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2023.06.26

メディア・コミュニケーション学科

チャペル礼拝に池田理知子教授が登壇しました

6月20日(火)のチャペルで本学科の池田理知子教授が「 『葡萄の旗』に込められた思い」と題し、奨励を行いました。

「みなさん、今日がどういう日かご存知ですか」との問いかけから始まった話の内容は次のようなものでした。

78年前の6月19日から20日にかけて、福岡市内は米軍によって2時間にわたる大規模な攻撃を受けました。221機もの爆撃機が焼夷弾を落とし、甚大な被害をもたらしたのです。当時薬院にあった福岡女学校(現福岡女学院中学校・高等学校)の校舎の大半は焼け落ち、多くのものが失われました。その中の一つが校旗です。
今でこそあるのが当たり前のように考えられている校旗ですが、その歴史は戦争とは切り離せません。

福岡女学校の校旗が制定されたのは1942年、創立から57年も後の太平洋戦争真っ只中の頃でした。戦争へと突き進むなか皇民化教育が強化され、忠君愛国の精神を示すものとして、軍旗に倣うかたちで全国の中学校・女学校に校旗の制定が「強要」されたのです。

しかし福岡女学校の校旗は、軍国主義とは相反する意味をもつものでもありました。

そこには、校章(https://www.fukujo.ac.jp/university/about/ideal)と同じ、学院聖句(ヨハネによる福音書15章5節)に基づいてデザインされた葡萄が縫い付けられていたのです。どんなに厳しい時代にあっても自分たちの信仰を守ろうとする強い思いが伝わってきます。

「新しい校旗」(1942)(福岡女学院資料室所蔵)

78年前にこの地で失われた多くの命を思い、二度と戦争を起こすまいとの祈りのことばで奨励は締めくくられました。今だからこそ、「葡萄の旗」が語りかける声に私たちは耳を澄ます必要があるのだと思います。
初代校旗は焼けてしまいましたが、福岡女学院資料室前には二代目の校旗が飾られています。みなさんも資料室にぜひ足を運んでみてください。

(学科Today編集担当)