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2018.11.12

心理学科

授業紹介『心理療法基礎実習』

 「心理療法基礎実習」の授業について紹介します。
 本実習では1年次からの臨床心理学の基礎的な学習を踏まえ、主な心理療法について実習を通して体験的に学びます。具体的には、傾聴技法、表現療法、リラクセイション療法、認知行動療法、集団心理療法など、様々な心理療法を体験することができます。今回は、集団心理療法の1つ「心理劇」をとりあげます。心理劇は、役割を演じることを通して、自己理解・他者理解を深め、よりよい人間関係を築くこと、心の葛藤を整理して問題解決を図る心理療法です。
写真は、心理劇を行っている様子です。
s_today181112.png
 
 実習体験は4回ですが、受講生の自己表現の変化を実感します。心理劇参加による自己表現の変化について調査したところ、学生の多くは人からの評価を実習前より気にしなくなり、皆の前で発言するように変化することがわかりました(2016年:西日本心理劇学会発表)。
 
「参加者のことを少しずつ知ることで気持ちも楽になって、自己表現も苦手だったけれど、皆と一緒という部分で、最後の方ではたくさん発言できるようになり、恥ずかしさもなくなった」などの感想が話されました。この成長場面に出会う度に、学生の持つ潜在的な力を実感します。4回の実習体験による変化は、学生が元々持っていた力が表に現れる変化だと考えられます。「こんな私がいることを知った」「意外に私にもこんな力があった」等、知らなかった自分・新しい自分との出会いを語る人が多いようです。
 
 本実習だけではなく心理学科の学びには、自分に気づき他者を理解する過程が含まれています。今まで気づかなかった新しい自分との出会いは、“私”の枠組みを豊かにし、他者とのより良い関係構築につながります。「人は何かのきっかけがあれば変わり得る」ことを学ぶ機会が多いのは心理学科の特徴です。学生の持っている力が芽を出し、育っていくためのきっかけ、土壌を提供する教育の機会を多く有しているともいえます。
(担当:重橋)