本学科の池田理知子教授が執筆に加わった書籍が刊行されました。
安藤聡彦・林美帆・丹野春香編著『公害スタディーズ −悶え、哀しみ、闘い、語りつぐ−』には、数々の公害の事例をめぐるさまざまな立場からの「語り」が収録されています。複雑で見えにくい「公害」について、改めて学び、向き合うことができます。
「話を聴く -言葉にならない声を聴く想像力-」
池田先生は本書の中で、言葉にならない声を聴くために、「公害」の当事者が語る言葉をそのまま受け止めるだけではなく、言外の意味は何か、なぜそれが語れないのか、想像力を働かせ、考え続けることの重要性を説かれています。被害者にとって本当につらい経験は話せないものだからです。
被害者の言葉を語られたままに聴き、知ったつもりでいた「公害」について、自分がいかにその複雑さがみえていなかったかと気づかされました。
「公害」という言葉を見聞きする機会が減ってしまった今だからこそ、一人でも多くの方に手にとっていただきたい一冊です。
(学科Today編集担当)
<安藤聡彦・林美帆・丹野春香編著『公害スタディーズ』紹介ページ(出版社ころからホームページより)>