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2017.10.23

国際キャリア学科

(授業紹介)「Current Business」:ハル・トラベルの古賀社長とリーガロイヤルホテル小倉の加来マネージャーによる講義

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3年生を対象とする「Current Business」(担当:山口)は、世界とつながるビジネスの第一線で活躍されてきた様々な業種の方を招き、実務の視点から日本の産業や企業経営、国際展開などについてご講義いただくオムニバス形式の授業です。
 
第二回と第三回の講義は就職先として学生たちの関心の高く、国際キャリア学科4年生も多く内定をいただいている旅行業界とホテル業界で活躍されている講師による講義を開催しました。
 
旅行業界からは、長年にわたり日本通運の海外旅行部門で活躍され、現在は旅行会社ハル・トラベルを経営されている古賀勇代表取締役をお招きし、講義をいただきました。

IMG_3891.JPG古賀社長からは、初めに①大手旅行会社(JTB、H.I.S.、日本旅行など)、②高所得層向けや特定地域など得意分野に特化した旅行会社(クラブツーリズム、ワールド航空サービスなど)、③鉄道・運輸系旅行会社(西鉄旅行など)、④インハウスエージェント(企業内代理店:トヨタツーリスト、内外航空サービスなど)、⑤航空会社系代理店(JALパック、ANAセールスなど)、⑥ランドオペレーター(海外地上手配業者:ミキツーリスト、ガリバーアソシエイトなど)、⑦ホテルレップ(海外ホテルの手配を主な業務とする)、⑧インターネット系代理店など、分類ごとに旅行会社の業務と昨今の動きについて詳しく解説いただいたのち、①企画(ツアー・プランニング)、②仕入(ツアー・オペレーター)、③カウンターセールス、④アウトセールス、⑤添乗など旅行会社における具体的な仕事とそれぞれに求められる資質について、ご自身の長年にわたる実務経験に基づき豊富な実例をご紹介いただきながら、ご説明いただきました。

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続いて、テロなど外的不安要因によって大きく影響を受け、インターネットの普及による新しい形態の代理店の出現で再編が進む一方で、訪日外国人の増加などの追い風も吹いている旅行業界の現状について、破綻した株式会社てるみくらぶの問題とその影響などカレントな話題を織り交ぜながら紹介いただき、旅行業を含めたサービス業に求められる人材は、①人の世話をすることが好きな人、②人の話を聴いて何を求めているか引き出せる人(提案ができる人)、③好奇心が旺盛な人、④トラブルや突発的な事案にも臨機応変に、明るく前向きに対応できる人であり、「いろいろな人との出会いがあることが旅行業の醍醐味である」と述べられました。
 
IMG_3885.JPG講義の最後には「旅行業に限らず世の中が大きく変わろうとしています。その変化に柔軟に対応する一方で、何が好きかという自分の軸をぶれずに生きていくことが大切です」とされたうえで、旅行業を目指している学生が多いことを踏まえ、「旅行業に就きたい人も旅行以外の自分の得意分野を持ってください。それが、旅行業においても新しいアイデアを生みます。『好きこそものの上手なれ』、私はこの言葉を大切にしています」とアドバイスいただきました。

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ホテル業界からはリーガロイヤルホテル小倉で総務人事を担当されている加来弘樹マネージャーをお招きし、ホテル業界の仕事と求められる人材についてお話しいただきました。
 
IMG_3959.JPGはじめに円安、観光ビザの緩和、LCC(格安航空会社)の就航増加などの要因が重なって、訪日外国人数が2011年の約600万人から2016年には2400万人を超えるなど、追い風が吹いている日本の観光業界を取り巻く状況について概観いただいたのに続き、ヨーロッパでの十字軍などのための宿泊施設が起源となった近代的なホテルの歴史から説き起こしていただき、大阪の政財界の要望を受けて開業した新大阪ホテルを前身とするリーガロイヤル・グループとリーガロイヤルホテル小倉の歩みについてご紹介いただきました。

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続いて、①宿泊(フロント、フロア・サービス、予約、客室)と②宴会(宴会サービス、ブライダル、予約、宴会調理)、③食堂(サービス、ソムリエ、コック)で構成されるホテルの業務、①接客部門、②バック部門(業務を管理したり、裏方として料理を作ったり、客室を掃除したりする部門)、③営業部門で構成されるホテルの組織、さらにはそれぞれの部署に求められるサービスのポイントと心得、各部門がお互いを理解し、協力し合うチームワークの重要性などについて、リーガロイヤルホテル小倉における具体的なエピソードを交えながらわかりやすく解説いただきました。
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ホテル業界で働く人に求められる資質についていては「チームワークとホスピタリティです」とされたうえで、特にホスピタリティ(おもてなし)については、ある披露宴の会場で乾杯の時、スタッフが新郎の姉の遺影の前にそっとシャンパングラスを置いて家族の方々に感謝されたエピソードなどを紹介されながら、「『情けは人の為ならず』といいます。お客様への心配りはホテルへの高評価にもつながります。お客様の心のなかを見抜いて求められているサービスを提供することが大切です」とお話しいただきました。
 
IMG_3936.JPG講義の最後には接遇の基本として、①身嗜み、②表情(笑顔)、③言葉遣い、④挨拶、⑤態度の5つのポイントをあげられ、それぞれについて「身嗜みのポイントは控えめ、上品、清潔」、「挨拶は自分の心を開いて相手に迫るという意味です。あ=あかるく、い=いつでも笑顔で、さ=先に、つ=次の言葉を」、「態度は態は目に見える、度は度合・心の中という意味で、心の中の気持ちの深さをあなたのしぐさで相手に伝えること」など、とても分かりやすくお教えくださいました。

卒業生が多く活躍し、現4年生の多くが内定をいただいている航空業界やホテル業界、旅行業界などのサービス業を目指している学生も多く、両講義ともメモを取りながら真剣な表情で聞き入っていました。以下は聴講した学生の感想(代表)です。
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Y.Iさん(福岡県立三池高等学校出身)

古賀先生の講義で旅行業を目指す際に知っておかなければいけないこと、取った方がいい資格などが明確に見えてきました。旅行業は以前から関心があった業界だったので、貴重なお話を聴くことができ、本当によかったです。質問にも丁寧にお答えいただき、これからの励みになりました。

Y.Iさん(福岡県立糸島高等学校出身)

この夏に香港の旅行会社のEGLツアーズ様でインターンシップを経験させていただき、旅行業界に対する関心が深まりましたが、今回の講義でさらに強い関心を持つようになりました。これからの就職活動に繋がるように業界研究を進め、さらに理解を深めていきたいと思います。

M.Iさん(福岡市立福翔高等学校出身)

「旅行業とは何か」から、日本の旅行業者の現状と将来まで学ぶことができ、とても充実した時間となりました。古賀先生のお話には、自分の将来につながる様々なヒントがたくさんあったので、改めて自分のしたいことは何なのか、現実的にどのようにしていけば夢をかなえることができるのかについて、しっかりと考えてみようと思います。

H.Mさん(福岡県立鞍手高等学校出身)

旅行業界は世界の情報や加速しているインターネットの普及によって大きく左右されています。言い換えると、旅行客の増減に焦点を当ててみると、その時に何が起こっているのかが見えてくるともいえます。時代の変化に柔軟に対応していくことで、旅行業界は官民での取り組みが活発になっている地方創生との連携強化が見込めるのではないかと思いました。

A.Eさん(熊本学園大学付属高等学校出身)

古賀先生はとてもお話が上手な方だと思いました。一を聞くと十が返ってくるような方で、旅行業界について隅々まで詳しく説明して下さいました。そのため、旅行会社の仕事内容についてよく知ることができたうえに、てるみくらぶの破たんの理由まで知ることができました。こんな人が上司だったら仕事がやりやすいだろうなと思える素敵な方でした。

M.Eさん(純心女子高等学校出身)

旅行業とその魅力について深く学ぶことができました。特に、最後のまとめでは世の中の変化に対して柔軟に対応するとともに、自分の軸を持つこと、得意分野を最大限に活かすことが重要なポイントだということを学びました。特に、「人間の幅を広げていく」という言葉が印象に残りました。将来のことについて考え、悩んでいる今だからこそ響く、ありがたい言葉をたくさんいただきました。今後の就職活動に活かしていきたいと思います。
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M.Sさん(宮崎県立延岡星雲高等学校出身)

私は現在、ホテルのレストランでアルバイトをしており、大人数での立食パ-ティーや宴会など様々なシチュエーションを経験してきました。そのなかで、お客様の気持ちを汲み取ることの大切さ、難しさを身に染みて感じています。加来先生の講義を聴いて、接客するうえでお客様の表情や動作からお求めになっていることを読み取ることが大切だということが改めてよくわかりました。また、加来先生がこれまでのお仕事で感じられたよかったこと、大変だったことなども伺うことができ、とても勉強になりました。

M.Iさん(福岡市立福岡西陵高等学校出身)

日本のホテルの分類からホテル業務の具体的な内容、接遇の基本まで幅広いことを教えていただきましたが、初めて知ることばかりで、とても興味深かったです。特にコミュニケーション能力に関するお話が印象に残りました。コミュニケーション能力は話す力、聞く力、考える力、提案する力に分けられ、ホテル業界では言葉だけではなく、お客様の表情や仕草、さりげない動作から求められていることを読み取り、理解する「聴く力」が求められているとのことでした。これから常に心にとめておきたいと思います。

Y.Cさん(山口県立下関南高等学校出身)

加来先生は接客スタッフにとって最も大切なスキルは「聴く力」で、それを高めるには自分の心に余裕をもって、先入観を持たず、常に次の言葉を考えながら対応することが必要だとおっしゃっていました。このことはどんな仕事をするうえでも大切なことだと思いました。

K.Nさん(日向学院高等学校出身)

「情けは人の為ならず」、この言葉が示すようにお客様への親切な心配りは必ずホテルの評価につながると加来先生はおっしゃっていました。私は宮崎県出身ですが、リーガロイヤルホテル小倉がとても評判のいい、素敵なホテルであるということは聞いていました。これはホテルで働かれている方が皆さん、お客様に常に親切に接しておられるからだと思います。普段の生活においてもこの言葉を心に留めておこうと思いました。

M.Hさん(明光学園高等学校出身)

講義の最後には接客業にとって最も重要なコミュニケーションスキルは「傾聴力」であると教わりました。この傾聴力を高めるには、自分の心に余裕を持つこと、先入観を持って接しないこと、次に何を言うべきか常に考えながら聞くことが大切であると学びました。今後、意識して身につけていきたいと思います。貴重なご講義をいただき、ありがとうございました。

C.Nさん(福岡県立玄界高等学校出身)

私はホテル業界にも関心があり、就職活動の視野に入れています。そのため、今回の加来先生の講義は将来に向けての重要な一歩となりました。お教えいただいた接客の五つのポイントを極め、これからの就職活動に備えていきたいと思います。

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