■ 色々な可能性を探る
M.H.さんの性格は、優しくておっとり型でした。がむしゃらに人と競争して目標を勝ち取るタイプではありません。色々なことに挑戦して自分の可能性をゆっくり、じっくり考えながら大学生活を送りました。1年次に海外からの留学生を支援する「架け橋プロジェクト」に参加しました。これはその時の感想です。
「今年度とても興味を持ったことが国際交流です。前期に国際情勢の授業を履修し、発展途上国や日本の外交関係に関心を持ったことをきっかけに、8月に学生ボランティアとしてアジアから日本に来た留学生200人をサポートする「架け橋プロジェクト」に参加しました。英語で会話をすることでスピーキング・リスニングの力を試す機会になったことはもちろん、200通りの考え方、価値観の多様性にとても刺激を受けました。」
まず、国際情勢に関心を持ち、国際交流活動に参加しました。このことが2年次の St. Mary's University(カナダ)への留学(Study Abroad科目履修)に繋がりました。多くの希望から「国際交流」に焦点を絞る:Think Simple!
■ 留学を通して海外の視点に立つ
■ 高度な英語力育成
入学時から、児童英語教師や中高での英語教師も考えていた M.H.さんです。航空関係に進むにしても高い英語力が求められます。1年生のときから次のように考えていました。
「入学当初から、卒業までに800点代後半の取得を目指して努力しました。TOEICで問われる単語は、ビジネスで使われるものが多く、既知の単語でも知らない意味になっていることがありました。そこで、先生方の研究室にたくさん通い、勉強の進め方のアドバイスをいただきました。アドバイスを基に、語彙を増やすためTOEIC用に小さい単語ノートを作り、毎日目を通すことを心掛けました。語彙が増えると、私自身の学習のモチベーションになりました。」
こうした勉強を続けた結果、入学時に465点だった TOEICの点数も1年次の後半には790点にあがり、4年次には870点を取ることができました。1年次から405点のアップです。今後も継続して受験し、900点以上を目指すということです。
■ 教職、ゼミでの学習
国際英語学科は、教職課程や児童英語教育関係の科目を提供しています。M.H.さんは、児童英語教育科目を履修すると共に、教職課程を履修し、教育実習も体験しました。一般教職教養の他に「英語科教育法」4科目を履修しました。この科目では、日本語を使わずに英語のみでコミュニカティブな授業を行うための指導法を徹底して教えています。M.H.さんはこの他にも、「Theories and Methods」(理論と教授法)や「Advanced Practicum」(高度教育実践法)の科目を履修し、英語教師としても教壇に立てる知識と技術を獲得しました。3・4年次の Seminarsでは「日本とフィンランドの教育システムの相違」と題して、膨大な資料をもとに、教育の違いについてプレゼンテーションを続け、最終的に英語論文にまとめました。ゼミでは極めて高い評価を受けました。
■ 航空関係で夢を叶える
このようにできる限りの可能性を試した後で、最終的に航空関係に進むことを決めました。そして「JALスカイ九州」様から内定を頂きましたが、当時このように話していました。「自分の目標に向かって、結果が出るまで、諦めずに就職活動を継続したことが、内定を頂くことができた最大の要素だったと考えています。この1年間、教育実習を含めた多忙なスケジュールをこなしながらの就職活動や、不合格通知など、もう辞めたいと感じた出来事がたくさんありましたが、何か行動を起こすことを常に心がけていました。」そして、将来の抱負を次のように述べています。
「対話を通して「思いやり」を届けることを意識して、仕事に取り組みたいと考えています。空港業務に関しても、グランドスタッフは機械化に多くのメリットがある職種だと思います。しかし、やはり機械よりも人対人の対話がお客様の思い出に残ると考えますし、世界に誇る日本の航空会社として「お客さまのために」と思いやりの気持ちを添えることで「またこの航空会社を利用したい」と思ってもらえる理由にもなると思います。私だからこそ届けることができる「思いやり」を追求し、「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」というJALグループのビジョン実現に貢献できるような人材になりたいです。」
2023年3月に卒業し、現在は福岡空港で活躍しています。国際交流、英語教職、そして空港地上職へ。苦い経験もありました。それでも挫けずに飛び立つことができました:Think EAGL!