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2020.01.07

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」⑨ホテル業:リーガロイヤルホテル小倉 加来部長代理による講義

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国際キャリア学科3年生を対象とする「Current Business」(担当:山口)は、世界とつながるビジネスの第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。前回はホテル業界から、リーガロイヤルホテル小倉で総務人事を担当されている加来弘樹部長代理をお招きし、ホテル業界の仕事と求められる人材についてお話しいただきました。

IMG_9633.JPG加来部長代理からははじめに観光ビザの緩和、格安航空会社の就航増加、アジア諸国の所得増加などの要因が重なって、訪日外国人数が拡大するなど、追い風が吹いている日本の観光業界を取り巻く状況について解説いただいたのに続き、シティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテルなど、日本におけるホテルの分類から説き起こしていただき、東京における帝国ホテル、ホテルオークラ、ホテルニューオータニのような「賓客のための近代的ホテルを大阪に」との大阪の政財界の要望を受けて開業した新大阪ホテルを前身とするリーガロイヤル・グループについてご紹介いただきました。

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続いて、北九州のランドマークとして1993年に開業したリーガロイヤルホテル小倉について、2016年に開催されたG7北九州エネルギー大臣会合や天皇皇后両陛下がお泊りになった2017年の全国豊かな海づくり大会福岡大会、今年、開催された日中韓参加国環境大臣会合(TEMM)でのエピソードやその際のご苦労話などを織り交ぜながらご紹介いただきました。

ホテル業界の仕事については、①宿泊(フロント、フロアーサービス、宿泊予約、客室)、②宴会(宴会サービス、ブライダル、宴会予約、宴会調理)、③食堂(調理人、サービススタッフ)で構成されるホテルの業務、①接客部門、②バック部門(業務を管理したり、裏方として料理を作ったり、客室を掃除したりする部門)、③営業部門で構成されるホテルの組織、さらにはそれぞれの部署に求められるサービスのポイントと心得などについて、「厨房に入るスタッフは必ず25秒以上、2回手洗いをするなど衛生管理に注意を払っている」「宴会部門では宴会プログラムを事前にしっかりと研究し、クライマックスはどこか、その時の中心人物は誰か、どのようなパフォーマンスで演出するのかなど、しっかりと把握して臨む必要がある」など、リーガロイヤルホテル小倉における具体的なエピソードを交えながらわかりやすく解説いただきました。そのうえで、「ひとつの部門だけが100点満点でもお客様は満足されません」と話され、各部門間、従業員間のチームワークの重要性を強調されました。

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ホテル業界で働く人に求められる資質のうちホスピタリティ(おもてなし)については、ある披露宴の会場で乾杯の時、スタッフが新郎の姉の遺影の前にそっとシャンパングラスを置いて家族の方々に感謝されたエピソードなどを紹介されながら、「この時、この場、この人だけにと個別におもてなしをすること、それがホスピタリティです」「『情けは人の為ならず』といいます。お客様への心配りはホテルへの高評価にもつながります。五感を働かせ、アンテナを拡げ、お客様の心のなかに一歩、踏み込んで、求められているサービスを提供することが大切です。お客様は自分だけにこんなことをしてくれたのかと思われる時、一番、喜ばれます」と解説いただきました。

IMG_9642.JPG続いて、「CS・ES・No1」というリーガロイヤル・グループのビジョンと顧客ロイヤリティについて解説いただきました。ここでいうロイヤリティとは「顧客があるブランドや商品、またはサービスに対して感じる信頼や愛着」、顧客ロイヤリティとは「顧客が長期的に信頼や愛着を持ってくれている状態」のことで、顧客ロイヤリティには①お客様が継続的に利用される→②購入単価があがる→③商品を周囲の友人や知人に勧める、それによって企業の集客やマーケティングに積極的に協力してくれる、という効果があり、いかにこの顧客ロイヤリティを高めていくかがポイントであると話されました。
 
講義の最後には接遇の基本として、①身嗜み、②表情(笑顔)、③言葉遣い、④挨拶、⑤態度の5つのポイントをあげられ、それぞれについて「身嗜みのポイントは控えめ、上品、清潔」「挨拶は自分の心を開いて相手に迫るという意味です。あ=あかるく、い=いつでも笑顔で、さ=先に挨拶をして、つ=次の言葉を」「態度は態は目に見える、度は度合・心の中という意味で、心の中の気持ちの深さをあなたのしぐさで相手に伝えること」「理想的な笑顔は赤ちゃんの笑顔です」「第一印象の80%以上は見た目:身嗜みで決まります。その時間は3~5秒です」など、具体例をあげながらとても分かりやすくお教えくださいました。そのうえで、「接客スタッフにとって最も大切なスキルは聴く力、傾聴力です」と話され、その傾聴力を高めるためには「目と耳と心を活用して、注意深く、一生懸命に聞くこと、相手と誠実に向き合い、その心をしっかり受け止めること、自分の心に余裕を持つこと、そして先入観を持たないことが大切です」「心にいつも『?』マークを持ちましょう。好奇心を持ち、疑問に思ったことに対しては本質的なところから追求し、その疑問が解決された後はそれを新しい企画やサービスなど、形にしていきましょう」とアドバイスいただきました。

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過去、加来部長代理の講義を聴いた国際キャリア学科一期生(2018年卒)からはY.Kさん(福岡県立小倉西高等学校出身)がホテル日航福岡に、Y.Sさん(福岡大学附属若葉高等学校出身)がヒルトン福岡シーホークにそれぞれ就職し、二期生からはA.Kさん(福岡県立糸島高等学校出身)がリーガロイヤルホテル小倉に就職して、活躍しています。また、昨年度の講義を聴いた現4年生のA.Tさん(福岡県立福岡中央高等学校出身)は近鉄・都ホテルズから内定をいただき、来年4月から勤務します。現3年生にも同じくホテル業界、そして航空業界、旅行業界など他のサービス業を目指している学生も多く、人事・採用も担当されている加来部長代理からの懇切丁寧なアドバイスに真剣な表情で聞き入っていました。

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以下は聴講した学生の感想(代表)です。

M.Mさん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)

ホテル業界に限らず、人と接するすべての仕事で必要なことや社会人として必要なことを多く学ぶことができました。今までも接遇の基本については聞いたことがありましたが、今回、具体的に詳しく学ぶことができました。これから最も必要とされる「傾聴力」を高められるように心に余裕を持ち、先入観を持たずに人と接していこうと思います。

S.Yさん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)

ホテル業界で働くうえで大切なことだけでなく、今後の職業選択、人生設計にも役立つ多くのことを学ばせていただきました。自分自身の生き方を磨いていくことが大切という言葉が特に心に響きました。

H.Iさん(福岡県立香椎高等学校出身)

ホテルの仕事というと私たちが目にする接客部門だけを考えがちですが、営業部門やバック部門などいわば裏方の仕事もあり、それぞれの部門が様々な工夫をするとともに相互に密接に連携することでお客様が満足されるサービスにつながることを学びました。キャリアについてのお話では自分自身を磨き続けていくことの大切さを痛感し、身が引き締まりました。貴重なご講義をありがとうございました。

Y.Fさん(福岡県立久留米高等学校出身)

今回の講義を通して、ホテル業はお客様に笑顔を届けることができる素晴らしいお仕事だと改めて感じました。また、この講義での一番の学びは「心にいつも『?』マークを持つ」ということでした。常になぜこのような結果になったのかを考え、追及していくことで新たな価値観やスキルを身につけることができることを学びました。とても将来のためになる講義でした。

A.Sさん(福岡県立柏陵高等学校出身)

サービス業界を目指している私にとって将来に向けて活かせる貴重なアドバイスを多くいただけた講義でした。今後、コミュニケーション能力を高めるためにまずは相手の方のお話をよく聴き、理解するところから始めていきたいと思います。

A.Sさん(福岡県立小郡高等学校出身)

ホテル業界にとどまらず、どのサービス業にも通ずる心得や大切にすべきことを学ぶことができました。また、物事がうまくいかなかった時だけでなく、うまくいった時もなぜそうなったかを考え、追及していくことが自分自身のスキルの向上につながることがわかりました。これから何事にも好奇心を持って、取り組んでいきたいと思います。

A.Oさん(宮崎県立都城西高等学校出身)

加来先生からはホテル業についてだけでなく、社会に出てから役に立つこと、そして就職活動において大切なことをたくさん教えていただきました。今日、学んだことを活かして、楽しみながら就職活動に臨みたいと思います。

M.Hさん(神村学園高等部出身)

今回の講義では、接客やおもてなしのプロである加来先生からその心得を多く学ばせていただくことができました。意識しなければ身につかないことも多くありますが、将来に向けて活かすように常に意識していこうと思います。

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