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2012.11.19

現代文化学科

観光研究のための調査(奥豊後調査) <学生レポート>

ゼミの研究発表の調査で、大分県の豊後大野市を訪れました。豊後大野市は今年の春から新しい観光の取り組みとして開始された“九州オルレ”のコースに選定された地区です。オルレとは韓国・済州島の方言で「家に帰る細い道」という意味で、舗装路を極力避け、地域の息遣いを感じることができる道という韓国発祥のブランドです。その姉妹版として今年3月に“九州オルレ”が誕生し、現在奥豊後コースを含め4つのコースが選定されています。約15kmのコースを4,5時間かけてゆっくり歩くことでその土地の本当の姿を発見できる新しい観光スタイルです。

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私達ははじめに奥豊後コースのスタート地点である朝地駅で豊後大野市観光協会の長吉さん朝地町観光推進協議会の朝倉さんからお話を聞くことができ、オルレに対する取り組みや状況について説明していただきました。その後、実際にコースを2時間程歩き、オルレを体験してきました。今回の調査の中で、私がオルレに対して感じた良い点が主に3つあります。

1つ目は、『何もない所』が観光に生かせるということです。今までは何かをつくることで観光客を集めていたものが、その土地の“ありのまま”の姿でも観光地になるということです。実際、奥豊後は田舎で決して賑やかではなかったけれど、日本の原風景を感じさせてくれ、コースを通してその土地の文化や歴史、自然を十分学ぶことができました。日本はたくさんの森林があり、私たちが気づいていない何でもないような場所が、実はとても大切で人々に癒しを与えてくれる場所でもあります。オルレを通して、過疎化が進んでいる田舎でも取り組み次第で、観光に生かせるということを学ぶことができました。

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2つ目は、地域の人々が自分の地域の良さを知ることができることです。オルレのコースを地域住民が歩くことで、今まで気づかなかった場所や風景、良さを知ることができ、それが誇りやPR力につながっていくと感じました。また、オルレのコースは住民が普段使用する道でもあるため、街の人が実際に訪れた観光客を確認でき、それが活力へとつながっていくことも分かりました。こうしてオルレは観光客に対してだけではなく、地元住民に与える影響も大きく、地域交流や誇りを強めてくれることを学びました。

3つ目は、あいさつ・交流ができることです。私達がコースを歩いている途中、何名かの住民の人が話かけてくれたり、優しく道を教えてくれたりと、ほんの少しだけれど会話を交わすことができました。これは当たり前で何気ないことだけれど、現代の社会にとって交流の薄れは1つの問題になっています。ささいな交流でもその土地の地域性が分かり、また、人々の温かさも感じることができます。こうした現代の人々が忘れている当たり前なことを再確認できる点も魅力だと思いました。

今回の調査を通して、オルレに対してとても魅力を感じることができ、他の3つのコースもぜひ体験したいと思いました。今回学んだことを十分に生かして、これからの研究をよりよいものにしていきたいです。(3年 馬場さん)

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