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2018.08.13

大学院

臨床心理士の仕事:修了生から後輩へのメッセージその3

臨床心理士の仕事について、2017年度より「修了生から後輩へのメッセージ」としてお伝えしています。今回は、今年3月に本学大学院を修了したばかりのHさん(福岡女学院大学出身)に、「現在の仕事」と「大学院での学び」について感想を寄せてもらいました。現場で必要とされる臨床心理士を養成してきた本学臨床心理学専攻での体験を活かし、活躍する様子が伝わります。Hさんありがとうございました。

現在の仕事

4月より、児童養護施設に常勤の心理療法担当職員として勤務しています。児童養護施設とは、様々な事情により家庭で適切な養育を受けることが困難な2歳から概ね18歳までの子ども達が生活しているところです。私は多職種での連携を大切にしながら、子どもの最善を第一に考え、心理面接や心理検査、生活場面での支援(食事・宿題・遊びなど)を行うことが主な仕事です。また、ケース協議などの会議への参加、職員のメンタルヘルスケアなども、心理療法担当職員の仕事内容です。

現在の職場に活かされる本学大学院での学び

大学院において得た多くの学びの中で「クライエントの状態を様々な面から捉える大切さ」があります。この視点を持つための日々の訓練は、子どもが試し行動や問題行動をした際、私自身の言動も振り返りながら、最近の様子や他児との関係性などにも焦点を当て、子どもを多面的に理解することに繋がっています。その一方で、大学院で経験しなかった児童養護施設という臨床現場ならではの問題にもたくさん直面します。また、新任職員でありながら、心理職としての専門的な視点も求められるため、悩むことも少なくありません。しかし大学院で学んだことを活かして、他職員にも援助を求めつつ、自分なりに対応してみることを心掛けています。そのような場合は特に、大学院の講義や日常でも行っていた内省を通して、自分が持つ傾向に気づいたこと、様々な実習を通して、臨床心理士として大切にする点を学んだことが活かされています。

ただし、日々の忙しさによって大切なことを見失っていることも多々あります。そのような時、大事なことに気づかせてくれるのは、子ども達や他職種の先生方、大学院の同期です。こういった周りの人から学ぶ姿勢も、女学院で大事にされている「謙虚さ」や「感謝の心」と結びついているのかもしれません。

大学院の二年間は、それまでの人生を覆すほどの濃い時間だったように思います。正直なところ、入学前の私にとって女学院の“つながり”は心地良くないものでしたが、今ではいろいろな場面でその“つながり”に助けられており、私の支えとなっています。心理職としても、福祉に携わる者としてもまだまだであり、今後も様々な壁にぶつかることと思いますが、大学院で得たものを糧に乗り越えていきたいと思っています。
 
第14期:Hさん(福岡女学院大学出身)

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実習後、束の間の時間に恒例の誕生日サプライズ
~忙しいスケジュールの中、楽しい時間を作ることも忘れませんでした!~