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2017.05.26

心理学科

授業紹介『心理面接法』

 福岡女学院大学心理学科では、学生の可能性を開花させるための講義や演習が数多く準備されています。では、そこではどのような授業が行われ、学生たちは何を学んでいるのでしょうか?このような疑問にお答えするため、本ブログ『心理学科Today』では担当教員による授業紹介を行っています。
 2017年度最初の授業紹介は、福留留美先生による『心理面接法』です。「相談にきた生徒がただ泣き続けて何も話してくれないが、どう対応すればいいか」など、臨床心理学に不可欠な面接法を深く学べる授業となっています。
 

 

 『心理面接法』は4年生前期の科目です。3年生で『心理療法概論』『心理療法基礎実習』『心理学フィールドワーク(臨床)』等を学んだ後に、臨床心理学の知識を基礎にした面接の在り方、さらには現実により近い場面を想定した周囲の人への接し方を学び、習得することを目標としています。
 
 第一段階では、心理面接の基本的な進め方、考え方、注意点について講義形式で取り上げました。また、援助者として実践に移していく時には、「ある出来上がった理想形をまねるのではなく、自分が今まで培ってきた土台を活かすのが自然であること」「いいところは大切に守り、足りないところを補っていくという姿勢が大事であること」「援助者と被援助者の関係は、双方向のやりとりが十分にできていないと成立しないこと」などを話しました。
 受講生には授業後に感想や疑問を出してもらいますが、「自分自身の得手・不得手、偏りを自覚して人と接するということは意識したことがなかった」「自分の持ち味を土台にするというのが印象的だった」「カウンセリングは一方通行ではなく、共同作業であるというのが新鮮だった」などの意見が出されていました。
 
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 第二段階では、ワーク・タイムとして身近な状況を取り上げ、意見交換をしました。課題は、「相談にきた生徒がただ泣き続けて何も話してくれない」「不登校の生徒の家に家庭訪問をしたが、部屋から出てきてくれない」という場面を想定し、援助者の立場ではどのような対応が考えられるか、生徒の立場だとどのようにしてほしいか」について、グループで考えました。
 写真は、その時の教室内の情景です。この時の感想は、「相談者は話ができる状態で来ると勝手に思い込んでいた」「自分がしてほしいことを考えると、どう接したらいいかが自然と導き出された」「自分がしてほしいことが、必ずしも人の望んでいることではないので、慎重にならないといけないと感じた」など、普段人と接する際にも通じる大切な態度への気づきがありました。
 
 このように、心理面接室という“閉じられた”空間の中だけでなく、より広く、さまざまな状況を想定しながら、「人への接し方」「人を理解すること」について思考を重ね、鍛錬することを行っています。また、受講生の感想や疑問・質問は、新たな話題提供となって次の授業に繋がっています。
(担当:福留)