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2018.03.10

国際英語学科

(授業紹介)Global English Fieldwork: 参加学生11名のベトナム縦断紀行 (その1/5)

国際キャリア学部では、主に3年生を対象とした科目:Global English Fieldworkの中で、実用英会話と異文化交流の場を通して、海外の人と文化との交流、そして英語コミュニケーションを実践する機会を提供しています。この科目は、”Seeing is believing.(百聞は一見に如かず)”をモットーとしています。今回のFieldworkでは、対象国として成長著しいベトナムを選定し、9日間の行程の中で北部のハノイ市と、南部のバリア・ブンタウ省を訪れました。
参加した学生11名は、全てベトナムは初訪問。当初、参加学生はもちろん、引率した教員も不安でいっぱいでした。しかし、それが全くの杞憂であることが、訪問後、程なく判明いたしました。本ブログでは、初訪問にも関わらず立派にFieldworkのミッションを遂行し終えた学生諸氏が、ベトナムの北から南までの縦断紀行で得た諸成果を5回に渡ってご紹介いたします。

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最終日のホーチミン市にて。Fieldworkを遂行し終えて、歓喜のジャンプ

訪問対象国・都市

2-City.jpgベトナムは東南アジアのインドシナ半島東部に位置する社会主義共和制国家で、首都はハノイ。ASEAN加盟国で、総人口約9,270万人(2016年末現在)。国土は南北に細長く、ハノイ市〜ホーチミン市間の距離は約1,860km。これは、青森〜鹿児島間の距離に相当します。今回は北部に位置する首都のハノイ市(人口約760万人(2015年))、及び南部の常夏の都市(訪問時の日中最高気温は34℃)である、バリア・ブンタウ省(人口約107万人(2015年))の2箇所を訪れるべく、ベトナム全国を縦断する行程を取りました。
 

行程

今回のFieldworkの全体行程は、ハノイ4泊とバリア・ブンタウ3泊、そして、帰りの飛行機での機中一泊の、計8泊8日でした。その中で、ハノイでは政府系研究機関(中央経済管理研究所)、日本政府系機関(国際協力機構(JICA))、日越大学の三箇所を訪問。バリア・ブンタウではベトナムの開発企業(タンビン・フーミー株式会社)、日系企業の投資誘致窓口機関(バリア・ブンタウ省人民委員会内ジャパン・デスク)、そしてバリア・ブンタウ大学を訪れました。Fieldwork期間中は、盛り沢山のタスクをこなすために、健康とテンションアップの維持を目的として、早朝6時よりランニングエクササイズを行いました。学生は、朝5時30分に目覚め、まだ薄暗いうちからハノイでは市内の開園前動物園内で2kmのランニング、バリア・ブンタウでは海辺に沿った道路上概ね4kmのランニングを毎朝実行しました。

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引率の教員の後について、夜明けのランニングエクササイズ(バリア・ブンタウの海辺の道路にて)

中央経済管理研究所訪問

ハノイでの最初の訪問先は、中央経済管理研究所です。英語表記では、Central Institute for Economic and Management (CIEM)、ベトナム語ではViện Nghiên cứu quản lý kinh tế Trung ươngになります。ベトナム中央省庁の一つである計画投資省の直下に位置する経済・産業政策立案と研究・調査機関です。我が国に類似の機関で言えば、かつての経済企画庁に相当する政府機関と言えるでしょう。

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CIEM正門前にて。上段の横断幕に書かれた”Chúc mừng năm mới”は、旧正月(春節)明けのベトナムでの新年挨拶文句。”Happy New Year”に相当します

CIEM側からは、ナンバー2に相当する副所長のNguyễn Thị Tuệ Anh(グエン・ティ・トゥエ・アイン)博士、そして、公共政策局副局長のNgô Minh Tuấn(ゴー・ミン・トゥアン)氏のご両名が応対してくださいました。
4-CIEM-1-1.pngトゥエ・アイン博士からのウェルカム・スピーチの後、学生達は一人ずつ自己紹介をしましたが、これはベトナム語でチャレンジしました。何度も練習を重ねたこともあり、学生達は額に汗を浮かべながらも、ベトナム語スピーチに果敢に挑んでいました。

CIEM側からは、組織概要、研究活動、政策立案機関としてのベトナムでの位置付けなどについて、詳細なご紹介をいただきました。



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CIEMから提示されたプレゼンテーション冒頭のページ
 
本学の学生側からは、福岡女学院大学の紹介についてのプレゼンテーションを行いました。今まで何度も練習を重ねて来た、その成果を提示する貴重な機会です。複数の学生によって、本学の全般的紹介、国際交流活動の概要、そしてキャンパスライフについての紹介プレゼンテーションを行いました。使用言語はもちろん、全て英語です。
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本学学生によるプレゼンテーションの資料
 

質疑応答のセッションでは、およそ1時間近くに渡って、学生側からCIEMに対して、ベトナムの経済・産業政策の問題点と現状、ベトナムの自動車産業の将来展望、少子高齢化社会の動向、ICT産業の現状、日欧米の研究機関との共同研究の実情、日本国ODAに対する評価など、様々な角度からの質問が投げかけられました。質疑応答も、全て英語です。CIEM側からも丁寧なご回答を戴けた上に、終始和やかな友好的ムードの中、非常に中身の濃い有意義な時間を過ごすことができました。本Fieldworkの最初のミッションを無事遂行できたことで、学生達もホッと安堵したのと同時に、英語でのコミュニケーションスキルの自信を深めることができたことと思います。

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CIEMのナンバー2であるトゥエ・アイン博士(中央)、そしてトゥアン副局長(向かって右手)とともに

 

国際協力機構(JICA)ベトナム事務所訪問

二番目に訪れたのが、国際協力機構(JICA)ベトナム事務所。ご対応いただいたのは、同事務所次長の小林龍太郎様と、ジャパンデスクコーディネーターの中村真由美様です。我が国は、ベトナムODA総額の約30%に貢献する世界最大の援助供与国で、過去5年間では毎年、1,000億円から2,000億円近くのODAを供与してきました。我が国の援助分野の強みは、運輸部門、電力・ガス等のエネルギー部門などでのインフラ整備支援分野です。小林次長からは、我が国の対ベトナム援助の柱として、①成長と競争力強化、②脆弱性への対応(保健医療・環境保全)、③ガバナンス強化 についてのお話をいただきました。全体の時間は1時間であり、そのうちの後半30分間は質疑応答セッションでした。学生側からは、我が国の対ベトナムODAのうちの無償資金協力の現状、ODA事業遂行に際してのご苦労、ベトナムが抱えている膨大な政府債務の現状、他国ドナーとの競合状況、PPP事業の現状と動向、世界銀行・ADB・その他NGOとの連携の現状など、様々な角度からの質問が投げかけられました。事前の予習が効を奏したようで、質疑応答の時間をやや超過してしまうほどに活発な討議が行われました。

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JICAベトナム事務所の小林次長とともに

やや長丁場のFieldworkも、まずは順調な滑り出しを見せたようです。次回の「国際英語学科 Today」では引き続き、Fieldwork三番目の訪問先である、日越大学への訪問内容について、ご紹介いたします。