3月19日の春のオープンキャンパスで、「『メディア』としてのテーマパーク」と題した模擬授業を行いました。そのときの内容を簡単に紹介したいと思います。
「メディア」の機能の一つである媒介作用に着目すると、さまざまなものをメディアとして捉えることができます。メディアは私たちと何かをつないでくれますが、何を媒介するのかは私たちの意識によって変わってきます。つまり、私たちのまなざしによって、異なる意味が生まれてくるのです。
たとえば大阪にある人気のテーマパークをメディアとしてみてみましょう。当時の新聞などでも報道されていますが、そこは有害物質を含む廃棄物が埋め立て処分されていた土地のうえに作られています。
メディア・コミュニケーション学科の必修選択授業「コミュニケーション概説」でこのテーマを取り上げたとき、学生から次のようなコメントがありました。「廃棄物処理場の跡地に建てられたことを初めて聞いたが、修学旅行で行った時に周りが工場ばかりで、そこだけがポツンと浮き上がっているような不思議な感じがしていたので納得した」。
かつてその地に何があったのかを知ると、それまでとは異なる空間がそこに見出せるのではないでしょうか。過去の出来事を知ったことで、新たな視点を手に入れ、体験への意味付けに変化が生じたのです。
模擬授業に参加してくださったみなさん、ありがとうございました。
(池田 理知子)