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2018.11.27

国際キャリア学科

(授業紹介)「International RelationsⅡ」:JICA(国際協力機構)青年海外協力隊、企画調整員など国際協力の経験豊富な小田哲也様による講義

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国際キャリア学科3、4年生を対象とする「International Relations I」(前期)「International Relations II 」(後期)(担当:千葉)では、遠いようで実は私たちの生活と深く繋がっている、さまざまな国際問題を学習しています。トピックの例として、人種差別と固定観念、先進国での食品の大量廃棄と開発途上国での飢餓、国際協力や途上国支援、大量虐殺(ジェノサイド)、環境破壊と生物多様性の激減、核問題、人権問題、ファッションと文化などが挙げられます。
 
本科目では、CLIL(Content and Language Integrated Learning、科目内容と言語学習を統合したアプローチ)を取り入れています。英語テキストや補足資料、英語音声教材、動画、ドキュメンタリー映画など、多様な教材を使用するほか、各トピックの専門家をゲスト講師として招くこともあります。また、学生全員が学期に1回、口頭発表を担当し、学期末には英語でターム・ペーパーを提出します。さらに、英語語彙力アップのため、トピックごとに単語調べが課され、単語テストがあります。
 
後期の第6回目にあたる10月30日の講義では、国際協力のご経験が豊富な小田哲也様を講師としてお迎えしました。小田様は、高校の社会科教員として勤務の後、30歳で「青年海外協力隊員」に応募し、南米コロンビアの少年院/少女院で3年間、活動され、その後もJICA(国際協力機構)の企画調整員やフォローアップ調整員として、ジャマイカ、ニカラグアなどラテンアメリカ諸国で約4年間、開発途上国支援の現場を経験されました。また、JICAの調整の下で外務省が編成する「国際緊急援助隊」にも登録されており、2010年のハイチ大地震の際には、医療調整員として現地で支援活動に従事されました。授業では、そのご経験を踏まえて、国際協力の意義、支援の現場で求められる姿勢、援助の喜びや問題点などを、わかりやすくご講義くださいました。学生たちは、親しみやすいお人柄の小田様のお話に引き込まれ、多くを学びとりました。

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以下は受講生の感想(抜粋)です。

K.Tさん(佐賀県立神埼高等学校出身)

私は今回の講義で、就職活動だけでなく今後の人生において大切なことを学びました。3年後期にあって、何に価値を置いて生きるかなど悩んでいる時だからこそ、自分が本当にやりたいことや、これまで学び、感じ、経験してきたことを再認識する機会となりました。開発途上国支援においては、同じ目線で現地の人々と付き合っていくことがとても大切だと実感しました。また、私にとって青年海外協力隊はゴールのような気がしていましたが、それは「ゴールではなく、その経験を生かして次に進んでいく」「新しい課題へと向かっていく」ことだと認識し、国際協力には無限の可能性があると感じました。

C.Aさん(福岡市立福翔高等学校出身)

今回の講義で「仕事としての国際協力」が見えたように思います。私たち日本人が当然のように養ってきた価値観や考え方は、他国では異なること、特に国際協力の場では通用しないことが多いと思います。また、名声や善意だけで行うボランティア活動には非難されるべき点があり、単に募金するだけや物を送るだけではない、持続可能な国際協力が今後、必要だと思いました。開発途上国が自立し、発展できるように手助けすることが、本当の国際協力であると考えました。

E.Sさん(福岡県立伝習館高等学校出身

お話しを聞いていてとてもワクワクしました。織田様は、青年海外協力隊で最初、軽い気持ちでコロンビアに行き、コロンビアの人を下に見ていた自分に気づき、恥ずかしくなり、どんどん気持ちに変化が現れたそうです。情報を得る方法はたくさんありますが、自分自身で現場に行って感じ取ることが最も大事であると思いました。現地の人々と日本人が直接、ふれ合うことが良好な国際関係につながること、同じ目線で相手を理解し、挨拶などコミュニケーションを大切にすることなど、小田様は青年海外協力隊での活動を通して改めて学ばれたそうです。「途上国の面白さ」という表現からも、青年海外協力隊での意義ある時間を過ごされた様子が想像できました。色々な人々と関わり合い、体感することで、今まで学んできたことを活かせるのだと思い、勇気づけられました。

T.Yさん(福岡県立香住ヶ丘高等学校出身

講義を通して、コロンビアの良さや食事などに興味が湧きました。小田様は30歳で教師を辞められたとお聞きし、人生のあらゆるところに転換点があり、他の分野にチャレンジできるということを知って、私も「自分自身の人生をより楽しもう!」と思えました。学んだことを社会で実践し、感じてみることの大切さを学び、講義の中で色々な素晴らしい言葉をいただいたので、不安もあるけれど考えすぎず、「まずはやってみよう!」という意識になりました。国際医療支援では、本格的な医療の知識がなくても支援の仕方はさまざまあり、自分にもできることがあることを知りました。言語の壁を超えて皆で協力してこそできることの尊さを知り、大いに感銘を受けました。

A.Iさん(長崎県立長崎北高等学校出身)

青年海外協力隊としての仕事を進路の一つに考えている私にとって、今回の講義はたいへん学びの多いものでした。先進国がいかに開発途上国支援を行っていくか、現地の人々とどう付き合っていくのかには、今後、解決すべき点があります。モノがあることが心を満たし、エネルギーになるのではなく、足りない環境にいるからこそ、与えられた子供たちは「楽しさ」と「喜び」を感じるし、前進したいと思えるのだと知りました。また、「持つ者」と「持たざる者」が互いに補い合える関係になることが、平和を願う人々にとって最善の関係だと学びました。必ずしも手を貸す側が「持つ者」になるわけではないこともわかりました。援助という名前のエゴがいつの間にか開発途上国の発展を止めてしまう状況もあり、物資の援助ではなく、彼らが自立するための手助けとしての援助を、私たちは考えていかなければなりません。私もまず足元のやるべきことからやり遂げて、自分の地盤を固め、「やりたい」という原動力をもって少しずつ進んで、小田様のような世界の人々の手助けができる存在になりたいです。

M.Kさん(福岡県立八幡高等学校出身)

小田様が話してくださった現地の困難な状況と、私が留学先で出会ったコロンビア人学生のあいだにはギャップがあり驚きました。また、改めて「人の優しさ」も感じました。もちろん治安や悪さや犯罪の多さもありますが、そうでない人もたくさんいるのだと気付きました。「自分たちのために頑張っている人のために、自分も何か頑張りたい」との思いは、言語が違っても皆、同じであると思います。そのために相手の文化を体験し、尊重することがとても重要であると思いました。ハイチ大地震の際、各国の援助隊が助け合っていたというお話も印象的で、共通の目的を持って皆が助け合うという、こんなにも素敵な繋がりが世界にはあるのだと気づかされました。

S.Aさん(福岡県立筑紫中央高等学校出身)

今回の講義を聴いて共感することが多くありました。第1に、海外に自分で足を運んで体験しないとわからないことが多くあるということです。私も在学中にオーストラリアやカンボジアに行き、たくさんのことを経験して自分の考えに変化があり、視野も広がりました。第2に、青年海外協力隊などさまざまな支援団体の目的は、日本の技術を途上国に伝えることだけでなく、日本とはどんな国なのかを他国に伝えることだということです。また、先進国のエゴによる支援や、上から目線に陥らず下から開発途上国の人々をサポートする形で、自立を助け、将来につながる方法が必要だと改めて思いました。第3に、現地の上辺だけしか見ないグループツアーでなく、スタディーツアーに参加して現地に入り込むべきだということです。現地に入り込むことにより、自分たちが学ばされる場面が実に多くなります。これからも新たな経験をたくさん積みたいという意欲が湧きました。

C.Iさん(長崎県立佐世保南高等学校出身)

この講義はとても興味深く、いろんな知識を吸収できただけではなく、どう考えるべきかなどのアウトプットの大切さも知ることができました。途上国は「不衛生」とか「汚い」などのマイナスイメージを持つ人が多いですが、実際には事前研修で習った体調管理などに留意し、自己責任で行動することで、考え方や見え方が変わり、楽しく過ごせること、ステレオタイプから解放され、知識を発展させることが重要であることを学びました。また、上から目線でなく、現地の方と同等な立場で行動し、話すことが、支援の一番の近道であると伺いました。同じ目線に立つことで、現地の方々が何を求めているかだけでなく、その考えを知り、それを踏まえて実行するという小田様の姿勢に感銘を受けました。小田様と現地の方々の交流のお話はとても心温まるものでした。この講義を通して、物事を見極め、吸収するだけではなく、実体験を積み、発展させることが重要だということを学びました。

E.Sさん(福岡市立福岡西陵高等学校出身)

青年海外協力隊について、初めて詳しく知りました。支援をするにあたって、先進国と開発途上国との間に上下関係があってはならないと思いました。また、支援を受ける側も、受け身ではなく自立していく力をつけるために積極的な姿勢でいることが大事だと考えました。お互いが学び合い、高め合うボランティア活動が世界中で広まればいいと思いました。

S.Bさん(弘道国際学園出身、ネバール出身)

海外で暮らすと現地の文化や習慣にだんだんと慣れて生活を楽しむことができ、現地の文化や人々を受け入れると、色々と情報が入ってくるそうです。それが良好な国際関係、国際協力にもつながります。2010年にハイチ大地震が起きた時は、さまざまな国の援助隊と協力しあって、ハイチの人々の命を守ることができたそうです。また、現地の子供たちの笑顔が勇気になったそうです。実際に開発途上国を訪れると、自分の人生が変わり、人々のために何かしたいという気持ちになり、現地の人々の人生を変えることもできると思います。協力とは、まず隣人から始めるべきで、人々の命を守ることで、自分の人生も意味あるものになると思います。小田様の講義で国際協力への関心が強まりました。

M.Nさん(福岡県立ありあけ新世高等学校出身)

日本を出て未知の世界に飛び込んだ小田様の勇気に感銘を受けました。私はアルバイトをしている店でコロンビアやニカラグアのコーヒー豆を販売していますが、今回の講義で、現地の人々は美味しいコーヒーは飲めず、良質のコーヒー豆は輸出がほとんどであることを知りました。私たちがコロンビアについて知らないのと同様に、コロンビアの人々もきっと日本についてあまり知らず、文化や習慣が違うと、恐怖心さえ生じると思います。私たちは相互理解をし、同じ目線に立って互いを肌で感じ合うことで、開発途上国の人々とともに発展できるのではないかと考えます。そのためにも、現地に入り込んでいくことが大切であると学ぶことができました。 

T.Kさん(くるめ国際交流学院出身、ネパール出身)

Mr. Oda said, “Humans can get used to new environments.”(「人間は慣れていきます。」)This line touched my heart. Actually I am now confused with my post-graduation planning. After listening to Mr.Oda, I found I am very interested in working with international NGOs. I am very thankful to Dr. Chiba for inviting an amazing personality, Mr.Oda.

N.Bさん(福岡県立糸島高等学校出身)

海外青年協力隊員の生活費、旅費、語学研修費などすべて日本の税金で賄われていると知り、日本が国際協力をしていることに感動しました。日本人が日本の文化・技術などを伝えることで、相手国との争いを減らすことができるかもしれないので、世界平和につながると思います。小田様の応募理由は「旅行が好き」という単純なものだったそうですが、「やってみないとわからない」というのは、本当だと思いました。

M.Yさん(福岡県立新宮高等学校出身

コミュニケーションの重要性のお話が大変、印象的でした。相手を「外国人」というより同じ人間として、相手の生活に入り込もうとする姿勢がいかに大切であるかがわかりました。また、緊急援助隊の活動では、初対面の隊員ともすぐにミーティングをして情報共有をする必要があり、コミュニケーションが必須だと言われました。これは他の分野にも通じることです。さらに、ハイチ大地震時に物資を運ぶ際、パキスタン軍が日本の援助隊を防護してくれたのは、日本の援助隊がパキスタン地震時に真っ先に駆けつけた過去があったことや、さまざまな国の援助隊が現地で互いに助け合って活動したことに感銘を受けました。私も今後、国内や世界の困っている人々の役に立ちたいです。「気持ちがあれば何でもできる」という小田様の言葉を胸に、今できること、身の回りのことから行動を起こしていきたいと思いました。

H.Kさん(福岡県立春日高等学校出身)

コロンビアといえば「コーヒー」のイメージしかなかったのですが、麻薬の問題も大きく、少年院の子供達の8割が窃盗、2割が麻薬関連での入所だという状況など、今まで知らなかった実情について、色々と教えていただきました。青年海外協力隊の活動を行う中で、先進国のエゴはダメだということや、Give and Takeの国際協力を行うためには、現地の習慣に慣れ、同じ目線で活動することが重要だということ、そうでないと相手も心を開いてくれないということを実感しました。お話の中で、少年院の子供たちに日本文化を教えておられる写真や、皆が楽しそうに笑顔で映っている写真などを見て、少年たちがいかに心を開いていたかが伝わりました。今回の講義を今後に生かしていきたいです。

M.Sさん(大分県立大分西高等学校出身

支援の際に上から目線だと、受ける側も不快感を持ち、関係がうまくいきません。同じ目線で被援助国の文化を理解し、現地に溶け込むことが大事だと知りました。私も、小田様のように自分に納得できる社会人になりたいです。

C.Tさん(山口県立長府高等学校出身)

私は在学中いろんな国に旅行しましたが、その中で「自分が楽しむ」ことだけに専念して、周りに目を向けていなかったことに気づきました。多くの人がさまざまな場所で助けを求めているのに、そのことに気づかず何気なく過ごしてきました。小田様の講義の中で特に心に残った言葉は、「日本人が忘れていることを途上国の人は持っている」ということです。技術が進んでいく中で先進国に住んでいる私たちは大切な何かを失っている気がします。ボランティアなどで積極的に取り組み、途上国に足を運び、日本の中の素晴らしさを再認識し、失ったものを補いつつ、日々の生活を大切にしていきたいと思います。

A.Mさん(筑紫女学園高等学校出身)

私が最も印象に残ったことは、「支援してあげている」という意識ではなく相手と対等な姿勢でいるべきこと、現地の人々の中に入り込んで実情を知ることです。それにより、国際協力において良好な関係を築けるのだと思いました。

N.Yさん(福岡県立光陵高等学校出身)

私は以前から青年海外協力隊への憧れがあったため、今回の講義はとても貴重でした。日本での教師職を辞めてコロンビアの少年院や少女院で活動されたこと、つまり、平凡な日常から離れて異国に旅立たれた行動力は素晴らしいと思いました。このような行動力は人生を歩む上でもとても大切だと思いました。何をすべきかを自分で考え、見つけ、行動することを日頃から心がけようと思います。また、何か自分の強みを持ちたいと考えました。

H.Hさん(福岡市立福岡西陵高等学校出身)

青年海外協力隊への応募は難しいと考えていましたが、自分の関心や技能とどこかの国の必要がマッチすれば採用されやすいと知り、将来、応募してみたいと思いました。援助する側とされる側が同じ目線で、共に歩み、現地の人々の自立を支援してくべきことや、現地の生活や文化を受け入れて生活することの重要性を実感しました。また、ハイチでの緊急援助時に、各テントで医療支援をする多数の国の隊員たちが、国境を越えて協力し合っている状況をお聴きし、素晴らしいと思いました。このような協力が全世界で行われていくべきです。相互理解に努め、交流し、優しさが広がる世界になることを願います。

H.Nさん(福岡県立春日高等学校出身)

小田様が、「自分の地盤を固め、技術を伝えに行く」と言われたのが心に残りました。コロンビアのお話の中で、「現地の人が『いい日本人がいたな』と少しでも覚えていて、草の根の友好関係が広がっていけばいい」という言葉も印象的でした。私も人生の中で開発途上国支援に関わりたいと思っているので、”Think easily and move lightly”(小田様の言葉)の精神で頑張っていきたいです。

M.Uさん(福岡市立福岡西陵高等学校出身)

コロンビアでは、貧困ゆえに売春をし、少女院で出産するケースや、窃盗や麻薬に関わって少年院に入っている人が多いと知り、私が留学中に親しくなったコロンビア人のイメージとのギャップに驚きました。ハイチ大地震の際、日本が以前、助けた国が逆に日本の医療チームを援護してくれたり、互いに協力したり、被災した子供たちが笑顔で声かけしてくれたお話には、とても感動しました。

M.Oさん(早鞆高等学校出身)

今まで漠然としか知らなかったラテンアメリカでのご経験をわかりやすくお話しくださいました。緊急医療援助の現場では、さまざまな国のチームが「助けたい」という一つの目標のもと、機器や人員を貸し合うなど皆で協力して支援しているお話に感動しました。また、支援においては、上から目線では決して良い結果につながらないことを実感し、自分も学ぶことが多くあって、ともに成長していくという姿勢が大切だと考えました。

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