富永幹人 准教授
私は大学に勤め始める以前には、精神科の病院で臨床心理士として働いていました。患者さんへの心理検査や心理療法に取り組み、多職種と協働して治療に臨む「チーム医療」を経験する中で身につけてきたことは、自分にとって大きな財産です。
また、私がこれまでの臨床経験の中で拠りどころにしてきたもののひとつは精神分析です。私たちは、クライエントさんに対して、表向きの部分だけではわからない、その人の心の核心と出会おうと努めますが、それは容易なことではありません。精神分析はセラピストとクライエントとの間で起こってくる現象についての知恵の蓄積ですが、そこから学ぶところは大変多いと感じています。
そして、もうひとつの支えとなってきたものは、大学院時代の恩師や先輩、仲間の存在です。こうした人たちとの出会いがなければ、ここまでやってはこれなかっただろうと思っています。
この大学院時代に、皆さんが人の心との出会いについて学ぶとともに、自分にとってもよき出会いが得られることを願っています。