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2017.10.31

メディア・コミュニケーション学科

授業紹介:新聞社と放送局の実態を伝えるメディア制作実践

集中講義「マスメディアフィールドワーク」事前授業の様子をご紹介した前回に引き続き、今回は新聞社と放送局の訪問を終えた学生たちによる成果発表会の様子をご紹介いたします。

記事や番組をつくる現場を訪れ、学生たちは五感を使ってさまざまなことを感じとってきたようです。講義の最終段階では、その成果を新聞記事と番組風の寸劇としてアウトプットするグループ課題に挑戦しました。目の当たりにしてきたプロの仕事をマネしながら、その創意工夫を身をもって体感します。ニュース記者・テレビ番組のディレクター・ラジオの編成など、さまざまなお仕事にたずさわる方々にお話をきかせてもらった体験は、新聞と番組づくりのための取材でもあったのです。

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授業前に仕上げてきた新聞は、実際の新聞一面をお手本にして、各班が題字・見出し・リード文・コラムといった紙面構成の意義を考えながら制作します。編集に必要なたくさんの作業を効率的に進めるために、あらかじめ班のメンバーの得意分野を考えて誰がどこを担当するか話し合ってから着手し、お互いにフォローしあいながら作業を進めたそうです。なかには大きめのフォントで作成した班があり、実際に新聞社でうかがった「新聞は幅広い世代の方が手に取るため、読みやすさも大切です」というお話を参考にしたとのこと。

お手本があったとはいえ、その仕上がりはなかなかのもの。編集に使うソフトやアプリケーションも、学校で利用できるものからグループごとに適切なものを選択していました。誰もがふれたことのあるMicrosoft Wordの基本的な機能だけを使って実物さながらの紙面を組んだグループもあり、ふだんWordのフォーマット調整に四苦八苦している当ブロク編集担当は驚きました。まず原稿を起こしてから、新聞記事のように細かく記事を区切って、それぞれの要素をバランスよく配置するまでには、かなりの時間を要したに違いありません。
 
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続いて、テレビやラジオの番組風の寸劇をグループごとに上演し、番組の制作者や出演者の立場からマスメディアとは何なのかを伝えます。番組の企画書を見せてもらうと、放送時間帯・主な視聴者層・番組のねらいなどを事前に練ってきたようです。テレビとラジオとでは聞かせ方や見せ方は大きく変わりますし、どういった人をターゲットにするのかで構成や言葉づかいも調整しなければなりません。前述の新聞を番組内で引用しつつ、いかにもニュース番組らしいフリップなどの小道具を手作りしながら、グループごとに実際の番組に近づけるよう工夫を凝らします。
 
 
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事前授業でお世話になった元NHKのディレクターの渡辺学さんも再びお越しくださり、主担当の学科教員である高橋とともに、発表の講評をしていただきました。どのグループもしっかり取り組んでいただけあって高く評価していただきましたが、プロの目は細部を見逃しません。ツメの甘いところを丁寧にご指摘いただいた上で、取材の内容をよりよく伝えるために必要なもう一工夫を、詳しくアドバイスしてくださいました。

当初は「新聞社や放送局の見学」と聞いて、ワクワクいっぱいの社会科見学のような授業をイメージしていました。しかし、張りつめた雰囲気の成果発表の様子をみるに、実際の集中講義はアスリートの強化合宿さながらの緊張感でメディアの実態を学ぶ、ハードで濃い数日間だったのだろうなと想像しました。共同作業をつうじて成果をかたちにすることにより、マスメディアを支える人々の日常的な仕事がいかに大変で意義深いものなのかが骨身にしみたはず。その経験はこれからの学科での学びにも大きく活かされるでしょう。
(学科Today 編集担当)