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2020.12.11

メディア・コミュニケーション学科

授業紹介 その④:印刷表現演習

社会の中で「印刷」はどのような役割を担ってきたのでしょうか。ここでは、メディアとコミニュケーション、デザインの現在を考える学科の専門科目「印刷表現演習」の授業をご紹介します。

今回は、授業で学んだ知識をもとに、印刷の基礎を理解するための実技演習としてシルクスクリーンを使ったオリジナルトートバッグ作成に挑みます。シルクスクリーン印刷とはメッシュ状の生地に、インクが通る所と通らない所を作って版にし、その上からインクをのせスクイージーで撫でることで印刷を行う技法です。

エプロンとゴム手袋を着用し、まずは試し刷りを行います。スクイージーの角度、力の入れ具合で、インクの抜け方は大きく変わります。初めはおそるおそるインクを撫でていた学生も、先生からアドバイスをもらうと動きにためらいがなくなります。

何度も試し刷りを行い、覚悟を決めた学生からトートバッグへ印刷を行います。インクを撫でたあと、印刷版をあげるまで仕上がりはわかりません。教室中の熱い視線が注がれます。「もういいかな?」「あげるよ、3、2、1…」。

版の下には、トートバッグへきれいに印刷されたさんまの塩焼き定食が表れます。「きれい!」「シュール!」と歓声があがります。初めの仕上がりに勇気づけられたのか、我先にと複数の机で一斉に作業が進みます。そこかしこで先生を呼ぶ声が聞こえますが、誰に頼まれるでもなく作業を終えた学生が他の学生のサポートにまわります。助け合いながら、限られた時間のなかで参加者全員のトートバッグが完成しました。

授業が終わるころには、エプロンをインクで汚しながら世界に一つだけのトートバッグを満足そうに眺める学生の姿がありました。

昔ながらの技法を使って実際に作業をすることで、私たちの日常の暮らしを支える印刷の面白さをおおいに体験できたのではないでしょうか。

(学科Today編集担当)