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2017.02.12

心理学科

卒業研究合同発表会 ~研究の一部紹介と最優秀賞受賞者の声~

 2月2日、心理学科教員有志による卒業研究合同発表会が行われました(詳しくはこちらをご覧ください)。本年度発表された研究の一部をご紹介すると…
 ・人の消費行動について調べた、
   『限定商品における消費者心理
    ―魅力を感じる人と感じない人の性格特性における違い―』
 ・化粧をする女性の心理について調べた、
   『なぜ、私たちは装うか―化粧をする心理―』
 ・うつ病の支援策について調べた、
   『うつ病の受診率の低さについて―早期受診を促す支援のあり方 ―』
など、いずれも興味深いものばかりでした。
 ご来場いただいた方には、全ての研究の中から特に面白かったもの4編を投票して頂きました。その結果をもとに最優秀賞2編、優秀賞4編が選ばれ、表彰状と副賞が贈呈されました。
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 本年度は、下記の研究が最優秀賞と優秀賞にそれぞれ選ばれました。おめでとうございます!!
【最優秀賞】
 ・大学生活がキャリア形成に与える影響について
 ・保護者のインターネット利用度が子どもに及ぼす影響
  -肯定的イメージと情報活用能力に関して―
【優秀賞】
 ・カラフルな私の世界~エピソードから広げる共感覚者の心理~
 ・言語化とネガティブ感情の関連について
 ・「共感」と「同情」は似て非なるものか
 ・幼少期と青年期の愛着スタイルにおける関連
 
 今回、最優秀賞に輝いたH.T.さん(福岡県立福岡高等学校出身)には改めて卒業研究を振り返って頂きました。また、今回の卒業研究合同発表会を見学した1年生のH.M.さん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)にも感想をお寄せ頂きました。H.T.さん、H.M.さん、ありがとうございました!!
(担当:分部)
 
 私は卒業研究で、「大学生活における進路決定とキャリア形成支援」について定量調査を行いました。これは、学びを中心とした学生生活の充実とキャリア形成との関連性を調べることで、大学で行うべき学生のキャリア支援の在り方を明らかにするというものです。
 4年生になり周りの友人が卒論の研究テーマを決めていくなか、私は研究の方向性を定めることができませんでした。そこで、3年間の授業でとってきたノートやファイル数十冊を読み返し、自分の些細な疑問、興味・関心を加えながら、納得のいくテーマを探すことにしました。
 私は、大学は社会に一番近い教育機関であることから、専門分野の学びを得ると同時に自分の将来を考える場所と考えていました。一方で、他大学も含めて、「将来の夢がない」「何も考えていない」という大学生も少なくありません。そこで、大学全体の取り組みとして、キャリア支援に今以上に力を入れる必要があるのではないかと考えるようになり、先ほど述べた研究を行うことにしました。このように、一見科学的な研究としては成立しがたいように見える日常的な疑問を扱い、検証できる点は心理学の醍醐味だと思います。
 執筆に際しては、まずは30以上の先行研究を読むことから始めました。複雑なデータを解析する必要もありましたが、2年次の「心理学統計」で学んだことが大いに活かされました。また、考察を執筆する際には結果と考察が混ざってしまったり、論理性に欠ける文章になったりしがちでしたが、先生方にアドバイスを貰ったり、ゼミの友人らと互いに意見を出し合ったりしながら少しずつ進めました。ここでも3年次の「心理学実験」での経験が大いに役立ちました。
 このように、大学で習得した学びと経験が凝縮された卒論はまさに4年間の集大成といえます。また、学生ごとにテーマは違えども、ゼミの仲間と共にがんばることができ、苦労の中にも達成感ややりがいを感じることができました。
 卒業研究合同発表会では、最優秀賞という素晴らしい賞に選んでいただき、とても光栄です。また、沢山の学科の先生方や職員の方々、後輩学生が私の発表に興味をもってくださり、話を聞いてくださったことがとても嬉しかったです。「自分自身で路を開いていく」という卒業研究での経験は、社会人になっても自信となり、私を支えてくれると思います。
(H.T.さん 福岡県立福岡高等学校出身)
 
 私は卒業研究発表を見て、先輩方の研究の考察の深さに圧倒されました。最も印象に残った研究は大学や就職に関する研究でしたが、その研究では、結果から分かったことや考えたことだけではなく、今の日本の現状や傾向なども織り交ぜた話をされていたため、より掘り下げられた考察になっていました。また、説明する際も日常でよく使用するような言葉を使って、「○○な人ほど△△」というような形で簡潔に分かりやすくまとめられていました。さらに、その考察によって最初に立てた研究の目的が達成されており、研究が最初から最後までつながっていました。それを見て、「これが『研究』なんだ」「『研究』ってこういうことなんだ」と学ぶことができました。
 今の私には、自分なりに考察する力などの力量はまだ備わっていないと思います。しかし、3年後に私が研究発表をする側になったときには、誰が見ても納得してもらえるような研究発表ができるように、学んだことをしっかり自分のものにしていきたいと思います。
Hさん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)