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2023.10.25

大学院

臨床心理士・公認心理師の現場から~修了生の声~(4)

 臨床心理学専攻では、今年度も、臨床心理士・公認心理師として現場で活躍している修了生の声をお届けしていきます。心理支援の仕事の幅広さや、大学院での学びがどう役に立って行くのかを少しでも知っていただく機会になれば幸いです。

 今回は、教育領域の臨床現場で活躍している14期生のTさんが寄稿してくれました。Tさん、ありがとうございました。

~臨床心理士・公認心理師として働く修了14期生K.Tさんからのメッセージ~

***現在の仕事について***

 主にスクールカウンセラーとして働いています。児童思春期の生徒の様々な悩みに向き合い一緒に考える日々です。彼らが学校内や家庭内の問題など、難しい状況に直面する場合も多く、教職員や保護者と連携し、生徒の心理的なニーズへのサポート体制を構築するため、働きかけることも多いです。専門家や外部機関への紹介やアドバイスを行い、より専門的なサポートを受ける手助けをすることもあります。

 うまくいくことばかりではありませんが、生徒たちの人生に触れ合い、サポートすることで得られる満足感や成果は、この仕事の大きな魅力の一つで、ケースを通じて学び続けることのできるやりがいのある仕事です。
 

***現在の現場に活かされる本学大学院での学びについて***

 大学院では、多様な学内外の実習や実践的な訓練、常に自らを振り返る訓練を重ねました。なかでも病院実習の経験は、打ちのめされることが多く苦しい実習だった分、得たものも非常に大きかったと思います。

 さまざまな症状や診断を持つ患者さんと接する機会の中で、自身に沸き起こる感情と向き合い、どう働きかければよいのか自問自答の連続でした。迷う分失敗も多く、自身の弱さに直面する機会でした。しかし、実習後には、先生方に聴いていただき、振り返りを共有することで、徹底して自分自身と向き合って内省を深め、臨床心理士としての専門性について考えることができました。こうした経験を通して、専門職としての基礎をつくることができたと感じています。また、多様な専門職がさまざまな症例に適切なアプローチを見つけるために情報共有する様子から、チーム医療の重要性を学ぶことができたことも大きかったです。

 この経験は、現在の仕事における多面的なアセスメントや多職種連携で、いかにより良い支援に繋げられるか組み立てていくための基盤となっています。

 現在も、日々反省と検証の連続ですが、自己研鑽を続けるために学びの旅を止めないでいられるのは、大学院での2年間のお陰です。専門性や倫理を尊重し、クライエントのメンタルヘルスと幸福を最優先に考える姿勢や価値観を学ばせていただきました。

 院生のみなさん、これから大学院進学を目指すみなさん、大学院2年間、途中で難しいと感じるかもしれませんが、その一歩一歩が、成長と専門性を築いていく大切な過程です。困難な時期こそ、自信を持って前進してください。応援しています!

 

◎今後も、臨床心理士・公認心理師の現場で働く修了生について、随時紹介予定です。