福岡女学院大学短期大学部では、目まぐるしく変化する時代に対応できる人材育成を目指し、2023年度にカリキュラムを刷新しました。今回は新たに加わった授業の一つに潜入し、その実態をみてみたいと思います!
選んだのは1年次の英語科目の一つで「Podcasting」 という授業です。担当は音声学が専門の柴田雄介先生。授業はCALLというコンピューターがたくさんある特殊教室で行われていました。早速教室をのぞいてみると、学生の皆さんは、ヘッドセットをつけて画面上に表示された英語を読んでいます。
どうやら個人練習ではなくペアワークのようです。CALL教室に組み込まれているシステムによりランダムに割り当てられた教室内のパートナーに録音予定のPodcastを聞いてもらっているところでした。
ここで馴染みがない人のために簡単に説明します。一般的にPodcastとは、オンライン上で配信される音声 (最近は動画つきも含む) のコンテンツのこと。リスナーは専用のアプリやウェブサイトなどを通じて、特定のトピックやテーマに焦点を当てた番組を探し、好きな時間にダウンロードして聞くことができます。
柴田先生によると、学生はあらかじめ決められたテーマに沿って自分で約3分間のトークの内容を決め、台本を作成するとのこと。もちろん英語の授業なので、学生は英語で話します。今回は「もし○○○が、□□□だったら、どうするか?」という仮定の話をするのが課題ということでした。以下は授業を履修中の学生が自分で企画したPodcastの一例です。
・If I won a million yen in the lottery, how would I spend it? (宝くじで100万円当たったらどう使うか)
・If I could choose any career, what job would I want? (何でも好きな職業に就けるとしたら何になるか)
・What would it be like to be a dog living with a super-rich and famous person? (有名人の犬に生まれ変わったらどんな人生 (犬生?) になるか)
・What would I do if I woke up one morning and discovered that it was my last day on this planet? (朝起きて、突然今日が人生最後の日と分かったらどう過ごすか)
皆さん想像力豊かですね。でも3分間も一人で英語を話し続けるのはなかなか難しそうです。
練習が終えた学生は、一人ずつ教室の外に移動していきました。
本番を撮るための部屋でした。しかし、かなり本格的な防音ブースですね。大学にこんな設備があるのは正直ビックリです。スタジオ (?) では、柴田先生と学生が録音前の最終確認をしているところでした。いよいよ収録ですね。緊張感が伝わってきます。台本通りにちゃんと読めるか不安ですよね。
柴田先生「生放送ではないので、言い間違えたところは録音後に編集でカット可能です。学生には見えない聴衆を意識して語りかけるように話すこと、そしてなにより楽しみながら録音に臨むように指導しています。」編集後の音声は、クラスメートだけでなく、世界中の人が聞けるようインターネット上で公開しているそうです。
学生はRadio Talkというサイト(アプリ)で自分のチャンネルを作成し、録音したエピソードをアップロードしていました。
柴田先生「言語はコミュニケーションツールです。Podcastを通じて世界中のリスナーに自分の思いを届ける楽しみを知って欲しいと願っています。」
履修中の学生にPodcastingの授業についてどう思っているかきいてみました。
K.K. さん「まず大学にこんなちゃんとした防音室があるのにビックリしました。録音もスマホではなく、ちゃんとした機材を使うのは予想していませんでした。」
M.K. さん「3分以上、一人で英語を話し続けるというのは他の授業でもあまりないことなので、勉強になります。」
Podcastingの授業は、準備から練習、録音、そして編集と作業が結構多く、なかなか大変そうでしたが、皆さん楽しそうに受講していたのが印象に残りました。もしかしたらこの授業がきっかけとなり、将来のDJが誕生するかもしれませんね。