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2014.02.28

現代文化学科

【学生の研究活動】 福岡の夜の風物詩・屋台の研究

旅行に出かけ、旅先の土地柄を味わうことは観光の醍醐味の一つです。福岡の土地柄を味わうには屋台は外せません。その数は日本全体に存在する屋台の約半数を占め、現在、福岡市内で営業する屋台は154軒と多く、福岡市は日本有数の屋台王国です。観光関係者はこの「屋台王国」の魅力を旅行者誘致に役立てようと知恵をしぼっています。そこで、私たちは「夜を彩る文化――福岡・屋台の今とこれからを探る」と題して研究をしました
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そもそも、屋台は戦後から、地元住民の生活の場として親しまれていました。地元住民にとって屋台は欠かせない文化であり、あることが当たり前で日常の風景の一部のような存在です。そして、観光客は地元住民の生活の場を利用して地域らしさを味わいたいと、屋台に訪れます。

しかし、屋台が観光客に人気を得る一方で、観光資源としての屋台の未来を脅かす問題が発生します。その問題とは、屋台の観光化です。観光客が増加するに伴い、屋台は庶民のものではなく観光客向けの店となりつつあります。観光化が生じることで、地域らしさは薄れ、観光資源としての魅力さえも失われていくのです。そこから、私たちは「観光資源としての屋台」「交流」「地域住民」をキーワードに研究を進めました
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研究活動は辛いことばかりの連続で、常に屋台のことで頭がいっぱいでした。屋台という題材は大衆に広く認知されている上に、多くの人に研究し尽くされています。その為、内容をいくら練っても、ありきたりな内容となり、人々に驚きと感動を与えることは無理なのではないかと思い悩んでばかりいました。

そこで私たちは、既に調べ済みのデータばかりに頼るのではなく、自らの足で積極的に屋台に通いました。自らの体験で得た情報は説得力があり、インターネット内の情報と比べても、よりタイムリーでリアルな情報として聴衆に伝えることができます。また、屋台は福岡の美味しい食事が味わえるとして人気ですが、屋台の真の魅力はそこにはありません。屋台の魅力は人々の交流の中に生まれる温もりにあるのです。その点を伝えるためにも、体験話は絶対に外せませんでした。

この大会を通して、私たちは多くの学びを得ることができました。文章力や表現力、プレゼン能力などもそうなのですが、私たちが最も成長したと感じるものは、コミュニケーション能力やチームワーク力です。ひとつのものを作り上げるのに、何度も朝まで話し合い、ぶつかり合いながらも、お互いが納得いくまで議論をし続けました。また、実地調査を行う際は、知らない人にインタビューをしました。この大会への参加がなければ、このような貴重な体験はできなかったと思います。
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この論文の完成は多くの人の協力があってこそです。高岡先生を始めとする先生方や高岡ゼミのメンバー、また、友人や家族、福岡の屋台の大将たちや常連さんなど沢山の方々に支えていただきました。便利な世の中となった現代で、失われつつある人々との深い絆や、周りの人への日頃の感謝の気持ちなどを、再び私たちの心に思い起こさせてくれました。この大会で得たことの全てが人生の糧となり、これからも私たちと共に生き続けていくでしょう。(3年 吉田さん)
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