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2018.10.01

第15回東日本大震災支援実習を終えました

 2011年8月から続いている東日本大震災支援実習が2018年8月の活動をもって15回目に至りました。その間、延べ3000回以上のサート(主動型リラクセイション療法)セッションを行い、延べ約250人の院生と臨床心理士がこの支援に参加しました。

 臨床心理学的知と実践を震災支援に活かすことで、臨床心理士の社会的貢献の在り方とその可能性を発展させていきたい、それが長く続く支援につながるコツであるし、臨床心理士養成機関として臨床心理士のアイデンティティを涵養するに有効な学びの体験であるという理念から始めた支援です。

 一方、被災者としてではなく、不意に災害に遭遇したその地域に生きる方に出会い、こちらができるサポートを添えるという姿勢は、自ずと被災者支援から地域支援へというステージに広がり、仮設住宅を中心に始まった支援は、岩手県宮古市全域に広がり、約15か所の地域コミュニティーに密着するようになりました。 そのようにして育まれた地域住民の方々との信頼関係は心を込めて作ってくださった手作りの食事を共にするところに現れています。

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 あの巨大な津波にのみ込まれず、威風堂々と立ち続ける三王岩が宮古のみなさんの心を表し、励ましたように、この7年間宮古のみなさんとの触れ合いは、院生たちに生きることの尊さ、その営みの心にかかわることの感動を教え、力強く臨床心理士としての未来へ突き進む動機を強めてくれました。集団による短期集中支援実習はいったん終了しますが、これからも地域支援のネットワークの一つとして関係は続いていきます。

 2011年8月、専攻の院生と教員全員が心を合わせ、手を合わせ、臨床心理士として社会にどう応えていくか、応えられる人材をどのように育てるかというそのスピリッツと理念の具現として岩手県宮古市に向かったように、これからも本専攻ならではの臨床心理実践マインドを大事に社会に応答していく所存です。