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2018.02.26

心理学科

藤村ゼミ(『卒業研究』)~卒業研究の流れと社会と組織の心理学~

 心理学科には必修科目として『卒業研究』という授業があります。この授業は4年次のゼミであり、学生たちはそこで各々の卒業研究に励むことになります。3年次のゼミと同じく、4年次のゼミもまた教員の個性が強く反映された場所であり、心理学科の特長が端的に表れた授業と言えます。そこで『心理学科Today』では、心理学科の学生や教員たちが4年次のゼミでどのような活動を行っているのかを紹介していきます。
 第2回となる今回は、藤村准教授のゼミです。
 

 

 藤村ゼミでは、3年次のグループ研究を1月頃に終えて、その後本格的に卒業研究に取り組みます。卒業研究のテーマは、「社会心理学」「産業・組織心理学」「消費者心理学」などを範囲として、学生が興味を持ったテーマを選択します。日常生活における自己と他者の相互作用、集団やチームのマネジメント、身近な消費者心理や消費者行動などのテーマを選ぶ学生が近年は多いようです。
 
 以下に、過去数年間の研究テーマをご紹介します。
 ・先延ばし行動に及ぼす完全主義傾向と楽観性の影響
 ・対人ストレス過程において多面的な楽観性が認知的評価およびコーピングに
   及ぼす影響
 ・友人からのほめ言葉の受け取り方
 ・恋人関係期待と満足度、それに伴う類似性について
 ・大学生のおひとり様行動について
 ・認知的判断傾向と購買行動との関連
 ・ファッション衣料におけるネット通販と店舗販売の比較
 ・スマホアプリの利用における依存性とコントロール感の関連
 ・インターネット使用によるソーシャルサポート
 ・リーダーシップ行動とその規定要因
 ・チームの目標設定とパフォーマンスとの関連
 
 学生は、3年生の頃から何をテーマとして卒業研究に取り組むかを考えます。そのスケジュールは、以下のようになります。
 
 4年次の前期までに(仮説設定と研究デザイン)
 先行研究を読むことでテーマについて知り、自分なりの考えや問題意識を見つけて仮説を設定します。また、その仮説を検証するために、どのような方法がよいのか、研究計画を立て、実験や質問紙の準備をします。
 夏から秋にかけて(データの収集と分析)
 計画に沿って実際に調査や実験を行います。収集した質的・量的なデータをこれまでに学んだ知識を用いて分析します。これまでに学んだ心理統計の授業が多いに役立つようで、学生は授業の配布資料を見ながら分析を進めています。
 秋から冬にかけて(論文の執筆と推敲)
 データ分析を終えたら、その事実に基づき、自分の仮説を検証し、研究のテーマについて総合的な考察を行い、論文を執筆します。
 冬頃に(卒論の発表)
 一年以上をかけて取り組んできた卒論を発表する機会として、学科の卒業研究発表会があります。また、希望すれば、学会での報告や紀要への論文投稿を行えるようにしています。
 
 以上の流れを経て、無事に卒論が完成します。
 藤村ゼミでは、ゼミや卒論を指導するとき、大学でのゼミや卒論の思い出は、おそらく一生の思い出になるだろうということを学生に伝えます。できれば、悔いのない良い思い出となるように。もし悔いの残ることがあったとしても、そこから何かを学ぶように。大学を卒業していく学生の皆さんにとって、ゼミ活動が思考力や実践力を鍛える良い場所になっていればと、切に思います。
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