学科 Today

  1. HOME
  2. 学科 Today
  3. 人間関係学部
  4. 心理学科
  5. 「司法・犯罪分野の心理学」

2020.09.10

心理学科

「司法・犯罪分野の心理学」

 心理学には多くの領域や分野がありますが、教員は、臨床心理学や福祉心理学とともに、犯罪分野の心理学も専門としています。今回は、その一つに位置づけられる司法・犯罪心理学を取り上げたいと思います。後期から、「司法・犯罪心理学」(3年生科目)の授業が始まります。受講予定の学生さん、あるいはこれから入学を考えている高校生の皆さんの中にも興味を持っている方が少なくないのではないでしょうか。

 なんらかの事件、問題行動が起こると私たちは不安になり、その理由を知りたいと思うでしょう。つまり、人はなぜ非行や犯罪に走ってしまうのだろうか?その原因はどこにあるのか?などを追及したいという率直な問いがわいてきます。それを心理学を用いて、科学的に分析していくのが犯罪心理学です。その果たす役割は非常に大きいと言えるでしょう。もちろん、司法・犯罪分野の心理学は、もう少し細かく分かれており、例えば、教員自身は、以前、警察の科学捜査研究所(心理)での臨床経験がありますが、そこでは、生理心理学的な手法により、犯人検挙につながるような記憶情報を検査するという業務(鑑定)にとりくんでいました。これは、「捜査心理学」という領域になります。あるいは、児童福祉機関や施設にて、非行や犯罪を起こした児童や大人の立ち直り、更生を支援していくといった臨床活動も行ってきましたが、この分野は「矯正心理学」という領域になります。さらには、近年では、犯罪の被害にあった人に対する心理的ケアをどのように行っていくのかという「被害者支援の心理学」、犯罪を未然に防ぐにはどうしたらよいのかといった「防犯心理学」なども重要になってきています。非常に幅広いですね。この分野について学ぶことは、国家資格である公認心理師が成立してから、カリキュラム上必修科目にもなっています。授業では、教員の臨床経験も伝えながら、理論的に学んでいきたいと思います。もちろん、教育や福祉分野を含む幅広い領域とも関連をしていますので、将来につながるような幅広い知見を身につけていきましょう。

※掲載している写真は、2020年3月以前のものです。