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2020.12.21

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」⑨海運・物流業:鶴丸海運株式会社の吉野様による講義

国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」(担当:山口、今年度は国際英語学科にも開講)は、世界とつながるビジネスや公務の第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。

今回の講義には、鶴丸海運株式会社から吉野様をお招きし、海運会社の業務と求められる人材などについてお話しいただきました。

初めに現在、ご担当されている業務についてご紹介いただきました。吉野様が所属されているのは管理本部総務人事グループで、採用活動や社内の研修、人事制度の見直しなどの業務に従事されています。特に今年度は人事考課制度の見直しや鶴丸海運の文化の醸成に力を入れて取り組まれています。

 

続いて、海運業界もそこに含まれる物流業界について「物流とは場所と時間の隔たりを埋めるもので、輸送、保管、荷役、包装、流通加工、情報という六つの大きな機能があります。輸送とは様々な輸送機器を使ってモノを運ぶこと、荷役とはモノを輸送機器に積んだり、降ろしたりすること、情報とは情報システムを駆使して、物流業務(在庫管理など)の効率化を図ることです」と分かりやすく解説いただきました。物流業界のなかで海運業は島国の日本では海外からの貨物の99%以上が船で運ばれるため、重要な役割を担いつつも少子高齢化のなか業界は厳しい状況下にあり、各社、生き残りをかけて様々な経営努力をしていることをご紹介いただきました。

海運業界の生き残りのためのキーワードとして吉野様は「変化」という言葉をあげられました。そして、その実例として約100年前に石炭を運搬する機帆船の運航から創業した鶴丸海運が石炭から石油へのエネルギー革命による倒産の危機を乗り越えて、海上輸送では内航海運から外航海運への展開、石炭からセメントや鉄鋼製品、住宅建材などへの輸送貨物の多角化、港湾事業では陸揚業務から総合一貫荷役への転換など時代の「変化」に対応して事業を継続、発展させてきた歩みをご紹介いただきました。続いて、同社における業務内容について、海上輸送業務に従事されている社員の方の1日のお仕事の流れを紹介されながらご説明いただきました。

講義の最後には、同社が船員や現場職は100%男性で占められているものの女性の採用や女性にも働きやすい職場づくりに注力されていること、創業100周年を目指して建設中の新本社ビルでは固定席を設けないフリーアドレスを採用することなど、近年の取り組みについて解説いただくとともに、①変化を素直に受け入れ、柔軟に対応できる人、②何事も主体性をもってやり遂げられる人、③人とのつながりを大切にできる人という同社が求める人材像についてご紹介いただきました。あわせて採用ご担当としての視点から学生たちに就職活動に向けた実践的なアドバイスもいただきました。学生たちはソフトに静かな情熱を込めながら解説いただく吉野様の講義に聴き入っているようでした。以下は聴講した学生の感想(代表)です。

Y.Sさん(九州国際大学付属高等学校出身)

物流業界や海運業界についてはこれまで調べたことがなかったので、今後に生かせる講義でした。北九州は海外とのつながりが強く、門司税関などもあることから、海運業にとってはとても重要な都市であることを改めて実感しました。就職活動は来年から本格的に始まりますが、私の地元にこんなに素晴らしい企業があることを知る良い機会にもなりました。

Y.Mさん(福岡県立筑前高等学校出身)

今回のご講義を聞いて、物流業界、海運業界のイメージが大きく変わりました。物を運ぶ以外にもたくさんの役割を担っていること、女性で活躍している人が多いことに驚きました。以前、国際キャリア学科のインターンシップで福岡観光コンベンションセンター様にお世話になった際に博多港を訪ねたことはありましたが、物流の世界の広さをその時以上に感じることができました。これからもっと物流業界、海運業界について調べていきたいと思います。本日は貴重な講義をいただき、ありがとうございました。

S.Tさん(福岡県立香椎高等学校出身)

鶴丸海運様の講義を終え、買い物をしに家を出たところ近所の運送会社に見覚えのある鶴丸海運様のマークが付いたトラックが止まっていました。あまりの偶然に驚くとともに、私の生活の中であまり接点が見えなかった海運業界が身近にあることを感じることができた瞬間でした。約100年前に北九州市で創業された鶴丸海運様ですが、私が注目したのはその経営理念です。就職活動を進めるにあたって、様々な会社の経営理念を見ていますが、鶴丸海運様の経営理念のうち「我々は、不況に強い企業体質を造り、明日の会社を築くため、たゆまざる努力を払う」が特徴的だと感じ、とても印象に残りました。時代の波に流されず、強く生き抜くことができる会社をとの思いで事業の継続、発展を経営理念に掲げているからこそ、事業展開にも柔軟性があることがわかりました。そこには、人々の生活における場所と時間の隔たりを埋める役割を担う物流の仕事は途絶えてはいけないという強い意志と使命感も感じられました。

K.Yさん(福岡県立春日高等学校出身)

講義の最後に鶴丸海運様が求める人物像を教えていただきました。それは、「変化を素直に受け入れ柔軟に対応できる人」「何事も主体性を持ってやり遂げられる人」「人とのつながりを大切にできる人」「嘘をつかずに正直な人」だそうです。これは、どの業界、企業でも必要なことだと思いますので、これから忘れずに意識していきたいです。特に、何事も主体性を持ってやり遂げることは勇気と根気がないとできないと思いますので、頑張っていきたいと思います。

M.Kさん(福岡県立城南高等学校出身)

鶴丸海運様は2021年に創業100周年を迎えられますが、なお一層、時代のニーズにあった物流を創造し続けようという目標に向けて取り組まれています。固定概念に縛られることなく、様々なことに挑戦しようという経営姿勢が素晴らしいと思いました。今回は貴重な講義をいただき、ありがとうございました。

N.Hさん(福岡県立新宮高等学校出身)

今回の吉野様の講義では、今まであまり知らなかった海運業界について、そしてこれからの時代を生き残っていくために必要なことについて学ぶことができました。講義のなかで吉野様は何度も「変化」と「多角化」という言葉を使われました。鶴丸海運様も時代時代のニーズに応えられるように変化し、そして事業を多角化されてきたとのことでした。この二つは会社が生き残っていくためにとても大事なことだと思います。時代の変化に対応することで常に社会のニーズを満たすことができます。事業の多角化は会社の発展に繋がり、更にはひとつの事業に依存するリスクを減らすことができます。講義の最後に吉野様からは採用面接におけるアドバイスもいただきました。学生時代に行ったことに関してどうしてそれをしたのかをはっきりさせておくこと、自分のことを話す時は初めて聞く人でも分かるように話すことの二点でした。しっかりと自分の伝えたいことが伝わるように、これらのことに気を付けていかなければと思いました。

N.Nさん(福岡県立新宮高等学校出身)

今回の吉野様の講義を通して、物流・海運業界について理解するとともに、少子高齢化という問題を抱えている日本において今後、どのようにして物流・海運会社が事業を展開し、生き残っていくのかについて学ぶことができました。吉野様はキーワードとして「変化」という言葉をあげられましたが、私自身、様々な「変化」に柔軟に対応できる人材となれるよう、これから積極的に行動し、広い視野を持って行動していきたいと思います。

A.Mさん(福岡県立八幡中央高等学校出身)

様々な時代の変化や流れに対応しながら社会が必要とするサービスを提供し続けられている鶴丸海運様の講義を受けて、さらに物流に対して興味を抱き、学びを深めることができました。私自身、生まれも育ちも北九州で、若松港にも足を運び、よく鶴丸海運様のトラックを目にしていたため、講義を聴きながらとても親近感がわきました。お忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました。

A.Mさん(博多高等学校出身)

大正時代から操業されている鶴丸海運様の歴史と現状を知ることを通して、物流業、海運業のイメージが少し変わりました。男性が多く働いている業界というイメージでしたが、女性の採用も拡大しているとおっしゃっていて、女性が就く職の幅が広がってきていることを感じました。講義の最後に吉野様が話された必要とする人材のなかで一番、大切にされている人物像が「変化を素直に受け入れ柔軟に対応できる人」とありました。自分もそのような能力を持つ人になりたいと考えていた時だったため、この言葉が今回、一番強く印象に残りました。

K.Sさん(日本国際語学アカデミー出身、ネパール出身)

鶴丸海運の吉野様より非常に良い説明をいただき、海運業についてより良く理解することができました。また、吉野様から講義の最後にいただいたアドバイスは自分の就職活動に向けてもとても参考になりました。貴重なお話をありがとうございました。