学科 Today

2024.01.09

メディア・コミュニケーション学科

日常が続くことの大切さ

2024年が始まり今日で9日目、学生や教員、職員の姿で賑わう大学での日常の風景が戻ってきました。

「日常の風景」で思い出すのが、昨年の11月に社会情報学会九州支部研究会と当学科が共同で開催したシンポジウム「地域の風景を伝え続ける〜過去と未来をつなぐ場としてのアーカイブ」での基調講演者、写真家・芥川仁さんの作品です。特に印象深いのが下の写真です。水俣病事件についての講演のなかでも使われていました。

水俣市内のありふれた風景を写し取ったものですが、水俣病で苦しめられたこの町の歴史を振り返ると平穏な日常が続くありがたさが伝わってくるような一枚です。

芥川さんは、不知火海沿岸の風景とそこに生きる人たちの姿をカメラに収め続けてきました。日常の営みのなかにこそ伝えるべきものがあるはずで、それが公害や戦争への抵抗へとつながっていくのだと彼の写真は語っているように思えてなりません。世界各地で起きているさまざまな惨事を思うとなおさらです。

みなさま、今年もよろしくお願いします。

(池田理知子)

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