学科 Today

2014.06.16

国際キャリア学科

書籍紹介:山口直彦③

kc_head04.gif

kc_20140616_03.jpg『アラブ経済史 1810-2009年』
(単著、明石書店、2010年)

中東・北アフリカのアラブ地域の19世紀以降の経済史に関する書籍です。
アラブ地域における経済開発の歩みを、19世紀前半のエジプトやチュニジアなどでの国家近代化の試みに始まり、西欧の植民地支配に組み込まれる過程と特定産品に依存するモノカルチャー型経済構造の形成、両大戦間期の工業化の再開、第二次世界大戦後のアラブ社会主義に基づく輸入代替工業化とその挫折、1970年代のオイル・ブーム、市場原理を重視した経済改革の始まりと拡がり、そして2000年代以降の油価高騰に伴う活況とドバイの躍進などと通観し、権威主義的な政治体制や人間開発の遅れ、人口急増と若年層の雇用問題、インフラの不足、進展の遅い石油依存型経済からの脱却など、今日の課題を解説しています。
2010年4月25日付の日本経済新聞朝刊の書評欄で取り上げられたほか、他の大学で参考書として使用されています。