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2020.03.24

国際キャリア学科

(学生の活躍)国際キャリア学科2年のF.Mさん(福岡県立香椎高等学校出身)が「福岡県国際協力リーダー育成プログラム」の団員としてミャンマーでの研修に参加しました!

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国際キャリア学科2年のF.Mさん(福岡県立香椎高等学校出身)が福岡県国際交流センターと国連ハビタット福岡本部が実施している「福岡県国際協力リーダー育成プログラム」の最年少団員に選抜され、ミャンマーで開催された海外研修に参加しました。

「福岡県国際協力リーダー育成プログラム」は国際協力に強い関心と問題意識を持ち、かつ一定水準以上の英語力を持つ福岡県内の大学生等を対象に国連ハビタットの支援活動を体験させるもので、将来、国際協力活動に従事できる人材を育成することを目的としています。主催機関のひとつである国連ハビタット(国際連合人間居住計画)は開発途上国の人々の居住環境を整備し、人々が尊厳を持って暮らせる「まちづくり」を推進している国連機関です。

F.Mさんは国内研修を経て、この2月から3月にかけてミャンマーを訪問し、国連ハビタット事務所やその支援プロジェクトの現場、国際協力機構(JICA)ミャンマー事務所、在ミャンマー日本国大使館などで研修を受けたほか、ヤンゴン外国語大学での学生との交流などに参加しました。

今回は国際協力のまさに「現場」で様々な経験をして、大きく成長したF.Mさんの報告をご紹介します。なお、国際キャリア学科生が「福岡県国際協力リーダー育成プログラム」の団員に選抜されるのは一期生で一昨年卒業したK.Sさん(鹿児島県立大島高等学校出身)以来、5年連続で6人目となります。

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日本大使館の訪問(前列左から2人目がF.Mさん)

「福岡県国際協力リーダー育成プログラム」に参加して

国際キャリア学科2年 F.M
 
私は今回、福岡県国際交流センターと国連ハビタットが主催する福岡県国際協力リーダー育成プログラムでの海外研修を体験しました。このプログラムには私を含めて8名の学生が団員に選ばれ、ミャンマー連邦共和国に派遣されました。ここで学んだことは数えきれないほどあり、国際協力に対して真剣に向き合うことができました。

最初に私がこのプログラムに応募した理由を述べたいと思います。福岡女学院大学国際キャリア学科に入学して以来、国際協力について学ぶ機会がありました。そこで徐々に興味を持ち始め、このプログラムを知った時、今までは想像上でしかなかった開発途上国の現状を自分の目で確かめてみたいと思い、応募しました。

ここからはこのプログラムで経験したことを紹介しながら、どう感じ、考えたかを述べたいと思います。このプログラムは3日間の国内事前研修と9日間のミャンマー研修で成り立っていました。国内研修1日目と2日目は、団員同士で対話を通してチームワークを高めていきました。3日目は、国連ハビタットの組織と開発途上国の現状について学びました。開発途上国の現状については、どれほどの人々が貧困層に当たるのか、貧困をなくすためには何が必要なのか学びました。そのなかで、世界で飢餓や栄養失調に苦しむ人が9.4人に1人いて、およそ7億4000万人が1日1.9ドル未満で生活しているということに驚きました。それ以上に驚いたのが地球上の人々が食べる倍の量の穀物が生産されているという事実です。ではなぜこれほどの食糧が地球上にあるにもかかわらず、飢餓に苦しむ人がいるのかというと、豊かな国が穀物を浪費したり、質の良い牛肉を食べたいがために飼料として使っているからだそうです。このようなことを聴くと、極端に言えば、自分たちが生活を見直すだけでも世界のどこかで救える命があるのかもしれないと思いました。

続いて、時系列でミャンマーでの研修について述べます。到着翌日にまず国連ハビタットのヤンゴン事務所を訪問しました。ここでは主にヤンゴンで問題となっていることについて説明を受けました。ヤンゴンでは人口の増加が著しく、全土の人口の10%が集中していますが、水道、電気などのインフラ整備や住居の建設が間に合っておらず、その結果、スラム地域に住む人が増えているそうです。午後からは水関連プロジェクトの視察に行きました。ここでは貯水タンクを見せていただき、そのメンテナンスの作業に参加しました。貯水タンクは国連ハビタットの資金提供で作られたそうです。この地域に住む人たちは時々、水を売りに行くこともあるそうで、その時に使う専用の押し車を引かせてもらいました。多くの水が積んであるのにも関わらず、私でも簡単に運ぶことができました。

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国連ハビタットのヤンゴン事務所での研修(右端がF.Mさん)

三日目はスラム地区を訪問しました。ここでは今まで授業等で聴いていた貧困問題を目の当たりにしたような気がして、学ぶことが多くありました。私が行った地域では生活をより良くしようとする運動を展開している人たちがいて、その人たちからお話を聞きました。地域での連携が必要だと考え、集会を定期的に開くことにしたそうですが、最初はみな心を開いてくれなかったらしく、うまくいかなかったそうです。しかし、試行錯誤しながら続けていくうちに住民の方々もコミュニケーションをとってくれるようになり、今では一緒になって生活向上を目指すようになったとのことでした。この地域の人たちは法的には正規の住民と認められていないとのことで、私はそこに一番驚きました。地域のリーダーの方々は住民が市民権を得ることに力を入れているとのことでした。私はずっと気になっていたことを質問しました。それは一日にどれほどのお金で生活しているのかということです。食事代も含めて一日に5ドル程だといわれました。私の想像をはるかに超える環境で生活をされていて、衝撃が大きかったです。そんな地域でしたが、皆さん、笑顔だったのが今でも印象に残っています。

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​三日目の午後はヤンゴンのごみ処理場を見学しました。ヤンゴンでは急激な人口増加にごみ処理が追い付かず、大きな問題になっているそうです。ごみ処理場ではブロック状に固められたごみがいくつも重ねられていて、きれいに処理されていました。これは福岡のごみ処理施設から教わった技術だそうで、有毒ガス対策もされていて、火事が起こらないように工夫されていました。日本の技術貢献を目の当たりにでき、とても心に残りました。

四日目の午前中は、少し住環境が改善された地域を訪問しました。そこにはクリーム色の外壁のアパートが何棟か建っており、以前、スラムにいた人たちが住んでいるそうです。これは先に述べたリーダーの方々がなしとげられた功績だそうで、日本の国際協力機構(JICA)が支援し、現地の方々が建てられたとのことでした。ここにはお年寄りがいたり、生活の中で何らかの不自由なことを抱えている家庭から優先的に入居できるそうです。家賃は電気代・水道代を含めて6.5ドルから7ドルだそうです。午後は日本大使館を訪問し、日本とミャンマーの強い関係についてお話を伺いました。

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生活環境が改善された地区のアパートに住む方々との交流

五日目はヤンゴン外国語大学の日本語学部の学生と交流しました。皆さん日本語が上手で、コミュニケーションはすべて日本語でとりました。ミャンマーには生まれた曜日によってその名前を付けることができるらしく、団員もそれぞれ現地の学生につけてもらいました。ちなみに私は火曜日生まれで、ဇာခြည်ဝင်း(ザーチウィン)という名前を付けてもらいました。

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ヤンゴン外国語大学で現地の学生と交流

六日目はJICAを訪問し、主に青年海外協力隊員として活躍されている方からお話を伺いました。青年海外協力隊にはサッカーコーチとして活躍されている方、ピアノ講師として活躍されている方もいらして、驚きました。慣れない環境での活動は大変なことが多い一方で、現地での生活はとても楽しく、教え子の成長を見るのが喜びだと話されていました。青年海外協力隊員の方々は皆さん、とても明るい方々で、国際協力に際してはこうした前向きな姿勢が大切だと思いました。

IMG_7897.jpg七日目は日本ミャンマー未来会議の代表である井本勝幸様のお話を聴きました。日本ミャンマー未来会議は、第二次世界大戦中のインパール作戦で戦死された日本兵の遺骨の調査・帰還、そしてミャンマーの少数民族の支援を目的に活動されています。井本様のことはミャンマーに行く前に勉強していて、そのご功績は知っていたのですが、それをはるかに上回ることをされていて圧倒されました。これまでずっとミャンマーの武装勢力同士の紛争を解決することに尽力されたそうで、そのためなら手段を問わなかったそうです。本当に素晴らしい方で、話も聴き飽きないくらいだったので、ぜひ大学でもご講義いただきたいと思いました。最終日にはヤンゴン市内を回り、世界遺産である寺院を訪ね、自分の生まれた曜日に向かってお祈りをしました。

この研修を通して、最も印象に残ったはスラム地区の訪問でした。もちろん、生活環境は良くはなく、いままで貧困について学んできたことを目の当たりにした気分になりました。しかし、皆さん、楽しそうに生活されていて、近所同士のつながりが強く、何かあれば助け合うという精神を大切にされていて、魅力的に感じました。この研修で様々な人と出会い、考えるなかで、ただただ支援することが本当に国際協力になるのか、もっと違ったアプローチの仕方もあるのではないかと思うようになりました。これからも今回の研修で学んだこと、経験したことを大切にして、さらに学びを深めていきたいと思います。最後になりましたが、福岡県国際交流センター、国連ハビタットの方々をはじめ、ご指導いただきました皆様に心よりお礼申し上げます。

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お世話になった方々、一緒に切磋琢磨した団員たちと
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