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2018.03.14

国際英語学科

(授業紹介)Global English Fieldwork: 参加学生11名のベトナム縦断紀行(その3/5)

常夏の街、バリア・ブンタウ

読者の皆様は、ベトナムのバリア・ブンタウ省という地域の名前に聞き覚えがあるでしょうか。実は、日本人にはかなり馴染みの薄い省ではないかと思われます。総人口は100万人強、そのうち、現地滞在の日本人の数は20名程度です。日本人観光ツアーの中に組み込まれることも、ほぼ皆無です。ですが、太平洋に突き出した半島状のブンタウ市の海岸線からの眺望は圧巻で、その沖合で取れる魚介類は他地域の追随を許さない新鮮さと旨味を誇ります。気候は一年を通じて安定しており、日照時間もたっぷりある常夏の海洋都市です。また、ブンタウ沖では原油と天然ガスが採掘されており、原油の埋蔵量はベトナム全土の約90%を占めています。実はベトナムは「産油国」だったのですね。
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バリア・ブンタウの海と空

タンビン・フーミー社訪問

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バリア・ブンタウ省での最初の訪問先は、観光・不動産開発、工業団地開発を手がけるタンビン・フーミー株式会社です。応対してくださったのは、同社会長を勤めておられるNguyễn thị thảo nhi(グエン・ティ・タオ・ニー)さん、同常務取締役の風間賢雄様、経営部長補佐の新延晃代様、そして、バリア・ブンタウ省人民委員会内ジャパン・デスクの宮下朝行様でした。100%ベトナム資本のタンビン・フーミー社ですが、日本人が複数名関与しています。常務の風間様は、元々は日系大手総合商社にお勤めされており、数十年に渡るベトナムでの商社マンとしてのご実績と、社長として日系工業団地の経営を切り盛りされていた手腕を買われ、数年前にタンビン・フーミー社の役員に就任なされ現在に至っておられるとのことです。
タンビン・フーミー社は、現在、バリア・ブンタウ省内で、ベトナム中央政府から日系企業誘致のための特別工業団地に指定された「フーミー3」工業団地の造成と、入居企業誘致の為のプロモーション活動を精力的に行なっており、風間常務はその先頭に立って御活躍されています。工業団地は、総面積が999ha、生産地区に加えて、変電所、排水処理地区、居住区、教育施設、エンターテインメント地区(公園、ゴルフ場)、ショッピングエリアを備えた、複合的エリアとして整備される計画です。現在、すでに大手家具メーカーが工業団地内に工場を建設して操業中であり、これに続く日系大手企業の進出・入居が予定されています。
フーミー3工業団地整備事業を始めとするタンビン・フーミー社の事業活動について、経営部長補佐の新延晃代様からご説明をいただきました。
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新延様のご説明風景

プレゼンの後、事務所玄関前で記念撮影、そして、フーミー3工業団地内を視察いたしました。学生達には普段、馴染みの無い土木の世界でしたが、この機会に貴重な体験の時間を持つことができたことと思います。
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風間常務へ記念品(博多人形)を手渡し
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工業団地事務所玄関口での記念写真
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工業団地内の巨大な排水処理施設
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入居予定企業による安定地盤までの杭打ち現場。着々と工事が進む

工業団地の視察に続いて、タンビン・フーミー社によるアレンジで、フーミー3工業団地に隣接する「カイメップ港」を視察いたしました。安全上の理由から車内からのみの視察になりましたが、港湾管理者一名が私たちの乗る車に乗り込んでくださり、英語で丁寧な解説を加えてくださいました。
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車窓を通してみるカイメップ港の巨大なガントリー・クレーン(荷役施設)
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車中からみる荷役作業中の貨物船舶
 

バリア・ブンタウ省ジャパン・デスク訪問

フーミー3工業団地を後に、一行は次の訪問先である、バリア・ブンタウ省人民委員会内のジャパン・デスクへ向かいました。応対いただいたのは、フーミー3工業団地からご同行いただいていた宮下朝行様です。ジャパン・デスクは、日系企業がバリア・ブンタウ省に進出する際に、必要とされる様々な案内や情報提供、そして進出のためのアドバイスを提供しています。宮下様は大阪府内の市役所からの出向という形で、現在の職責を担われています。ちなみに、ジャパン・デスクのオフィスがあるバリア・ブンタウ省人民委員会合同庁舎は、著名な日本人建築家が設計を手がけておられます。
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バリア・ブンタウ省人民委員会庁舎の玄関前にて

宮下様からは、バリア・ブンタウ省ジャパン・デスクについて、その役割が①日系企業誘致促進、②日系企業のサポート、③日越友好の架け橋にあること、そして、具体的な活動内容としては日系企業向けの投資セミナーの開催、日系企業と省政府とのラウンドテーブル形式の意見交換会の開催、日本商工会議所視察団の受け入れなどについて、詳細なご説明をいただきました。
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ジャパン・デスク大会議室での会議風景

大変貴重な情報を得ることができたこの日は、朝から会議、プレゼン、視察と、イベントが立て続きに組まれました。ですが、学生達の興味・関心は尽きることがありません。ジャパン・デスクを後にして、一行は最後の訪問先であるバリア・ブンタウ大学に向かいます。そこでは私たちとの交流を何日も前から楽しみにしていたという、バリア・ブンタウ大学言語文化学部(英語と日本語を専攻)の学生、総勢50名からの熱烈な歓待を受けることとなります。その模様は、また次回の「国際英語学科Today」でご紹介いたしましょう。