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2017.06.19

国際英語学科

櫻田教授② 国際コンサルティングという仕事

2017年4月に国際英語学科は三菱総合研究所(Mitsubishi Research Institute)から櫻田陽一氏を教授として迎えました。三菱総研は1970年に設立された日本を代表するシンクタンク・コンサルティング会社です。

前回に引き続きこれまでの国際業務について紹介します。今回のテーマは「国際コンサルティングという仕事」です。


□ 国際コンサルティングで求められる能力とは何でしょうか

自分自身の経験に照らしてみると、国際コンサルティングに求められる能力は、40%の「体力」、30%の「チャレンジ精神」、20%の「好奇心」、そして10%の「知力」ではないでしょうか。知力の比重は高くありません。と言うのも、国外でのコンサルティング対象となる事象は、既存の処方箋でカバーできないものが非常に多く、逆に既存の方法で解決ができるものならば、わざわざコンサルタントに業務委託する必要はありません。

したがって、国際コンサルティングを必要とする問題の多くが「初めて目にし、あるいは手に取るもの」です。そのような問題に対する処方箋を煎じる力は、「体力」「チャレンジ精神」そして「好奇心」です。

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パキスタン・北西辺境州(現ハイバル・パフトゥンハー州)での住民ワークショップ風景(2006年4月撮影)

□ 国際コンサルティング業務でのやり甲斐を教えてください

開発援助分野に即して申し上げますと、見知らぬ国の社会環境に飛び込んでいって、現地の人々とのコミュニケーションを図る面白さは、地球規模のやりがいに通じます。仕事の中で、言語も文化も価値観も異なる人々と、多頻度でのコミュニケーションを通じて問題を共有し、解決の道筋をつけ、最終的には目指すべきゴールについて合意を得るというプロセスは、国際業務としての醍醐味です。こうした国際コンサルティング業務は、決して限られた人々のみが従事する仕事ではありません。健全な心身とチャレンジ精神、そして好奇心に満ちた若者なら、誰でもが容易に飛び込んでいける世界です。

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ベトナム・ハノイのベトナム国家大学経済校のMBAコースで学ぶベトナムの社会人学生さんたちとの集合写真(2013年12月撮影)

□ 大学時代にやっておくべきことは何でしょうか

とにかく、乱学、雑学で構いません。できるだけ多くのことに興味関心を持つことです。それは、文系、理系、国内、国際を問わず、幅広い学問分野、知識に興味・関心を持ち、貪欲になって書籍、インターネットを通じた知識の吸収や、インターンシップ、留学、私的な旅行を通した「五感で感じる実際の活動」を、精力的に実践することが大切です。特に、国際キャリアを志向するのであれば、可能な限り日本を飛び出して、生活の場面で実際に使われている生きた英語に触れる機会を得ることが大切です。

□ 最後に読者へのメッセージをお願いします

グローバル化の時代と言われて久しく経ちますが、先ずはアジアを意識したグローバル化について考えてみませんか。例えば、東アジアに位置する韓国は、福岡からは目と鼻の先です。また、ベトナムなどの東南アジアへは、日本からもたくさんの企業が拠点を移して進出しています。皆さんの将来の就職先も、東南アジアの拠点と無縁ではない可能性が高いのです。是非、視野を広く持っていただき、アンテナを高く上げてグローバル社会を見据えた将来の進路を考えてみてください。