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2013.02.18

「百読百鑑」レビュー 『恋に落ちたシェイクスピア』 by チャーシュー小力

監督をジョン・マッデン、脚本はトム・ストッパードが手がけるアメリカ映画である。主演はグウィネス・パルトローとジョセフ・ファインズが務め、第71回アカデミー賞を始め、数々の賞を受賞している。

舞台は劇場の閉鎖が相次ぐロンドン。新作劇『ロミオと海賊の娘エセル』の上演準備を行っていたウィリアム・シェイクスピアの前に、役者に憧れる資産家の娘ヴァイオラが男装をし、トマス・ケントと名乗り、現れる。そしてその演技力を買われ、ロミオの役を得る。シェイクスピアはやがてトマス・ケントがヴァイオラだということに気付く。既婚者であるシェイクスピアと、娘としての務めを果たすために貴族であるウェセックス卿との結婚を前にしていたヴァイオラは決して結婚できない関係であるにも関わらず忍んで会う仲となる。二人の恋は果たして喜劇に終わるか悲劇に終わるかが問われるラブストーリーである。

ウィリアム・シェイクスピアといえば、『ロミオとジュリエット』や『ハムレット』など有名な作品を巧みな言葉の数々とともに生み出した劇作家、詩人であるため、まず私がこの『恋に落ちたシェイクスピア』という映画のタイトルを見たとき、どんな言葉たちが恋を彩っていくのだろうかととてもわくわくした。やはりシェイクスピアは私を裏切らず、多様な言葉でヴァイオラを口説き、私も惚れてしまいそうなほどだった。その中でも特にトマス・ケントがヴァイオラだと知らずにシェイクスピアがヴァイオラのことを話すシーンが魅力的だった。せめて映画の中だけでも素敵な恋がしたい!という人にぜひおすすめしたい映画である。