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2020.11.25

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」⑤公的金融機関:福岡県信用保証協会の和田課長代理による講義

国際キャリア学科3年生以上を対象とする「Current Business」(担当:山口、今年度は国際英語学科にも開講)は、世界とつながるビジネスや公務の第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。

前回の講義には、中小企業の資金調達を支援する公的金融機関である福岡県信用保証協会から、総務企画課の和田課長代理をお招きし、信用保証協会の業務と公的金融機関に求められる人材などについてお話しいただきました。

和田課長代理は「日本の企業のうち中小企業は何パーセントを占めると思いますか」(答:99.7%)、「法人企業のうち赤字企業はどのくらいあると思いますか」(答:7割程度)という問いかけから始められ、大企業と比較した中小企業の「強み」(コンパクトな経営組織で経営判断する時の意思決定が速い、小回りが利く、従業員一人一人の存在感など)と「弱み」(人材確保、価格競争力、資金調達力など)についてご説明いただいたうえで、金融機関が100%自己責任で事業資金を貸し出すプロパー融資と比較しながら「信用保証協会は中小企業が抱えている大きな課題である資金調達を支援する、具体的には中小企業が事業に必要な資金の借り入れをする際に公的な保証人となってスムーズな資金調達ができるようにサポートする公的機関です」と、わかりやすく解説いただきました。

 

景気が低迷し、悪化すると、通常、中小企業の資金繰りは悪化し、信用保証協会の保証利用は増加しますが、和田課長代理は日本の経済状況の変化に応じて信用保証協会の保証債務残高が推移していることを統計データを示しながら解説いただき、全国各都道府県と横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市に計51ある信用保証協会のなかでも第一位に位置けられている福岡県信用保証協会の保証利用度が2020年3月末時点の43%から8月末時点では50.5%に上昇していることを示し、コロナ禍で県内中小企業の資金繰りが悪化している可能性を指摘されました。また、学生たちに「開業率、廃業率とも高水準である業種はどの業種でしょうか」と問いかけられ(答:宿泊業、飲食サービス業)、日本は開廃業率とも欧米主要国に比べて低く、新たな雇用が生まれにくい状況にあること、中小企業が2014年から2016年の2年間で23万事業者も減っているなど、日本経済が抱えている問題も指摘されました。

続いて、信用保証協会の業務内容について創業支援、経営支援、再生支援、危機対応と順にご説明いただきました。特に、審査業務については経営者をみる、店舗・従業員・顧客をみる、財務をみるという審査の三つのステップのうち、特に経営者をみるところに焦点を当て、掲げている経営理念からその企業を当てるクイズを交えながら解説いただき、「企業の経営理念をみることは皆さんのこれからの就職活動でも重要です」とアドバイスいただきました。講義の最後には公的金融機関に求められる人材像として、①誠実な人、②コミュニケーション能力が高い人、③指示待ち人間ではなく、自主的に責任ある行動ができる人をあげられ、実際に福岡県信用保証協会で働かれている二人の若手職員の方の1日のお仕事の流れ、そしてお仕事をしながら中小企業診断士の資格をとられた中堅職員の方のキャリアをご紹介いただきました。

学生たちはクイズを織り交ぜながら詳しく解説いただく和田課長代理の講義に聴き入っているようでした。講義後は同じ総務企画課の小中様とともに学生からの質問にお答えいただきました。以下は聴講した学生の感想(代表)です。

A.Nさん(福岡県立筑紫高等学校出身)

講義の最後に和田様は経営者の方々に会う際に気を付けていることを教えてくださいました。特に第一印象が重要で、それは出会って5~7秒で決まると言われており、目から印象を受けることが多いとのことでした。そのため、態度や表情、身だしなみなどが重要になります。また、企業を見る際に重要視するべきこととして経営理念をあげられました。経営理念とは、企業行動における基本的な価値観、精神、信念、行動基準を表明したものです。私もこれから就職活動などで企業をみる際にどのような経営理念なのか、その理念に添った事業展開であるのかをみていきたいと思います。

Y.Fさん(福岡県立春日高等学校出身)

今回の講義を受けるまで、信用保証協会とはどのような機関なのか、見当がつきませんでした。 しかし、和田様の表や図を使った分かりやすいご説明のおかげですんなりと理解することができました。信用保証協会の保証債務残高の推移は景気の動きと連動しています。リーマン・ショックなどの世界的な不況や大規模な災害などが起きると、信用保証協会は公的金融機関としてセーフティーネット機能を果たしています。金融業界というと、銀行、証券会社などを思い浮かべていましたが、今回の講義を受けたことにより信用保証協会が新たに加わりました。貴重な講義をありがとうございました。

O.Hさん(福岡県立春日高等学校出身)

私は今回の講義を通して、初めて信用保証協会という組織について知るとともに、中小企業、信用保証協会の業務内容、公的金融機関に求められる人材像という三つのことを学びました。このうち、公的金融機関に求められる人材像は誠実な人、コミュニケーション能力が高い人、自主的に責任のある行動がとれる人だそうです。どれも全ての業種で求められることだと思います。なかでも自主的に行動する力に関しては、IT化が進む今、特に求められていることだと思いますので、私も指示待ち人間ではなく、しっかり考えて判断し、行動する力を身につけていきたいと思います。新しい発見ばかりの講義で、驚きがたくさんありました。また一つ自分の知識や選択肢が増えたことを嬉しく思いますし、今回、学んだことを就職活動や今後の生活に活かしていきたいです。

A.Yさん(佐賀県立小城高等学校出身)

これまで信用保証協会の存在は知っていましたが、実際にどのような活動をしているのかは知りませんでした。今回の講義を受けて業務内容はもちろん、大手企業と中小企業、企業経営についてなど、様々なことを学ぶことができました。講義の合間にはいくつかのクイズをはさんでくださって、1時間半が楽しい時間でした。授業後半では経営者の方に会う前に気をつけることについてのお話があり、今後、社会に出て役立つことを学べてよかったです。第一印象が決定するのは5~7秒ととても短いのだと知り、最初の印象をよくするためにも身だしなみをしっかりチェックし、笑顔を忘れないようにしようと思います。さらに、目の次に耳からの印象が強かったので、言葉にも気を付けたいと思います。言葉遣いはもちろん、話すスピードや声のトーンにも気を付け、相手に良い印象をもっていただけるように努力します。これからの人生において、自身が起業する可能性もなくはないと思うので、その時のためにも信用保証協会についてより理解を深めようと思います。本日はありがとうございました。

N.Iさん(福岡県立北筑高等学校出身)

AIの発展によって単純な事務的作業はロボットで代用することが可能になります。そのためにも私たちは自ら考え、行動する人間にならなければなりません。また、私たち学生はやはり安定を求め、大企業への就職を好みます。しかし、今回の講義で中小企業の強みを知ることができたので視野が広がりました。中小企業がもたらす地域振興にも魅力を感じました。

A.Nさん(福岡大学附属若葉高等学校出身)

今回の講義を聞いて、私は初めて信用保証協会という組織について知りました。和田様のご説明はとても分かりやすく、信用保証協会がどのような機関なのか、どのような役割を果たしているのかがとてもよく分かりました。講義のなかで第一印象は5~7秒で決まり、初頭効果はとても重要と言われていたので、就職活動では第一印象も意識して取り組みたいと思います。また、公的金融機関で求められる人材はすべての業種に共通すると思いました。私も和田様がおっしゃっていた通りに自分で考えて行動できる人材になりたいと思います。

R.Hさん(鹿児島県立出水高等学校出身)

今回の講義で初めて信用保証協会とその業務内容等を知りました。講義の前半部分だけを聞くと、信用保証業務が主な仕事内容だと思っていましたが、その他にも創業支援、経営支援、再生支援、危機対応、さらには地域貢献活動や企業向けのイベントでの経営相談など様々な仕事があり、とても勉強になりました。今回の講義を受けて感じたことは、自分が知っている業種は本当に一部にしか過ぎないということでした。就職活動をする上で、選択肢を広げるためにも自分が知らない職種や業界などについて詳しく勉強する必要があると感じました。また、自分が興味を持っている職種についてももっと深く勉強すれば就職活動をする上でのヒントを得られると思いますので、積極的に企業研究をしていきたいです。

M.Yさん(福岡海星女子学院高等学校出身)

私は信用保証協会という公的金融機関について、今回の講義で初めて知りました。また、日本全国では中小企業は99.7%、福岡県内では99.8%を占めていると聞き、大企業と呼ばれる企業はごく一部に限られているという事実に驚きました。どうしても聞き覚えのある企業の名前を意識しがちですが、もっと福岡にある中小企業についてこれから注目したいと感じました。今回、信用保証協会の業務について学び、福岡の中小企業についても詳しい情報や実態、データを拝見でき、とても貴重な時間になりました。この講義で学んだことをこれからの就職活動に活かしていきたいです。

R.Kさん(中村学園女子高等学校出身)

今回の講義を通して、企業経営の難しさについて改めて学ぶことができました。日本の開業率が国際水準と比較してかなり低いということや参入が比較的、容易な飲食業は廃業率も高いということなど、初めて知ることが多くありました。このような状況を改善するために、信用保証協会は様々な事業を展開されています。信用保証協会とその詳しい業務内容など詳しく学ぶことができ、とても良い経験になりました。

M.Iさん(長崎県立佐世保商業高等学校出身)

和田様からは福岡県信用保証協会の業務内容や社会での役割の他に、「求める人材」についてお話をいただきました。求める人材については「誠実な人、コミュニケーション能力の高い人、自主的に責任のある行動がとれる人と共に働きたい」とおっしゃっていました。この3つの能力はどの業界・企業でも求められる能力、いわゆる社会人基礎力だと考えます。コミュニケーション能力は普段のアルバイトや企業セミナーを通して磨いているところですが、「自主的に考えて行動をとる力」、これを伸ばしていく必要があると感じました。AIのお話もありましたが、人に最高の幸せを届け、最高のアイディアを考え抜く力は人間のみがもっている能力だと思います。これから社会で生きていく上で、また普段の生活で「この人なら」と思われる人物になるためにも、自ら考え、動く力を身につけなければならないと感じました。ご講義いただいた内容を多角的な視点から考えてみることで、自分の考えや就職活動に落とし込むことができました。

A.Tさん(長崎県立佐世保商業高等学校出身)

今回の講義では、福岡県信用保証協会の和田様から信用保証協会の業務内容や求められる人材などについて詳しく教えていただきました。私はこれまで公的金融機関である信用保証協会についてほとんど知らなかったので、たいへん勉強になるとともに、そのお仕事が非常に重要であることがわかりました。入協6か月後の職員の方のアンケート結果もご紹介いただきましたが、そこからも仕事を通して自分自身も成長できる職場なのだろうなと思いました。実際の若手職員の方々の1日の仕事のスケジュールも紹介していただき、働くイメージが湧きました。先日は西日本シティ銀行様の講義を聞きましたが、同じ金融業でも違いがあって非常に興味深かったです。貴重なお話をありがとうございました。

K.Sさん(日本国際語学アカデミー出身、ネパール出身)

和田様の講義を通して、企業を知る際にその経営理念がとても重要だと思いました。また、公的金融機関をはじめ社会ではコミュニケーション能力がある人、誠実な人、自主的に責任のある行動ができる人が求められるという就職活動を控えた私達にとってとても大切なことも説明いただきました。講義の内容は少し難しかったですが、自分のスキルアップにつながる学びを得ることができました。ありがとうございました。