今年は、新型コロナウィルスの影響で、インターネットがより身近に感じられた一年となりました。そのため、社会心理学と組織心理学を学ぶ藤村ゼミは、下記書籍「新版 インターネットの心理学」を用いたオンラインでの読書会を行いました。
新版 インターネットの心理学
パトリシア・ウォレス 著 川浦康至/和田正人/堀正 訳
https://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002455.html
この読書会では、ゼミ生が各章を担当し、その内容をパワーポイントにまとめて、プレゼンをし、意見交換を行いました。また、多くの方に参加してもらえるように、ゼミ生は事前に他の学年にも読書会の案内をし、準備を行いました。当日は、本の翻訳を監訳した川浦先生ご本人にゲスト参加していただくなどのサプライズもあり、とても有意義な時間となりました。
読書会の雰囲気を学科Todayでもお届けするために、今回、13名のゼミ生の中から相互投票で優秀賞を獲得した4名の方に、読書会の当日に用いたスライド1枚を選んでもらい、担当した章の概要と感想を書いてもらいました。皆さんにも読書会の様子を感じていただければ幸いです。
第5章「ネットにおける好意と恋愛」
発表担当者: N.R.さん(中村学園女子高等学校出身)
今回行われた読書会で、私は「ネットにおける好意と恋愛」についての章を担当しました。この章を読んで、最も印象的だったのは、いくつかの実験でオンライン環境の方が対面場面よりも深い自己開示がなされたという内容です。私も口頭で話すより、スマートフォンやパソコンで文字を打つ方が自己開示をしやすく感じるため、この研究結果にとても共感しました。そして、読書会では、これから先に必要な読む力や要約する力、考える力を身に付けられたと思います。文章を読みながら考えることで、内容をより理解することに繋がり、要約するために重要な点はどこなのかを読み解くことができました。長い文章を要約し、パワーポイントにまとめる作業は辛かったですが、今回の読書会で身に付けることができた力は社会に出てからも必要となる力なので、私自身の成長につながったと思います。読書会は滅多にない貴重な機会だったので、とても良い経験になりました!
第6章 ネットにおける利他主義──向社会的行動の心理学
発表担当者:N.F.さん(玄界高等学校出身)
私が担当した章では、オンライン場面と対面場面における向社会的行動にはどのような要素が働いているのかという内容でした。この章の中で印象的だったのは、インターネットの支援では良い面と悪い面の両面を持ち合わせていることでした。インターネット支援の例として、クラウドファンディングや個人の抱えている問題などをオンラインのグループで共有してその人を支援するといった様々な支援グループがあります。また反対にインターネットを利用し、人のお金を騙し取るといった詐欺に使われることもあります。インターネットは、私たちの生活に数々の影響を及ぼしているのだと改めて再確認することができたとともに、インターネットを使用するにあたり慎重に取り扱う必要性も感じました。また、このコロナ禍で、インターネット上だからこそできる支援が必要となってくるのではないかと思いました。
第8章 子供の発達とインターネット
発表担当者:W.N.さん(新宮高校出身)
ゼミでの活動として読書会を実施し、多くの新しい知識を身につけることができたと感じました。ゼミ生で「インターネットの心理学」という本を読むことに決め、私は「第8章 子供の発達とインターネット―オンラインで成長すること」の要約を担当しました。この章で、認知、身体、社会・情緒的、性的発達において、インターネットは子どもの発達に効用をもたらすものであると分かりました。特にこの章で述べられているオンライン学習のありかたについては、コロナ禍における子どもの学習を支えるものであり、これからの教育でも取り入れられていくものとして考える機会となりました。その他の章についても、ゼミのメンバーによる要約の発表を聞くことで、新しい学びとなり、自分の考えを深めることができた時間でした。読書会は初めての経験でしたが、自分にとって非常によい学びとなりました。
第11章 時間つぶしとしてのインターネット
発表担当者:Y.K.さん(玄界高等学校出身)
私は第11章「時間つぶしとしてのインターネット」の要約を担当しました。この章では、インターネットに依存することが私たちの生活にあらゆる問題を引き起こすこと、また依存にどう対応していくべきかということがまとめられています。インターネットが急速に発展、普及している今だからこそ考えるべき問題だと読んでいて改めて感じました。依存傾向にあるインターネットの空間がどのようなものであるかを考え、知ること、また、自分自身の行動を振り返り、認識することで自ら改善を図ることがいかに重要かを学びました。これからはインターネットを適度に利用し、生活にうまく活用していきたいと思いました。