メディア・コミュニケーション学科では、毎年7月ごろに4年生による卒業研究の構想発表会を行っています。今年は教員を含め全員が遠隔での参加でしたが、下級生も含め多くの学生が聴講する中、4年生はみな堂々とした発表を行いました。
研究テーマや方法は多岐にわたります。例えば、アトピーに対する理解が進んでいないことを一人の患者として痛感してきたという学生は、患者同士、患者と医師のコミュニケーションという視点から「アトピーの理解に足りないものは何か」について研究を行おうとしています。また、COVID-19以後の状況から人と人との距離に興味を持ち、「距離によって感情がどう変化するのか」「どのような感情がどの位の距離でどのように伝わるのか」を写真で表現しようという学生もいました。このほかにも、自らの経験と、メディア・コミュニケーション学科で培った学際的な視点を結びつけた興味深い発表がたくさんありました。
この構想発表会は、研究の骨組みを発表し、ゼミの指導教員以外からコメントをもらえる、学生にとっては貴重な機会です。「調査対象が狭すぎて扱う問題も狭まっている」「既出の先行研究が多くあるなかでオリジナリティを出せるのか」「テーマを絞らないと、一生かかっても答えを出すことは難しい」などの鋭い指摘もありましたが、それらのコメントの一つひとつが今後の研究を進める重要なヒントになりそうです。画面の向こうで必死にメモをとる学生の姿が目に浮かぶようでした。
構想発表会終了後に行われた意見交換にも多くのコメントが寄せられました。ゼミや学年の垣根を越えたオンラインならではのやりとりで、思いもよらない視点や新たな発想を得た学生も多数いたのではないでしょうか。
後期の終わりに行われる卒業研究発表会でどのような成果が報告されるのか楽しみです。
（学科Today編集担当）
