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2018.12.18

心理学科

心理学科の3年生が『九州心理学会』で研究発表を行いました ~2~

 12月1・2日の両日、長崎大学で『九州心理学会第79回大会』が開かれました。心理学科では、分部ゼミの学生有志が、学部3年生ながら発表者として参加しました。
 研究は、ゼミの配属先が決まった1年前から少しずつ進めてきました。既存の研究を調べながら自分自身の興味・関心を仮説として具体化し、その仮説を検証する実験を自分で行い、結果を分析し、そして得られた結果から仮説の真偽を考察するという流れです。どの大学でも通常はそこで終わるものですが、せっかくの興味深い研究であるうえに、学生たちの成長にもなります。果敢にも学部3年生にして、他大学の先生方や大学院生が参加・発表される場に挑戦しました。
 学科Todayでは2回に渡り、参加した学生の感想をご紹介いたします。
 今回は、「自分の発汗状態に注意を向けることで自分が対象を好きなのか否かに気づけるようになるのか」というテーマについて検討したN.S.さんです。
(担当:分部)
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 私は約1年間、「人が自分の好悪感情に気づく過程を生理反応に着目して調べる」という研究に取り組んできました。
 誰しも『何となく好き』といった漠然とした感情を抱くものですが、世の中にはそのような自分の感情に気づきやすい人と気づきにくい人が存在します。
では、自身の感情に気づきにくい人を気づきやすくすることは可能なのでしょうか?従来の研究より、感情が喚起されると発汗の増加などの生理反応が生じること、その生理反応に気づきやすい人ほど自分の感情を正しく判断できることが分かっています。そこで私は、「自分の発汗状態に注意を向ける訓練(バイオフィードバック)を行えば、“鈍感な”人も自身の好悪感情に気づきやすくなるのではないか」という仮説を立て、検証しました。
 この研究を行う前までは、「自分が対象に対して漠然と抱く『好き』『嫌い』といった感情を科学的に研究することは難しい」と考えていました。しかし今回の研究を通じて、理屈では説明できない/検討できないと思い込んでいる課題であっても、これまで開発されてきた手法や得られてきた知見をうまく融合させれば課題解決を現実的なものにできることを強く学びました。同時に、膨大にある知識のどれが課題解決につながるのかを見極めるためには、何が課題なのかを他の人に説明できるまでに深く理解することが不可欠であることを学びました。
 今回「自分の研究を学会で発表する」という貴重な体験をさせて頂けたことに感謝し、今後も更なる高みを目指していきたいと思います。