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2019.01.08

メディア・コミュニケーション学科

授業紹介: まずは知ることが大切

2年次の選択必修科目であるコミュニケーション演習では、現代社会の諸問題をコミュニケーション学的観点から考えています。前回の授業では1968年に起こったカネミ油症事件のドキュメンタリー映画『食卓の肖像』を視聴しました。この問題について何となくは知っているつもりでしたが、今なお苦しんでいる方々の言葉を聞き、結局はほぼ知らなかったのだと気づかされました。

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 今回の授業では、カネミ油症事件の被害者である方をお招きし様々なお話を聞かせていただきました。なんと、実際に販売されていたカネミ油の一斗缶と、家庭で移し替えた小分けの一升瓶をお持ちくださっていました。いずれも当時のままのカネミ油が入っている物です。目の前にあるこの缶を見て、私たちはゾッとするような気持ちにもなりますが、当時の方たちは、まさかこれが平穏な暮らしを一変させるものだとは思いもよらなかったはずです。何でもスーパーで購入する現代とは異なり、お米はお米屋さん、野菜は八百屋さんで買うのが当たり前の時代でした。馴染のお店で良い油だよと薦められていたそうです。
 被害については、三苫さんから「センセーショナルな出来事がニュースとなって世間に伝わるが、そればかりでは無い。日常でまわりの人が普通にやっている事が、自分の場合は普通ではなかった」という事もお話がありました。当時の時代背景とともにご自身の身体の様子などをおり込みながら話してくださり、分かり易かった分、不条理さに胸がしめつけられる思いがしました。

 
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また、自分の身体だけではなく次世代へも影響を及ぼす問題であったこと、そして、「知るということの大切さを分かって欲しい」というメッセージが森田さんからはありました。
お二人に直接お話を聞くことができ、学生達の胸にも様々な思いがわいたことでしょう。決して他人事ではない問題で、今後も皆で考えていかねばならないと感じています。

三苫様、森田様、本当にありがとうございました。
(学科TODAY編集担当)