この授業は、衣装・メイクを中⼼とした舞台裏⽅の仕事について、実践的な作業も交えて学ぶ体験型の授業です。【衣装編】は舞台やアート、映像作品の第一線で活躍されている衣装家の西川千明さん、【メイク編】は舞台ヘアメイクの経験を経て現在は美容室を経営されている成井佐和恵さんが担当されました。
今回は後半の【メイク編】についてご紹介します。
【メイク編】は対面式で丸１日かけて行いました。ヘアメイクの仕事内容について、講師の体験談とメイクの実演を通して学び、受講生も自分で舞台メイクを実践しました。受講生から寄せられた感想を一部ご紹介します。
・普段私たちがしているメイクとは全く違って、観客席からどう見えるか、ライトが当たったらどう見えるか、なども考えながらメイクをされていることを知りました。また相手が演じる役によって、メイクの色味を変えていて少しハイライトを付け加えただけでもかなり違ってみえたり、学ぶことがたくさんありました。私も、実際に体験してみましたが外国人風に彫りが深い顔に出来上がってクレオパトラ感が出て嬉しかったです。(クレオパトラ風メイクに挑戦した2年生)
・目の前でドキュメンタリー番組を見ているかのような、新鮮で楽しい講義でした。ヘアピンの数を把握すること、12秒で演者を舞台に送り出すことなど、本当にミスが許されない世界なのだなと感じました。同時に、私たちが思い切り舞台やエンターテイメントを楽しむことが出来るのは、成井さんたち舞台裏で活躍する方のおかげだと再確認しました。メイクの実演では、色々な技術を駆使して、モデルさんをキャラクターに変身させる姿はとてもかっこよかったです。何よりも、成井先生の真剣な眼差しから、本当にこのお仕事に誇りを持たれていることがよく伝わりました。(２年生)
・実際に自分にメイクをした時は、先生のアドバイスをもらったおかげで更に不気味さが増して驚きました。ヘアアレンジまでありがとうございました。短い時間でしたがとても濃い1日でした。(ピエロのメイクに挑戦した２年生)
お二人の講師の先生方の授業を通して、舞台スタッフの仕事には技術力のみならず精神面の強さ、コミュニケーション力、行動力、とっさの時の判断力が必要なのだということがよく伝わりました。何よりも仕事を楽しまれているお姿は強く印象に残りました。創造することの面白さ、「こうすればもっと良くなる、楽しくなる」と可能性を追求するこだわりが、衣装・メイクはじめ舞台の仕事に携わる方々の原動力となっているように思います。
※ 撮影のため一時的にマスクを外しています。