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2022.09.08

大学院

臨床心理士・公認心理師の現場から学ぶ⑩ ~修了生の声~

本専攻は、臨床心理士第一種指定大学院として開設し20年目を迎えます。これまでに235名の修了生が巣立ち、資格を取得し様々な分野で活躍しています。秋には、「臨床心理士のアイデンティティに基づいた心理臨床実践について」をテーマとして大学院開設20周年のシンポジウムを企画しています。そこで、todayでは「修了生の今」を紹介していきます。先輩達の活躍は、在校生だけではなく、これから大学院進学を目指す人々の道しるべとなるでしょう。

今回は、臨床心理士・公認心理師資格を有し、臨床心理センターにて勤務しているH.H.さんを紹介します。

~臨床心理士・公認心理師として働く修了3期生H・Hさんからのメッセージ~

***現在の仕事について***

大学院修了後、臨床心理士、公認心理師の資格を取得し、福岡女学院大学の臨床心理センターで働いています。臨床心理センターは、地域の方々の心理相談を有料でお受けする機関であり、訓練を積んだ大学院生が臨床心理実習をおこなう場でもあります。現在の私の業務内容は、相談者の対応や外部機関との連絡、院生の実習コーディネートなどがあります。実習生である大学院生と一緒に相談を担当することもありますし、毎日のように大学院生と関わります。私自身も、大学院生時代は実習生として臨床心理センターで実際にケースを担当し、センター業務に関わる中から、人の心に関わる者としての基本的な態度や素養について学んだことが多かったように思います。私がこのセンターで学んだことを振り返りながら、今、自分が職員として大学院生のためにここでできることは何か、与えられた役割は何か、毎日考えながら臨んでいます。

***現在の現場に活かされる本学大学院での学びについて***

大学院で過ごした2年間は臨床心理学的知識の習得だけではなく、体験的な学びが多かったように思います。毎日の講義や実習で指導いただいた臨床心理士の先生方の言葉や姿勢、同期とのシェアリング、クライエントとの出会い、そのすべての時間が刺激となり、心理職を目指す自身の糧となっていきました。中でも、自らが主体的に相手に興味を向け、関わり、臨床心理学的な知識を用いてアセスメントをし、自分の姿勢や態度を常に振り返りながら、相手に関わり続けるといった基本的な臨床心理学的な姿勢のあり様とその大切さを教えていただいたこと、それが現在の自分のベースになっています。また、そのような姿勢なしにして人の心に真に関わるということはできないのではないかとも思うようになりました。そのようなことを学ぶにあたり2年間の大学院生活では、自身のあり方が問い直され、時に揺さぶられ混乱することもありましたが、指定大学院という専門的な守られた環境の中で、そういった体験ができたことは非常にありがたかったように思います。心理臨床を学ぶこと、人の心を理解することは簡単ではないと、日常の臨床場面で常に感じます。そこに居続け、考え続けられる力を、大学院2年間で鍛えていただいたと思っています。

 

◎今後も、臨床心理士・公認心理師の現場で働く修了生について、随時紹介予定です。