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2017.10.24

国際キャリア学科

(インターンシップ)海外でのインターンシップに参加した学生の報告です④(イタリアのワイナリーCasale Marchese)☆Tirocinio Formativo in Italia☆

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国際キャリア学科では、3年生を対象に国際ビジネスの現場を体験するインターンシップやフィールドワークを国内外で実施しています。このうちインターンシップは九州インターンシップ推進協議会を通じた大学全体でのプログラムのほか、学科独自の科目として「Business Internship」(国際ビジネス・インターンシップ)を前期及びに後期に開講しています。

このうち51名の学生が受講した前期開講のBusiness InternshipⅠは、海外ではソウルのアシアナ航空本社研修施設での客室乗務員研修のほか、エイチ・アイ・エス株式会社カナダ支店や香港の旅行会社EGLツアーズ、イタリアのワイナリー、カンボジアの国際協力機関Khmer Foundation、タイのAsian Disaster Prevention Center(アジア大規模災害防止機構)で実施し、国内では金融、旅行、ホテル、貿易商社、外資系ビジネス・コンサルティング会社、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)、福岡市の観光誘致機関である福岡観光コンベンションビューローなどで実施しました。http://www.fukujo.ac.jp/university/kokusai_c/archives/512

海外でのインターンシップのうち、イタリアでは日本とイタリアをはじめとする欧州諸国とのビジネス交流を促進しているディサント株式会社とローマにあるワイナリーのCasale Marchese(カッサーレ・マルケーゼ)社の協力を得て実施しました。参加したのは1年生の時からイタリア語を学んでいるN.Kさん(福岡県立城南高等学校出身)で、イタリアのビジネスや文化に関する事前学習(*)を経て、インターンシップに臨みました。http://www.fukujo.ac.jp/university/kokusai_c/archives/480

Casale Marcheseは18世紀創業の由緒あるワイナリーです。N.Kさんは、同社経営者ファミリーのアレッサンドロ・カルレッティ様や5ヶ国語を操るクラウディア様などのご指導のもと、日本向けのHPに掲載するため、同社の歴史やワインについての説明を日本語に翻訳する業務を中心に体験しました。以下ではN.Kさんからの報告をご紹介します。

N.Kさん(福岡県立城南高等学校出身)-Casale Marchese(イタリア・ローマ)でのインターンシップ報告

福岡女学院大学国際キャリア学科に入学して2年半が経ちますが、私はそもそもこの学科のブログを見て入学を決めました。

私はイタリアのユヴェントスというサッカー・チームが大好きでイタリア語の勉強を始めましたが、九州では本格的にイタリア語を学べる大学はありません。そんな時、国際キャリア学科のブログを見ていると「イタリアから外部講師をお招きして講義を行いました」という記事を見つけ、ここなら何かできるかもしれないと思い、入学しました。

入学以来、イタリア語に触れられる機会を見つけるとすぐに参加しました。福岡では毎年、西日本国際ビジネスフォーラムという国際会議が開催されています。ヨーロッパと九州、主にイタリアと福岡をビジネス面においてつなげていく目的で開催されている会議で、セミナーや商談、ビジネス・マッチングなどが行われており、2014年から毎年、国際キャリア学科の学生が運営スタッフを務めています(*)。私は毎年、この会議にスタッフとして参加させていただき、商談のお手伝いや司会など、普段では絶対に得られない経験をしました。そして同時に、ビジネスにおける英語やイタリア語にも触れることができ、近い将来「外国語を使って働く」という夢もはっきりとしてきました。http://www.fukujo.ac.jp/university/kokusai_c/archives/401

そして、今年9月には国際キャリア学科の国際ビジネス・インターンシップで、ローマの郊外にあるCasale Marchese(カザーレ・マルケーゼ)という歴史の古いワイナリーでインターンシップを経験しました。
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カザーレ・マルケーゼの経営者のフェルディナンド・カルレッティさん(左)、アレッサンドロ・カルレッティさん(右)と

初日にワイナリーを見学しながら説明を受け、日本に輸出する際に必要な資料や日本人観光客向けの文章を翻訳するお仕事をいただきました。最初の説明は聞き取ることに必死でなんとなく理解したつもりでしたが、専門用語が引っかかってパンク寸前でした。しかし、与えられた文章をしっかり読み込んで日本人に理解してもらえる日本語にする作業をしていくと、最初に受けた説明がどんどん頭の中で整理されていっていることに気づきました。「あぁ、この経営者ファミリーはとても古い歴史があるって言ってたな」「このワインはこんな風だと言ってたな」など、理解が深まっている状態を客観的に感じ取れたのです。それと同時に、日本語の複雑さを再認識しました。辞書に載っているまま訳をしても、日本語の意味がつながらないですし、主語が行方不明になることもありました。意味不明な文章に訳して今後の商売に影響してはいけないという責任感がありました。
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カザーレ・マルケーゼの製品:グラッパやオリーブオイルも生産しています
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収穫前のブドウ:幹は残して枝から手作業で摘んでいきます

ローマ③.jpgイタリアというと「憧れの国」としていつも人気の国です。その半面、「イタリア人は大雑把でいい加減だ」というステレオタイプも存在します。このインターンシップで、こういった一般的なイメージとは全く逆の印象を受けました。確かに、日本人のように身を削ってまで働くという概念は存在しません。カザーレ・マルケーゼでも、昼休みの時間が3時間あり、繁忙期の収穫時期であるはずなのにゆっくりとした時間が流れていました。

しかし、この長い昼休み以外の時間帯はずっと電話が鳴り響き、来客も多く、仕事をしている時の皆さんの集中力とメリハリのよさに驚きました。イタリアの人たちは本当に明るくて、仕事に対して責任感も誇りも持ちつつ、いつもゆっくりおおらかに過ごしていて、それがとても心地良かったです。
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今回のインターンシップでは、なによりも人の温かさに感動しました。カザーレ・マルケーゼの方々は、カタコトのイタリア語しか話せない上にワインのことをほとんど知らない日本人の学生に丁寧に説明してくださり、些細なことでも評価してくださいました。インターンシップの主な内容は、同社の日本語HP用にイタリア語や英語で書かれた記事を訳するというものでしたが、私が切羽詰まっていないか、わからないことはないかと常に気を遣ってくださいました。「君のペースでやればいい。そのまま訳するのに限界が来たら、自分の文化に合わせた文章にしていけばいい」とアドバイスしていただき、急遽、ワインに合う日本食の例を挙げて紹介分に付け足すことになりました。
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通訳のクラウディアさんとソムリエのレオナルドさんと

ホームステイ先でも、いつも私の状態や仕事の進み具合を心配してくださっただけでなく、いろんなこと(パスタ麺の打ち方も含めて)をたくさん教えてくださいました。それに最高においしくて愛にあふれた食事を用意してくださいました。こんなにも人の温かさに触れたことはないと思ったほどです。最後に別れるとき、ただ “Grazie”の一言しか言えなかったことが本当に悔しかったです。もっと粋な表現ができたらいいのに、もっと上手に感謝を伝えられたらいいのにと何度も思いました。

今回のインターンシップで私が得たものは本当にたくさんありました。仕事をする責任感、日本とは違う環境で働くこと、外国語そのもの、ものの見方や感じ方など、たくさんのことを学びました。今も感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

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ホストマザーのソニアさんと
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ソニアさんの手料理:この日はトルテッリーニという中に肉が入ったパスタ(毎日とても美味しい手料理でした)
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Tutte le strade conducono a Roma

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