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2018.04.04

心理学科

米川ゼミ(『卒業研究』)~興味・関心のある事象を探究する~

 心理学科には必修科目として『卒業研究』という授業があります。この授業は4年次のゼミであり、学生たちはそこで各々の卒業研究に励むことになります。3年次のゼミと同じく、4年次のゼミもまた教員の個性が強く反映された場所であり、心理学科の特長が端的に表れた授業と言えます。そこで『心理学科Today』では、心理学科の学生や教員たちが4年次のゼミでどのような活動を行っているのかを紹介していきます。
 第7回となる今回は、米川教授のゼミです。
 

 

 『卒業研究』では、3年次の『専門演習』を土台として、大学における4年間の専門学習の総まとめを行います。1年間を掛けて、人間の心理をテーマとした研究論文の作成を目指します。各自がテーマを決め、自分で考え、自分の力でやり遂げる体験を実践していきます。また、論文完成までの作業を通して、計画の立案・遂行能力を育成すると同時に、それまで修得した専門知識の体系化と社会性の育成を図っていきます。具体的には、テーマの設定と問題の発見、論文骨子の立案、計画(調査、実験、文献・論文講読など)の遂行、結果の整理(統計解析)、考察などを段階的に行って最終的に論文として全体をまとめます。
 学生を指導する上で特に意識していることは、それまでの常識にとらわれない自由な発想を大切にすること、学生と一緒に悩んだり迷ったりすること、安易に答えを与えないこと、他者の言うことにすぐに納得しないことなどです。これらの関わり方が、学生が自分で考えて道を切り開いていく姿勢を身に付ける上で大切であると考えています。同時に、実際に研究を進める中で修得されるものとしては、文献・資料の検索技術、仕事を進める手順の把握、対人交渉における常識や配慮点などのソーシャルスキル、時間管理の大切さ、自己の能力に対する把握など、卒業して社会に出た後で必要とされるスキルや能力が磨かれると考えています。
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 卒業論文を作成し終えたばかりの4年生に、2年間を振り返ってもらいました。
 
 私の場合、研究テーマもなかなか見つけられない状態でしたが、先生やゼミのメンバーと意見を交わす中で研究を進めることができ、とても助けられました。特に米川先生には、遅くまで指導して頂くこともしばしばありました。無事に研究を仕上げることができましたが、自分の研究を理解すればするほど「もっとこうしたかった!」という欲が出てきて、自分のテーマをきちんと理解し、納得いく卒論を作ることの大切さを学びました。私自身、必ずしも積極的に質問するタイプではないですが、研究を形にすることができ、就職先で活かせる内容にすることができました。(Iさん)
 
 私は、フィクション作品で描かれている解離性同一性障害を患っている登場人物が実際の症例や類型に基づいて表現されているかについて調べました。解離性同一性障害について書かれている書籍や論文を調べたり、解離性同一性障害を患っている人物が登場するフィクション作品を探したりすることは、とても大変でした。しかし、「解離性同一性障害」という自分が最も興味を持っているテーマについてじっくりと調べる事が出来たのは、テーマに制限のない米川ゼミだからこそ、だったと思います。苦労もしましたが、今まで知らなかった事を知ることができ、より「解離性同一性障害」に興味を持つ事が出来ました。(Yさん)
 
 私は、駅の『ユニバーサルデザイン』についての論文を執筆しました。米川ゼミでは特定の専門分野の制限がなく、心理学に関係する事柄であれば何でもテーマにできたため、自分の関心があるものについて研究できました。卒業論文では実地調査が必要になりましたが、参考になりそうな場所の提案だけでなく、ユニバーサルデザインが採用されている場所のツアーも実施していただきました。このツアーで自分が気付いていなかったところや、目を向けていなかったところにも心理学の考えが適用されていることがわかりました。卒業研究を通して心理学の汎用性の高さを実感しました。(Fさん)
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