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2018.08.22

大学院

臨床心理士の仕事:修了生から後輩へのメッセージその4

臨床心理士の仕事について、2017年度より「修了生から後輩へのメッセージ」としてお伝えしています。今回は、今年3月に本学大学院を修了したばかりのOさん(福岡教育大学出身)に、「現在の仕事」と「大学院での学び」について感想を寄せてもらいました。現場で必要とされる臨床心理士を養成してきた本学臨床心理学専攻での体験を活かし、活躍する様子が伝わります。Oさんありがとうございました。

現在の仕事

私は、市役所の子育て支援課で、家庭児童相談員という仕事をしています。主な業務は、18歳までの子どもがいる家庭の子どもに関する相談受付や、ひとり親家庭の支援等を、市役所での面接や家庭訪問を通して行っています。また、各市町村に置かれている「要保護児童地域対策協議会」のメンバーとして、虐待の防止や虐待の早期発見・支援を、児童相談所や学校等と連携しながら取り組んでいます。

虐待のみならず、不登校やひきこもりといった子どもにまつわる様々な問題を、関係機関と共に家庭へ介入しながら、子どものよりよい成長のために考えていくお手伝いをしています。このように、ケースワークが主になりますが、子育て支援課で行われる手当の手続き等の業務も行っています。

現在の職場に活かされる本学大学院での学び

大学院生活を思い返すと、「踏みとどまって考えてみる」機会をたくさんいただいたと感じています。実習やカンファレンスを通して、自分のことや関わっているケースのこと等を、じっくり考えることのできる場がありました。また、考えるヒントをくださる先生方や先輩方、同期の存在が常にありました。

私は教育大学で教師になるために勉強していました。教師は、善悪の価値観を明確に持ち、子どもたちを正しい答えに導かなければならなりません。しかし、女学院で臨床心理学を学んで、相手の置かれている状況や生きてきた背景によって、善悪の基準や価値観は変わること、善悪の判断がつかないことがたくさんあり、答えは1つではないことを学びました。そこで、いろいろな角度から物事を捉え、相手の立場に立ち「踏みとどまって考えてみる」ことがいかに重要かを知りました。

社会に出てからは、保健師や保育士、社会福祉士等、様々な職種の方と一緒に働いています。その中で、「臨床心理学を学んだからこそできることは何だろう?」と毎日のように考えます。今の私が大事にしたいと思っていることは、女学院で学んだ「踏みとどまって考えてみる」ことです。日々先輩方に学びながら、じっくり考えるための材料を増やしていきたいと思っています。
第14期:0さん(福岡教育大学出身)

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2月修士論文の発表会を終えて、院生室でホッと一息
~皆で頑張った修士論文。恵方巻きを食べながら「お疲れ様」の声かけあって~