮高等学校出身)

「Human Resource Management」の授業を通して、人的資源管理に加えて、その背景となる日本企業の経営環境とその変化、抱えている課題などについても勉強することができました。授業では従業員の目線だけでなく、管理者側の目線でも企業の仕組みを見ることで人的資源管理がどのような目的や意図で行われているのか勉強することができました。これから社会に出て企業で働く者としてこれらについて勉強し、理解を深めることは重要であると考えます。授業で得た学びを今後に活かしていけるようこれからも勉強に励みたいと思います。

M.Hさん(明光学園高等学校出身)

この授業を通して人的資源管理について様々なことを学んできましたが、社会人になる前に知っておくべきことを勉強できて、とてもためになりました。雇用制度や雇用慣行の変化をみると、女性の社会進出が進んでいくなかで女性にとって働きやすい環境が整えられてきていることを知り、とても嬉しく思いました。