企業の経営資源は、一般に「ヒト」(従業員を中心とする人材)、「モノ」(製品・サービス、設備・機械など)、「カネ」(資金)、「情報」の 四つからなるといわれてます。「Human Resource Management」(国際キャリア学科3年後期選択科目)では、このうち「ヒト」に関する管理活動(マネジメント)である人的資源管理の基本を学びます。
「ヒト」に関する企業の管理活動は以前は「労務管理」や「人事管理」と呼ばれていました。しかし、1980年代頃から米国を中心に「ヒト」=「人的資源」という考えが広がり、
「Human Resource Management」の講義では、日本経済新聞出版社の『人事管理入門<第二版>』(今野浩一郎著、2014年)を主な教科書として、人材の確保・育成と配置、報酬の決定などを通じてその有効活用を図る人的資源管理の仕組みを、採用、配置と異動、人事評価と昇進管理、給与と福利厚生、教育訓練、労働時間管理、労使関係など、順を追って学んでいきます。そのなかで、いわゆる「日本的経営」(Japanese management culture)に関する英語の文献も読み解きながら、欧米主要国と比較した日本企業の人的資源管理の特徴やそれを生んだ歴史的な背景、近年の企業経営を取り巻く社会的・経済的環境の変化などについても学んでいきます。就職活動を控えた3年生たちは毎回、真剣な表情で受講しています。
なお、国際キャリア学科ではこのほか1年次に「Introduction to World Business」、2年次に「経済学入門」「国際マーケティング」「国際金融」、3年次に「会社法」「日本産業論」「カレント・ビジネス」(国際ビジネスに関わる様々な業界で活躍されている方々による講義)「国際ビジネス・フィールドワーク」など、将来、世界とつながる仕事で活躍するために必要なことを学ぶカリキュラムを揃えているほか、語学でも「Business Reading」「Business Communication」などのビジネス英語や「中国語ビジネス会話」などの実践的な科目を設けています。また、国内、海外の企業の現場で国際ビジネスを体験するインターンシップも実施しており、2016年度以降の3年間でインターンシップや実務研修を経験した学科生はのべ565名に達しています。
以下では、「Human Resource Management」を受講している学生の感想のいくつかをご紹介します。
A.Mさん(筑紫女学園高等学校出身)
企業における社員の採用や給与、福利厚生の仕組みなど、私たちがこれから就職活動を行い、働いていくうえで知っておくべきことを多く学ぶことができました。講義ではパワーポイントで統計や写真などを示しながら解説くださるので、とてもわかりやすかったです。3年前期に受講した「Japanese Industry(日本産業論)」で学んだ戦後の日本経済の流れについても改めて深く理解することができました。K.Yさん(明治学園高等学校出身)
これから働いていくにあたって大切なことをたくさん学ぶことができました。就職活動をしていく前に自分でも復習し、父にも話を聴きながらより深く学んでいきたいと思います。A.Kさん(福岡県立伝習館高等学校出身)
耳慣れない専門用語もたくさんありましたが、会社に入った時に給与の仕組みや人事異動、労働時間など、「Human Resource Management」で学んだことを活かせるように、さらに深く学んでいきたいと思います。M.Tさん(福岡県立京都高等学校出身)
企業や企業経営について新たに学ぶことが多く、また就職活動に対する意識やモチベーションも高まる講義です。講義内容についてパワーポイントで整理して教えてくださるので、わかりやすく、とてもありがたかったです。S.Aさん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)
現在の日本の企業経営について学んだ上で、海外企業や過去の日本企業と比較することで、違いがわかりやすく、たいへん興味を持ちました。特に、人的資源管理へのアプローチの違いを通して日本の企業経営がどのような特徴を持っているのかがよく理解できました。S.Kさん(福岡県立北筑高等学校出身)
社会に出る前に知っておくべき企業の仕組みについて詳しく学ぶことでができました。今まで他の授業で少し学んだことやニュースなどで聞いたことも改めて深く学ぶことができ、たいへんためになるとともに、面白かったです。ところどころで教えてくださる経済や企業に関する豆知識が興味深く、息抜きにもなって、とても好きでした。Y.Tさん(福岡県立伝習館高等学校出身)
人的資源管理を中心に日本の企業経営について学ぶことができ、就職活動での企業選びはもちろんのこと、社会人になって社員の一人として働いていくうえでも知っておくべきことを多く学ぶことができました。講義のなかでお話しいただく就職活動に向けてのアドバイスもとても貴重で、今、何をすべきか、これからどう行動すべきかなど考えるきっかけになり、多くのことを吸収できたと思います。A.Tさん(福岡県立福岡中央高等学校出身)
「Human Resource Management」を履修したことで、アルバイト先で社員の方が話されていた人事異動や社員区分制度に関する疑問が理解に変わりました。難しかった箇所はアルバイト先の社員の方に置き換えて考えるなど、理解するために工夫して学習できたと思います。就職活動での企業選びや仕事をしていくうえでの判断にも手助けになる内容でした。C.Aさん(福岡市立福翔高等学校出身)
経営学系の学部でしか学べないと思っていたことを学べ、非常に有意義でした。企業の仕組みや日本企業と海外企業との人的資源管理に対するアプローチの違いなど、これから働いていくうえで必要となる多くの知識を得ることができました。K.Aさん(福岡県立嘉穂高等学校出身)
人的資源管理に関する知識が増え、企業を見ていくうえで視野が大きく広がりました。就職活動に関するお話からも多くのことを学ぶことができました。H.Nさん(大分県立大分舞鶴高等学校出身)
日本企業がどのように人的資源管理を行っているのかをその歴史的な背景や欧米主要国との比較などを踏まえて学ぶことができて、これから企業研究を進めていくうえでの基準ができました。聞きなれない経営学領域の専門用語も多かったですが、教科書やノートを復習し、今一度、内容を理解したうえで、自分なりの考えが持てるようにしていきたいと思います。K.Tさん(佐賀県立神崎高等学校出身)
就職活動だけでなく、今後の人生においても大切なこと、かつ知っておかなければいけないことを学ぶことができました。特に採用や給与の仕組みなど、知っていたつもりで知らなかったことが多く、たいへん勉強になりました。A.Mさん(聖和女子学院高等学校-長崎-出身)
労働関連の法規や制度、企業の人的資源管理の仕組みなど、これから社会に出ていくに当たり必要なことを基本から学べて、とても自分のためになったと思います。過去と現在の日本の労働環境や企業の人的資源管理を比較する授業が特に興味深かったです。K.Iさん(鹿児島県立大島高等学校出身)
社会人になるに際して知っておくべき企業の仕組みや最近の動向などを学ぶことができ、私にとってとても重要な講義でした。受講して学んだことを、実際にどう社会で活かしていけるかが大切だと感じました。日本企業と海外企業との人的資源管理の違いなど、特に興味深かったです。M.Mさん(沖縄県立普天間高等学校出身)
これから就職活動に臨み、卒業後、働いていくうえで必要になる多くの知識を得ることができました。特に、統計データなどをもとに日本と欧米主要国との労働環境の違いや人的資源管理に対するアプローチの違いなどを知ることができ、たいへん興味深かったです。将来に向けて、とても有意義な講義であったと思います。ICD *I Can Do*